お待たせしましたぁ〜!
ようやく、ようやく書き終わった!!
2ヶ月経ってる!嘘じゃん(?)!
散々お待たせして長話もアレなんで!
では、どうぞ…
あれから、ねこひよこさんの元で働き始め、兄はどんどん活力を取り戻し、昔の様によく笑うようになって行った。
それでも全くの元通り…
とは行かなくて
例えば
元々は肌が弱くすぐ荒れてしまうため、年がら年中日焼け止めをぬっていて色白だったのだが、わざと日焼け止めを塗らずに過ごすようになった。
最初の方は水膨れなんかも沢山出来て大変だったが、市長が良い薬を紹介してくれたおかげで今は程よい日焼け色の肌になった。
他にも
昔から視力が悪く、大学からはコンタクトレンズを使っていたのだが、それもやめて分厚いレンズの眼鏡を掛けるようになった。
この時ばかりは、兄の優しげな眼や表情が見え難くなって、少し寂しかった。
あと、何より印象的だったのが髭を伸ばし始めた事だ。
兄は幼い頃から大人びていた上、体つきもしっかりしていたから実年齢より高く見られがちだった。
兄はそれを気にしていたらしく髭の処理はとても丁寧にしていた。
髭を伸ばし始めてからはより一層歳上に思われる事が増えていたが、兄は何処か安心した様な顔をしていた。
きっと、まだあの屑共にされた事を忘れられずに、少しでも自分の身を守ろうとしていたのだろう。
その事を考えると殺意が湧いたが、まぁ、兄が選んだ事なので割り切る事にした。
俺も無事大学受験を終え、これでやっと平穏な日々を送ることが出来る。
そう思った矢先
「あの…トントン、ちょっと話あるねんけど……」
珍しく職場で夜を越して帰宅してきた兄が、神妙な面持ちで話があると言ってきたのだ。
また、何かあったのか
また兄の尊厳や心を踏み躙る様な事が起きたのか。
一瞬、怒りで脳がくらりと揺れる。
「……どうしたん?」
兄が申し訳なさそうに口を開いた。
「あんね_____」
その後兄に話されたのは
昨日の朝、市役所の前で3人の子供を保護した事。
3人は人間の兄弟で、母親に捨てられた孤児である事。
ねこひよこ市長がその兄弟達をとても気にかけている事。
兄弟達は行く宛てがなく、長期間市役所に置いておくことも出来ないと言う事。
そしてそれを総合した簡潔な内容が
「スゥ……という訳で明日から息子が3人出来ます」
「……いや」
いや!!!
「どういう事やねんッッッッ!!!!」
「ほんっまごめん!」
今まで生きてきて一番の声量だった気がする。
手を合わせて頭を下げる兄に安堵やら困惑やら焦りやら怒りやらその他etcが湧き上がり、思わず椅子がガタリと揺れる。
いや!そんな事よりも!!!
「断れやそんなモン!!!お人好しが過ぎるわ!!1人でもキツいんに3人やと!?施設くらいこの街にもあるやろ!?」
急に子供が3人、赤子程でないとはいえまだまだ手のかかる年齢の子供を3人も!!ただでさえ市長秘書兼通訳(いつの間にか意思疎通出来るようになってた)で比較的新人だとは思えない仕事量をこなす兄の労働力が更に増してしまう。
本当に兄は自分の事を考えてくれないのだ。
「しゃあないやんか!市長が『可哀想だからエーミールが育ててあげて』って言って譲らんのやもん!!」
「だとしてもやろ!!!?」
「あん人には恩あるから断りきれんかったんやぁ……」
「こんの意思弱兄貴が!!!!!!!!!」
兄と言い合いをしたのは、この時が初めてだった。
イラッとしてつい声に出してしまったが、兄が自分の意思を強く出せないのは俺のせいだ。
小さい頃から年の離れた弟の世話をして、両親にも満足に甘えられ無いまま育って、我儘なんて以ての外。兄が本当の自分で居られる時が、はたしてどれだけあったのか。
兄は常に誰かの期待に応え、誰かに与える側の人間だった。
…まぁ結局、手続きも始まっていると言う事で、その孤児の兄弟は我が家に迎えられることになった。
元々子供は嫌いじゃないし、兄の負担が増えるのが嫌だっただけで子供達の世話に抵抗がある訳じゃなかったから、突然できた甥っ子達とも案外簡単に打ち解けられた。
でも、少し驚いたのは、兄が引き取ってきた子供達が想像以上に物静かだった事だ。
家庭環境が悪かったとは聞いていたが、これ程とは。
近所の同年代の子なんて、耳がキンキンするくらいの高い声で笑って走ってはしゃぎ回っているのに、あの子供達は常に3人でくっついて、小さい声で控えめにきゃらきゃらと笑う程度だ。
特に長男のウツは酷かった。
