テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ずるい 【勘綾】
ずるい 。
ずるいずるいずるいずるい 。
「どうしてわかってくれないんですか!?」
『そっちだって!!屁理屈言うなッ』
「『 もう嫌い!!! 』」
五年い組 尾浜勘右衛門です 。
俺は今 、飛んでもない崖に落ちそうです
これは 、例え話ですよ 。
俺の恋人は 、
ひとつ歳下の四年い組綾部喜八郎という
それはそれは浮世離れしたどえらい別嬪で
高嶺の花のような存在の彼 。
い組という秀才が集まるクラスの中でも
罠においては学年をも超えて
学園一の天才トラパーなのである 。
そんな彼の彼氏である俺だって 、
い組として 、ある程度の知識はあるし
学級委員長委員会ではよくよく活躍している方だ
俺の扱う万力鎖だって 、
学園内じゃあ右に出てくるものはいないだろ
頭のいいもの同士じゃ
喧嘩なんかするほど馬鹿じゃないって思うだろ?
でも 、実際はそうといかないんだ
喜八郎は 、兵助をよく思っていない 。
豆腐についてやたらと喜八郎を追いかけ回すし
(まぁ、喜八郎が怒車の術を使うべく
豆腐嫌いなんて言うのが悪いが…..)
兵助は喜八郎の穴に一切落ちることが無くて
つまらないそうで 。
いちばんの理由は 、俺と同室だからだそうだ
なんたって兵助とは五年も一緒にいるのだから
言いたいことだって言わずしてわかってくる 。
いちばん近い距離感にいる兵助がずるいとのこと
俺の喜八郎…..かわいいだろう?
でも 、かわいいけれど 。
俺だって …. 俺だって
お前の大事な大事な同室クンが気に食わないよ 。
滝 、夜叉丸は
自慢が耐えないでいつでも輝いてる奴で
戦輪の輪子を持てば学園一の戦輪使い 。
おまけに喜八郎とは幼馴染ときた
同じ村で育って 、同じように生きてきた 。
俺よりずうっと長い時を過ごしてきた滝 、夜叉丸
俺の一生分でもたどり着けない所にいる
滝 、夜叉丸が俺はずるいと思う 。
頭の出来るやつらのいちばんの欠点は
プライドが高く負けず嫌いなところで 、
お互いが嫌味っぽく言うものだから
こちらも負けじと反論してしまうものだから
毎回毎回と喧嘩が絶えないのだった 。
そんなに喧嘩をしているのに 、
どうしてそんなにも付き合ってられるのかって?
そんなの 、好きだから以外に理由なんてあるの?
遅かれし後悔 【仙綾 . 滝綾】
「…….もう 、遅いのですよ」
そう意中の後輩に告げられ 、
私の四年間の想いが儚く散った 。
あぁ 、神はいつだって気高い 。
こんな 、愚かな私を見向きもしないなんて___
私は 、喜八郎を好いている 。
否 、愛していたとでも言っておこう 。
だが 、この思いは決して伝えてはならない
伝えてしまえば 、
きっと色んな噂が飛び交ってしまう
忍者は噂が回るのがはやいから
誰が誰を 、という恋色なら尚更 。
男が女を 、女が男を….なんては日常茶飯事でも
男が男を……など前代未聞だ 。
前代未聞と言っても 、
過去に私の委員会の先代委員長は
男の恋仲がいたそうだが 、噂によりあまり
長続きはしなかったとのこと 。
そんな 、第三者の手によって
私たちの中が裂けてしまうならば 、いっその事
両思いになんてならないでやろうと思った 。
そう思いを胸に 、私はとことん喜八郎による
アピールを無視し続けてきた 。
無論 、好い人からの接触に嬉しくないわけが無い
どれだけ我慢したと思ってる
そのまま長屋へ帰れば
は組には呆れられ 、ろ組は逆に励まし
あの憎々しい同室に至っては煽ってすらきた 。
その我慢も遂には終わりを遂げようとした 。
ふと 、喜八郎からの接触が断ち切られた時だった
風の噂で 、喜八郎に恋仲が出来た 。と
あの喜八郎が?と半信半疑だったものの
それは本当のようだった 。
なんと 、その喜八郎の恋仲相手は
喜八郎の同室の平だった 。
あれまで私に執着できたのは平が居たおかげで
その分平との時間が多かったのだろう 。
平はそのチャンスをずっと狙っていたのだろう
だが 、平なら大丈夫だろう
アイツは自信過剰で自惚れ屋で騒がしい
一見どこがそんなに良いのだ 。と思ってしまうも
だが 、そこがいいのだろう 。と気づいた 。
きっと 、その眩しい光がその闇に包まれた噂でも
吹き飛ばしてしまうのだろう 。
きっと 、その眩しさの裏側は
喜八郎だからこそ見れるのだろう 。
そうなれば 、もう私の役目も終いだな
負けず嫌い【鉢綾】
「あぁ喜八郎?あんなの 、嘘に決まってんだろ」
「男相手を本気で好きになるかよ!?」
『……おやまぁ 、』
目の前の光景を簡潔に言えば 、
不運なことに自身の机に集まって談笑している
僕の彼氏 鉢屋三郎とその取り巻き達 。
その顔は傑作と言ってもいいほど青白く
僕のところの委員長に
負けを取らないんじゃないかと思ってしまった
なんて考えていれば 、
ふと誰かに抱きつかれた気がした
「….ごめん 、嘘だから….な?」
その言葉になぜかイラッときた僕は
『えぇ 、まぁいいですけど』
「!!」
『結局は別れるので 、言い訳はいいです』
「喜八郎!!!」
その言葉を無視して 、僕は忘れ物を取りに
その取り巻き達に近付いた 。
『そこ 、僕の席なんで邪魔です』
そもそもなんで二年生が一年生のフロアに…
なんて思っていたら 、四方からも声が聞こえた
「なんで二年生が
一年生フロアなんかにって思った?」
予想的中すぎて引いてしまった 。
でも 、この人…..たしか 、、
『不破雷蔵せんぱい 、』
「やあ」
ニッコニコの笑顔が
さらにさらに煽られてるようでムカつく
まるで僕の行動を可愛がるようで背筋が凍る 。
さらに 、僕の隣のモブくんの机に座ってた
おはませんぱい??がまたまた話しかけてきた
「ねぇ喜八郎 、どうしてわざわざ
ここでいつも話をしているとおもう??」
「ねーねー 、なんでだと思う??」
ヘラヘラと聞いてくる 。うっっざい 。
その横にいる久々知兵助や竹谷八左ヱ門なんかは
腕を組んで一見呆れてるように見えても
実は僕の行動を今か今かと傍観しているのだ 。
別に 、わかってないわけじゃない
なんでいつもここに居るのか 。
わざわざ僕のクラスで話すのか 。
なんでさっきあれを口走ったのか 。
予想はつける 。でも言ってはやらない 。
『はて 、わかりませんね』
『…..鉢屋先輩』
「はい」
『反省するまで 、僕の席は使用禁止です
もちろん 、接触も禁止ですから』
「!!!!」
「それは本当かっ!喜八郎!?!」
『…..ふんっ』
あんな所で拗ねれば 、揶揄いの的に過ぎない
それだけは絶ッ対にいやなので
そろそろ今回の目的であった
日本史のノートを持ってタカ丸さんちへ急いだ
そこでやっと僕は愚痴をこぼせた 。
『嘘でも嫌に決まってるデショ 。』
『ばか』
コメント
2件
ああああああ鼻血があああああああ