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掠ることすらもない嵐のような銃弾が飛ぶ中。真っ白な雪の積もる歩道をしばらく駆けていると、アンリー・サルギスの目の前にやっとノブレス・オブリージュ美術館の正門が見えてきた。
雪を被った正門には、さっき会ったヘレンという人が厚着をして待っていた。
「アンリーさん。早くこの建物の中へ。そして、ようこそノブレス・オブリージュ美術館へ」
そこで、ヘレンという人は白い息を吐いてウインクをした。
「正式に私が招待したということにして、あなたが欲しがっていた絵画のあるサロンへ行きましょうね。もう館内は自由に出入りしてもいいわ。後、あなたにどうしても聞きたいことがあるのよ。さあ、詳しいお話はさっきのサロンでね」
「モートもくるの?」
「ええ。あの人もくるわよ」
「ラッキー! そこで、モートにおばあちゃんから聞いたこと全部話すわ」
「ふう……これで少しはジョンが何をしようとしているのかがわかるかもしれないわね」
ヘレンという人に案内されて、アンリーは館内へ入ると、さっきまでいたサロンへと向かう。
館内は外の吹雪とは違い。とても暖かかった。
「ジョン……あなたは一体? それと……レメゲトンをどう使うのかしら?」
ヘレンという人がアンリーの傍で、独り言をごちた。