拙い敬語混じりの喋り方で、おずおずと何かに怯えて居るかの様に話す。とても年に見合った態度では無い。
これでは流石に市長が同情して兄に引き取るように頼んだのも解ってしまう。
それと同時に、市長が兄の事をちゃんと見ていてくれているのだなと何処か安堵を覚えた。
でもそれからは特に目立った事もなく、甥っ子達は元気に育って行った。
ウツもシャオロンもショッピも、時間は掛かったが、極々普通の子供になったと思う。
それなりに我儘も言えるし、敬語なんて使わなくなった。それに、よく笑う。
大きく口を開いて、手を叩いて、腹を抱えて
笑えるようになった。
これには俺も、口元が緩んだ。
兄に至っては感極まり嬉し涙を流して、息子達に本気で心配されていたのを憶えている。
俺は大学を出てからすぐに就職して、まだ幼い甥っ子達の相手をしつつ実家から働きに行っていたのだが、
ある年、地方への転勤が決まった。
まじめにヤバシティは、普通の街では無い。
人間と、それ以外の異種族とが共存する、あの世とこの世の間にある街。
昔は人間が大半だったが、段々と異種族の数が増えて行き、いつの間にか人間は少数派になっていた。
ヤバシティに住む人間は皆、『素質』を持っている。
それは本来人間が認識出来ない異種族を視る事が出来るのは基本。その他、人ならざる者の呪いに対抗出来たり、染み付いた穢を取り除く事が出来たり
例えば
異種族と適合出来てしまったり
だとか
俺が派遣されたのは、ヤバシティから少し離れた…よりあの世に近い小さな町だった。
俺が働いていた会社は警備が主な仕事で、世界の狭間に存在する色んな町や村の警備を受け持つ、かなり大きな会社だ。
だから、時々町からの依頼で社員が町へ派遣されるのもよくある話だったのだ。
…ただ
運が悪かっただけ
転勤してからは、特に厄介事に巻き込まれることも無く平穏に過ごし、あっという間に転勤期間の5年が過ぎた。
初夏になり始めた頃の深夜、空調が壊れて部屋が蒸し暑くて堪らなかったので、窓を開けて寝ていたのだ。
すると、突然
「………っあ”!?ぐ、ヴ……」
とてつもない頭痛に見舞われた。
あまりの激痛に、呼吸さえままならなくなり、ぼやけた視界と思考で、何とか助けを呼ぼうとして
それで
「……ぁ”あ”、く…そ……っ…だ、れか」
『変に抵抗したら脳神経プッツンやで。大人しくしとけば?』
頭上から、声が聞こえた。
「……!?…だれ…っ…や!!」
『お前ホンッマしぶといな。5年も掛かっただけあるわ。ここまで強い素質持っとる奴も少ないで?』
「なんのっ…話……っ、やねん!!」
『まァ、アレやな。自己紹介しとこか』
俺の声とそっくりなその声は、悠々と話し出す。
『オレはあのー、アレや。人間で言うとこの【寄生種】ってヤツやな。ちなオレは虫ちゃうくて菌…まァキノコやから』
「……っ、はぁ”!?」
【寄生種】
本体は虫や植物の様な形態がほとんどの少数種族。基本的に知能は低く、基本的に動物や弱い異種族に寄生し生きている。
しかし、ごく稀に
高い知能を持ち、凄まじい能力で人間や強力な異種族でさえも傀儡にしてしまう【上位寄生種】と呼ばれる者が存在する。
此奴は、多分……
「…っ……【上位菌型寄生種】、」
『おー、知ってんねや。もう今やと知っとる奴なかなか居らんで。』
「…ぐ、ぅ”!……じょ、ういしゅ…サマが…っ、なんの…用…っやねん…!」
『お前マジでタフ過ぎん?ホンマに人間か?』
高い知能を持つ【上位寄生種】は、基本一個人を乗っ取る事は無く、大量の人間を一斉に操り人形へと仕立て上げるか、もしくは森や山自体に寄生し、静かに暮らすかのほぼ二択だ。
【上位寄生種】の操り人形達に滅ぼされた街や、足を踏み入れれば養分を吸い取られ永遠に出る事の出来なくなる森の話は、調べれば一つや二つでは無い。
そんな種族が、何故わざわざ唯の人間1人に寄生しようとしているのか。
『そんな警戒すんなって。別にお前の体使って胞子撒き散らしたろとか思ってへんし』
『そもそもオレは無欲な方やからな?今までもタダのキノコのフリしてその辺の山で過ごしとったんやから』
じゃあ
『じゃあなんでかって?』
「!?」
『ホンマの目的はお前ちゃうねん。いや、お前も十分興味深いけどな』
なんかよぉ分からんフォローをしてくる寄生種に若干毒気を抜かれたが、そんなモノは次の瞬間に消え去ることになった。
『オレの目的はお前の兄貴や』
「…あ”?」
今
此奴はなんと言った?
