「どこぞで野垂れ死んだ方が世間のためよ」
「はっ……!?」
「……夢か……」
最悪の目覚めだ。
夢で孤児院が出てくるなんて。
「どうしたの?魘されてた」
テーブルに朝御飯を用意しながら彼女は云う。
「あぁ、鏡花ちゃん……大丈夫だよ……」
「……溜め込まないでね」
「大丈夫」
「今日は鯖なんだね!美味しそう!」
「ありがとう」
他愛のない会話。
今はこれだけで充分だ。
「おはようございます」
「おはようございます」
二人同時に挨拶をする。
「あぁ、おはよう。今日は早いな」
「そうですか?」
「あぁ。10分も早く来ている」
「意外と早い……」
「おや!敦君!」
「へ?」
こんな朝には聞かない様な声が背後からした。
「太宰さん!?」
「太宰!?」
「なんだい?そんなに驚いて。そんなに珍しいかい?」
「はい」
「そんな即答しなくても……」
「太宰が遅刻して来なかった……明日は爆弾でも降るのか……?」
「酷い!」
「今日はどうしたんです?」
「いやはや敦君が居る気がして!」
「えぇ……」
其の発言に少々引きつつ、
「まぁ、いいことか……」と呟く。
「こんな早くから敦君に会えるなんて嬉しいよ!」
「運命?運命なのかな!?」
「敦に手を出したら……」
「刺す」
鏡花ちゃんが夜叉白雪を出しながら刃物を取り出す。
「きょっ、鏡花ちゃん!落ち着いて!」
「敦も敦。こんな変態と仲良くするなんて」
「変態とは酷い!!!」
「じゃあ自殺マニア?」
「そう!」
「くっ……間違えた……」
「鏡花、其奴の事は包帯無駄遣い装置でいいぞ」
「一寸、国木田君!?!?」
「ほらなダメージが入った」
「40ダメも……!凄い!」
「よ、40ダメ……?」
今日も探偵社は賑やかだ。
コメント
1件