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みぃ
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『誰も覚えていない夜』
「3人の影」
――中央ホール。
モニターに表示された三つの名前。
【ころん】
【みかさ】
【てると】
その下では、投票までの時間が刻々と減っていた。
【02:47:18】
ころん「……また、僕たちなんだ。」
みかさ「……。」
てると「昨日と同じですね。」
誰もすぐには言葉を返せなかった。
昨日は、三人とも同じ7票。
そして今日は――
議論が始まってすぐに、三人の名前が疑惑対象として表示された。
まぜ太「……さすがに気になるな。」
ぷりっつ「何が?」
まぜ太「昨日の投票と、今日の流れ。」
まぜ太「偶然にしては、ちょっと出来すぎてる。」
あっきぃ「……確かに。」
にしき「誰かが三人に意識を向けさせようとしている可能性はあります。」
心音「……でも。」
心音「逆に、人狼が疑われている三人の中にいる可能性もあります。」
ころん「……。」
みかさ「……そうだよね。」
てると「否定はできない。」
ゆた「でも、三人とも昨日からずっと疑われてますよね。」
ロゼ「そこが問題なんだ。」
ゆた「え?」
ロゼ「人狼なら、こんなに目立つ動きをするのか。」
ころん「……俺はしたくないけど。」
ロゼ「そうだろうな。」
ころん「でも……。」
ころんは少しだけ俯いた。
ころん「僕が人狼じゃないって証明する方法もない。」
ゆた「……。」
ころん「だから、みんなが疑うのも分かる。」
ゆた「ころんさん……。」
すると。
さとみ「じゃあ、三人の中から無理やり選ぶ必要はないんじゃないか?」
心音「……俺もそう思います。」
さとみ「昨日の投票で票が集まったからって、今日もそこを見る必要はない。」
心音「むしろ、別のところを見るべきかもしれません。」
にしき「……例えば?」
心音「昨日、投票で誰に入れたのか。」
ぷりっつ「また投票の話か。」
心音「はい。」
心音「昨日は三人に票が集まりました。」
心音「でも、その三人以外にも投票した人はいます。」
ロゼ「つまり、その人たちの投票理由を聞く。」
心音「そうです。」
ななもり。「じゃあ、順番に聞いてみようか。」
全員が頷く。
ななもり。「まず、昨日ころんくんに入れた人。」
何人かが手を上げる。
ころん「……。」
ななもり。「理由を聞かせてもらってもいい?」
一人目が口を開いた。
そあら「……発言が少なかったからです。」
ころん「……そっか。」
次に。
ものくろ「僕も同じです。」
ころん「……。」
そして。
別の人物が理由を話す。
その一つ一つを聞いていくうちに――
まぜ太「……待って。」
全員がまぜ太を見る。
まぜ太「これ、おかしくないか?」
ぷりっつ「何が?」
まぜ太「ころんに入れた理由。」
まぜ太「ほとんど同じじゃん。」
あっきぃ「……。」
まぜ太「『発言が少なかったから』。」
まぜ太「みんな、そればっかり。」
ころん「……。」
ロゼ「確かに。」
まぜ太「もちろん、本当にそう思った可能性もある。」
まぜ太「でも――」
まぜ太「誰かが最初に言った理由を、そのまま使った可能性もある。」
空気が変わる。
にしき「……誘導。」
まぜ太「そう。」
心音「……。」
そのとき。
ころんが静かに口を開いた。
ころん「じゃあ……。」
ころん「俺に投票した人の中に、人狼がいるってこと?」
まぜ太「まだ分からない。」
まぜ太「でも、可能性はある。」
ころん「……そっか。」
みかさ「じゃあ、俺たち三人が疑われてたこと自体が……。」
てると「誰かに利用されていた可能性もありますね。」
心音「……。」
心音は三人を見つめる。
――もし、本当に誘導されているのなら。
三人の中に人狼がいるとは限らない。
けれど。
――もし、人狼が三人の中にいるのなら。
この流れは、人狼にとって都合がいい。
疑われている。
だからこそ――
誰も、その裏側まで考えなくなる。
そんな中。
らお「……俺、一つ思った。」
ちぐさ「何?」
らお「昨日の投票で、ころんくんたちに入れた人だけじゃなくて。」
らお「誰にも入れなかった人も見るべきじゃない?」
しゆん「……なるほど。」
らお「情報が少ないからって、投票を避けた人もいる。」
らお「そこに何か理由があるかもしれない。」
ちぐさ「……確かに。」
らお「だから、俺は……。」
らおが全員を見る。
らお「今日、昨日と違う人を見たい。」
ちぐさ「……俺も。」
その瞬間。
心音の視線が、ちぐさに向いた。
心音「……。」
ちぐさ「……?」
心音「いえ。」
心音「なんでもありません。」
ちぐさ「……そっか。」
――カウントダウン。
【01:42:36】
残り時間は、もう二時間を切っている。
誰もまだ、確かな答えを持っていない。
けれど。
少しずつ――
疑いの向きが変わり始めていた。
三人の影の裏側にいるのは誰なのか。
そして。
その影を作っているのは――
人狼なのか。
それとも、ただの偶然なのか。
モニターに再び文字が浮かぶ。
【投票候補を自由に発言してください。】
全員が息を呑んだ。
――ここから。
本当の疑い合いが始まる。
――第11話「三人の影」終わり。
コメント
3件
うわ~。 切ない、、、人狼の可能性がある人は、誰かわからないもんね、みんな
みぅです🤍 第11話読みました…「3人の影」、もうタイトルからして切ないけど、すごく好きです📘 昨日と同じ3人が疑われてる状況、それに気づいて「発言が少なかった」って理由がみんな同じってまぜ太が指摘したところ、ゾッとしました…。 本当に人狼がいるなら、こんな風に誘導してる可能性もあるんだって。 心音がちぐさを見つめたシーンも気になる…。 そしてらおが「違う人を見たい」って言ったところ、すごくいい伏線になりそうで更新が楽しみです。 みぃさんの書く心理戦、いつも丁寧で、誰かの気持ちを置き去りにしないから好きです🌙