兄さんを?
『いやァ、そんなキレんなって。…あぁてか、ようやく頭覗けるようになったわ。おし、もう別に喋らんでもお前の考えてる事解るから話さんでもええで。』
兄さんに何する気ぃや
『いや別になんも?人間の【適合者】は珍しいからなぁ…それが2人揃ってるってなるとお前らの親も中々の素質持ってたんちゃう?』
【適合者】…?
『時々居んねん、【適合者】つってオレらの細胞に適応して寿命とかで死ぬまで苗床の役割果たせる奴が』
『普通オレらの細胞取り込んだら知能は無くなるし、身体も栄養吸い取るからすぐ腐るしな』
兄さんに寄生する気か
『あ〜まァ、そんな感じやな。別に殺そうってんじゃないで?ただちょ〜っと興味あると言うか…知的好奇心を満たす為と言うか』
『強い素質は近くの人間に影響あったりするからな。お前の素質も、半分くらいは兄貴のお下がりやで。元のも悪くないけどな』
何でそんなもんわかんねん
『う〜ん…ちょい表現ムズいけど、オーラ的なそれが見えんねんな。やからお前のオーラも、お前のと違うのと2種類あんねん。オーラは強けりゃ強いだけ情報が詰まってるからな。』
『解るやつは一目見ただけで解る。』
…兄さんに何かしたら殺すぞ
『お、やってみぃ。それはそれで興味深い』
クソ野郎が
『欲望に忠実なんはオマエら人間も一緒やろ。お前も同類や』
『血ぃ繋がった兄貴にこんな事思うんやもんなぁ?』
……は?
『言ったやろ。頭ん中覗いてるって』
やめろ
『もぉ随分拗らせとるねんなぁ…ほんで気ぃ付いたん最近かい。タチ悪ぅ』
違う
『違うも何もお前の脳内やねんて。』
違う俺は
『自分に嘘ついたってしゃあないやろ。もう正直になれば?』
ちがう
『往生際悪いなぁ…オマエが “コン、コン” ……お?』
小さくノックの音がして、部屋が静まり返る。
しばらくすると、またコンコンとドアを叩く音が聞こえてきた。
『あ〜……まぁ、小手調べにな……』
『大人しいしとってくれよ?』
勝手に体が動いて、廊下を進んで行く。
抵抗しようにも頭はぼんやりとするし、力も入らない。ただ視界だけがやけにハッキリとしていて、アンバランスさが気持ち悪い。
そうこうしている間に、玄関に着いていた。
ドアノブに手が掛かって、ドアが開く。
「……あァ…兄さん。久しぶり」
目の前に居たのは兄だった。
ぼんやりしたまま、久しく見ていなかった兄の顔を眺める。
あぁ、眼鏡のフレーム変えたんやな。前よりちょっと日焼けしとるな。髪型も変わってる…なんか新鮮やな。相変わらず綺麗な目しとるわ。
……なんで
そんな顔してんのやろ?
「……兄さん?どした?」
「…何処の何方かは存じませんが」
弟を還してください
「っ!、マジかァ……!!』
ぐらり
視界が揺れる。
『アハッハ…!まさかこんな秒で見破られるとはなァ!』
「…市長には感謝してもしきれませんね」
何の話や……?
