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僕は16年生きてきた人生の中で初めて恋をした。
親に認められる為に無理して目指した国内有数の進学校、僕はそこに合格する事が出来た。
有名中学のトップクラスだった生徒でも劣等生と呼ばれる様なこの学校でやっていけるのだろうか。
不安を抱えつつ見送る両親を後に学校へと向かった
退屈な学園長の話を右から左に受け流し、恒例行事を終え帰ろうとしていると教室に忘れ物をしていることに気付いた。
不幸な事に校内は複雑で僕は直ぐに迷子になった。その時に出会ったのが”彼”だった、所謂一目惚れと言う奴だ。
彼は図書室に居て、窓辺の席に腰を置いていた。洗練された動作で脚を組み瞳を本の上へと滑らせている。白粉を塗られた人形の様に白い肌、日に透かされる黄金色の睫毛、その全てが神秘的に美しかった
嗚呼…そういえば、この人生徒会長だった気がする
特に話すことも無かったが、俺の心は彼に奪われてしまった
ある日、何時ものように図書室に彼を観に行くとどうやら彼に親しげに話しかけている男がいた。彼は訝しげな顔をしつつ男を受け入れていた
男は初老の教師で蝶を食らう蜘蛛のような恐ろしくも蠱惑的な笑みを浮かべ、彼の体に自身の身体を近付ける、そして数秒動かなくなった後彼の口から甘い糸が溢れた、男は満足そうに笑っていた
僕の先輩を取られた憎しみでいっぱいだったが、自分では勝てる訳もなく泣く泣く枕を濡らした
「此れで厄介な青年も君に付き纏わなくなるかのぅ?」
「…此処までした以上、そうであって欲しいが。」
「儂は初めて君から接吻を懇願してきた物だから嬉しかったのじゃが」
「黙れ。」