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ここは魔界。
今日も俺はずっと”地獄の王様“のもとで働いている。地獄の番人として罪人を罰して、淡々とやるべきことをする。逆らったら”居場所“はない。ここで命令されたことは絶対なのだ。そんな日々を送っていると王様から呼び出しを食らった。「何かやらかしたか…?」と思いながらドアをノックする。
遼太)失礼します。|˙꒳˙)ノ|Юガチャ
王様)ああ、入りなさい。
遼太)何か御用でしょうか?
王様)最近、仕事頑張っていないようだな?部下から聞いたぞ。サボってるんだって?
遼太)え、サボってなんか…
俺は思った。またか、と。俺の先輩は俺のことが気に食わないのか、ずっと陰湿な行動をしてくる。軽いいじめのようなものだ。しかもそれを信じるのだ、王様は。
王様)言い訳は要らん。そこで、だ。お前には人間界に出張に行ってもらう。一ヶ月の猶予をやるから偵察をしに行ってこい。
遼太)出張ですか…それも一ヶ月…
荷が重い。だが、断れば俺の居場所はなくなる。それだけは避けたかった。
遼太)…わかりました。
王様)話が分かる奴だな。仕事も真面目にやればいいものを。
遼太)…すみません。
王様)では、軽く注意事項を話そう。まず、絶対に悪魔だとバレるな。バレたら…分かってるな?( ‘-‘ )圧
遼太)…分かってます。(._.)
王様)それと、人間に情を移すな。恋愛だの友情だの、そんなのは要らん。お前に感情などないと思え。もうないと思うがな。(`▽´)ガハハ
遼太)そうですね、分かってます。
王様)ああ、これで注意事項は終わりだ。絶対に破るな。あ、あとこれも持っていけ。
渡されたのは赤色の飴玉がたくさん入った袋。俺は生まれつき他の悪魔とは違って、肉塊を食べられなかった。唯一食べれるのは”血“だけ。俺はこれだけで生きてきた。それを飴玉にしたものだろうと察した。
遼太)ありがとうございます。
王様)受け取ったならとっとと出ていけ。明日には出発しろ。いいな?
遼太)はい。
俺は王室を出て自室に戻る。いつの間にか届いていたプリントには先程言われた注意事項と内容が書かれていた。読んでいるとある一点が目に入った。
遼太)”高校に転校生として転入“…?
たった一ヶ月だけというのにどうしてそこまでするものか。意味が分からなかったがこの仕事をやり遂げることを決意した。それはもう一度王様に認めてもらって居場所をもらいたいという思いからだろうと思った。
翌日。人間界に瞬間移動されると路地裏に移された。人間に化けて歩く。路地裏を抜けると近くに高校と思われる建物があった。
遼太)…本当にあるんだな。大きい建物だ…。
中に入ると書類は済まされてあったのかスムーズに教室へと案内された。王様の力だろうと内心で思いながら教室へと足を運ぶ。教師であろう人物が教卓に手をついて大きな声でしゃべる。
担任)はい、注目!今日から転校生としてやってきた高杉 遼太くんです。じゃあ、挨拶よろしくな。
遼太)高杉です。よろしくお願いします。
担任)じゃあ…窓際の席に座ってな。そこ、空いてるから。
俺は担任にペコっとお辞儀をすると席についた。授業内容なんて興味がないので窓の外を眺めながら時間を潰していった。やがて、昼になると生徒達は談笑しながら過ごしている。俺は人がいない
であろう、屋上へと向かった。
だが、そこには先客がいた。
???)君は…今朝の転校生?