『ア〜…やっぱアイツか。一応警戒はしてたんになァ……《呪いの札》まで出してくるか』
「……早く弟を…トントンを還していただきたい」
『アッハ……!コレも寄生種の意地よ』
頭がグラグラして気持ち悪い…
「トントン」
……嗚呼
なんか、懐かしいなぁ
「一緒に、家に帰ろう」
あの子達も待ってるから
「…う、ん」
そこで、意識が途切れた。
目が覚めたら、目の前が真っ青だった。
こんな事が起きれば誰だってビビる…バズ
驚きのあまり固まる俺にオロオロと焦るねこひよこ市長
あれなんかデジャヴ……
そんな的外れなことを考えていると、不意に上の方から声が聞こえた。
『お、起きたんや。おはよぉさん』
反射的に上を向くが何も居ない。
でも、あの声は間違いなく……
『そんな顔すんなって!なんもせぇへんわ』
「お前…!、兄さんは!?」
ガチャリと、扉の開く音がした。
「っ、トントン!」
「あ〜!トントン起きとるやん!!おはよぉ!!」
「おはざいますトントンさん、体調どっすか」
「良かったなぁ父さん…おはよトンち」
扉から入って来たのは、少しくまが出来た兄と、記憶の中の姿よりもかなり大きくなった甥っ子達だった。
焦った様にベッドまで駆け寄ってきた兄が俺の手を掴んで、安心した様な顔をしてへなへなと床に膝をつけ、泣きそうな顔で「良かったぁ」と呟く兄の背を撫でた。
「…心配掛けてごめん、エミ兄」
「こっちこそ、もっと早く気付いてあげれなくてごめん、トントン」
兄はあの日、ねこひよこさんから嫌な予感がすると言われて、転勤先の社員寮まで足を運んだらしい。
念の為にとねこひよこさんの力の籠った呪い(まじない)の札を携えて。
そしたらねこひよこさんの予感通り、俺の体を乗っ取っている最中の寄生種に出くわし、札で力を封じ込め保護してくれたらしい。
ただ、ねこひよこさんの札でも【上位寄生種】…その中でもトップクラスの力を持つであろうあのキノコを完全に引き剥がす事は出来ず、俺の体を仮の依代として能力を無効化していると言う。
互いに干渉は出来るが、行き過ぎた真似は出来ない。ただ此方のデメリットは時折あのクソキノコの声が聞こえるくらいなのでまぁ良しとする。
リハビリも問題無く済み、また働こうとしたのだが、いくら無力化されているとは言え寄生種を引っさげた奴をそう雇ってもらえる訳もなく…暫くの間ねこひよこさんに様子を見てもらうついでに市役所で雑務や事務仕事の手伝いをさせて貰える事になった。
本当に、あの人(?)には感謝してもしきれない。
その間俺は久しぶりの家族との時間を楽しんでいた。
甥っ子達は皆見違えて大きくなり、かなり大人びた表情を見せるようになったていた。
…まぁ、本人達は隠しているつもりなのだろうが……思春期だしな。
…思えば、俺も発端は甥っ子達と同年代位の時だったのかもしれない。
もう俺等がどうこうじゃなくて、エーミールからそういうフェロモンか何か出ている気がして来た。
……いや、あながち間違いじゃ無いのか
と、まぁそんなこんなで色んなトラブルに巻き込まれながらも、異質なりに充実した日々を送って居る
の…だが……
『えぇ加減素直になれって!甥っ子らに取られてまうでもう先越されてんのに』
「じゃかましいわい!!!」
俺の事にちゃちゃ入れてくんなっての!
自室のベッドの上、アイツことまいたけがいかにも愉快ですと言わんばかりにあの話を持ち出して来る。
そもそも!そう簡単に言える事でも、解決出来る事でも無いのだ。
『そんなん言うたかてオマエ20年以上拗らせとるとか見てられんて。はよ打ち明けてなんなら一発ヤッてまえよ。』
「ざっけんなカス。もうええねん俺は!墓場まで持ってくって決めたからな」
『ハッ!未練タラタラ童帝の癖よォ言うなぁ』
「お前もやろがい!」
『俺はオモロいもん見れたし、あと数十年は飽きなそうやから別にええです〜』
兄は、知らないだろう。
両親に変わって育てて来た弟が、こんな不純な想いを抱いている事など。
これはきっと、あの妙に勘のいい甥っ子達も知らない筈だ。いつの間にか末弟のショッピも酒と煙草が出来る年齢になった。
時の流れは恐ろしい。
だから、このまま
荒れた川のような時に呑まれて、消えてくれはしないだろうか。
コン、コン、
「はい」
「トントン今良い?」
「!兄さん、ええけど」
ガチャ、と扉が開いて兄が顔を覗かせる。
昔から変わらない、優しい微笑み
「今日あの子ら出かけてるしさ、折角やから晩酌せぇへん?なんか一人の気分ちゃうくて」
「うん、俺もなんか飲もうかと思っとってん。何ある?」
軽く会話をしながらリビングへ向かって、ゆっくりと酒を飲み進める。
兄は相変わらず大して強くないから、すぐに顔が赤くなって火照っている。
嗚呼、嫌だな
こんな風に思いたくは無いのに。
珍しく静かなまいたけはどうやら酒にやられて眠っているらしい。
いや、おい。起きろよ。お前が寝たら俺が後で寝られへんねんやめろ。
「…まいたけさんそれ寝てんの?」
「多分…静かやし」
「なんか思ったより馴染んでて俺びっくりしてるんやけど……」
「激しく同意。」
けらけらと笑う兄の右目
片方だけに埋め込まれた水晶が熱に浮かされゆらゆらと揺れる。
それだけでグラスを持つ手に力が入るのがわかった。
じぃ、とこちらを見つめる兄に勘弁してくれと思いながら、話を逸らすために声を上げる。
「…いやぁ、コイツに乗っ取られかけた時はどうなるか思ったけど、兄さんよぉ解ったよな。俺じゃないって」
「ええぇ…俺そんな頼りない……?」
たった一人の大事な弟なんやから、一目見ただけでちゃんと解るよ
「………ホンマ…そういうとこやで、エミ兄」
「え”っ!?なんで!?今何処でミスった!?」
嗚呼、本当に
この人は…
解って欲しい気持ちと、解って欲しくない気持ちが混在する。
もうずっとこのままの関係でも良いと思う心と、どうしても伝えたいと思う心が喧嘩をする。
いっその事、罵ってくれたらさっさと諦められるのに
心配になる程優しい兄は、きっとそんな事はしないし、出来ないんだろう。
「…エミ兄」
「ん?」
もうお互い良い歳だ。
いつまでもこんなガキみたいにウダウダしてる訳にも行かないし、さっさと諦めてしまいたいと思うのに
なのに
「いつもありがとう。頼りにしとるで」
「!、んふふ…兄ちゃん照れてまうわぁ」
いつまでも好きで好きで、仕方がない。
歪んでしまった感情を、過去の事だと言い退けられる日は来るのだろうか。
もしいつか、その日が来たなら
俺は
俺は、ちゃんと
兄の目を見て、笑えるのだろうか
トントン 年齢38歳[ヤバシティ市役所アルバイト]
元柔道部で兄や甥っ子達と同じヤバシティ大学を卒業後、割と大きな警備会社に就職。文武両道の万能型。しかし不幸体質でトラブルが重なり現在は市役所でねこひよこさんの元雑務などをこなしている。
非常に真面目で男らしい誠実な性格だが、恋愛の事になるとドがつく程の初心者なのでめちゃくちゃ奥手。高校生の頃から実の兄であるエーミールに自分でも気付かぬまま想いを寄せていた。
両親の記憶は無くほぼ兄に育てられた為中々のブラコン。しかしツンデレである。
血の繋がった兄に想いを抱く自分が大嫌いでよく自己嫌悪に陥る。でもどうしたってエーミールの事が好き。甥っ子のウツに自分と似たものを感じている。
どんな時でも兄が1番。エーミールへの性加害事件の時は本気で前科持ちになる覚悟を決めていた。
家族思いの頼れる男ポジション。甥っ子達がエーミールへ想いを寄せていることに気が付いており、同情の念を抱いている。
まいたけの事は大嫌いだがなんか馴染んで来てるのでかなり複雑。
まいたけ 年齢不詳[???]
寄生種の中でも特に珍しい【上位菌型寄生種】であり、知的好奇心が旺盛。しかしトントンに目をつけるまでは何をするでもなく小さな山の中で普通のキノコに扮して長い間過ごしていた。現在はねこひよこさんのお札により力を封じられ喋るキノコと化している。
人間に対する嫌悪感は微塵もなく、むしろ友好的でフレンドリー。だが人間の倫理観は持ち合わせていないので油断するとナチュラルにヤバい事をしでかす。
実力は未知数だがねこひよこさんには手出しが出来ないようだ。
トントンがエーミールへの想いを拗らせているのを見て楽しんでいる愉快犯。
触られる事が嫌い。
たかが1話で約9000字ってマ?
三分割にすべきだったか……
はい、ということで実弟編無事(?)完走でございます。如何でしたでしょうか!
いやね、時間かかったよね凄い。
ホント申し訳なく思っとります。
…次回誰にしよ
まぁ、まだ書きたいとこも沢山あるんで、これからも疎らですが更新していきます!
では、作者はテリア土barへ備えるので!
また、次の作品で……
コメント
3件
いやー。こういう拗らせ…大好きです🍄💕 設定がしっかりしてて根張りが良いので、読んでて世界観に没入でき、すごく楽しめます! まいたけさん…すごく某ヴェ○ムみを感じて……好き……です……🍄 長いこと兄弟しているからこそのtn氏の拗らせ…観客席からうちわ持って応援したいです✨ 長文ということでしたが、読後にスクロールするくらいもっと読みたくなりました。 ありがとうございます✨
最高でしたぜ👍 ̖́- 続きも楽しみにしてます!!