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◇◇◇◇◇
第3章 サザンオール王国王都
◇◇◇◇◇
それから1週間、出発までの間はリンドウの鬼特訓!
魔物討伐はせずに、リンドウを相手に剣術の指導を受けていた。
リンドウは剣術の指導に関しては、ものすごく厳しい。食事の間以外は朝から晩までずーっと剣術指導に時間をとっていた。
1日が終わるころには、リオはボロボロのぐちゃぐちゃに疲れ切って、自分でヒールをかけて帰路に着く毎日だった。
リンドウ:「リオ。明日は出発だからこれくらいにしておきましょ。ギルドにも寄らないといけないしね。」
リオ:「あ!そうだね。」
リンドウ:「リオ。だいぶ良くなったわよ。
これで対人戦もいけるわね。」
リオ:「そうかなぁ。リンドウとやってると実感が湧かないよ。でも、嬉しいかも。」
ちょっと早めに切り上げて、街に戻ってギルド支部に寄った。
そこで正式に王子護衛の依頼を受けた。
やはり、時間差の話だったみたい。
王子が闇営業ってまずいもんね。
◇◇◇◇◇
本日、王都に向けて出発の日。
朝食を王子と一緒に取っている。
王子はリオたちに対して警戒心が一切ない様子で、セバルスさん曰く、ここまで警戒しないのは珍しいということだった。
特にリンドウには冗談っぽく、専属で護衛として雇いたいということまで言って勧誘している。
それをリンドウはやんわりと無視している。
たぶん、王子は結構本気で言っていると感じた。
リンドウにその気はなさそうなのだが、内心ヒヤヒヤしている。
王子の直感でもリンドウは読めないのかな?
シャビル:「それじゃあ、そろそろ出発しようか?」
セバルス:「承知いたしました。近衛兵団に伝えて参ります。」
言うと同時にセバルスさんは部屋を出て行った。
◇◇◇◇◇◇
すでに金の鳳凰亭の前に馬車が準備されており、シャビル王子とセバルスさん、二人の侍女が乗り込んだ。
街を出てから、リオたちもゼータを召喚し飛び乗り、後ろからついてゆく。
今回は馬車の速度に合わせての移動になるので、王都まで約半月の長旅である。
たぶん、ゼータであれば、無理すれば1日の距離だと思う。
なお、王都は、ここ伯爵領都から北東に行ったところにある。
王子御一行様はゆっくりと王都に向かって進んでいく。
◇◇◇◇◇
1日目は何事もなく順調に歩を進めた。
一緒に食事をしてから野営の準備に入った。
リンドウ:「それじゃあ、私たちは別で休むから何か起こったら教えてね。また明日ね。」
一応、護衛の条件に野営は含まれていないので、見張りは近衛兵団にお任せすることになっていた。それは主戦力となるリンドウは休ませるという王子の判断であった。
リオは、ゼータにエサをあげてから収納し、代わりに高級テントを召喚した。
リオ:「デカ!」
リンドウ:「さらに大きくなったわね。」
前回よりさらにデカくなっている。
前回のガチャで高級テントは2枚被って+4になっている。大きさはテントの域を超えて、すでに家の規模になっている。
それを見たシャビル王子とセバルスさん、侍女の二人が近寄って来た。
シャビル:「これはなんだい?」
セバルス:「どこから出て来たんでしょうか?」
リオ:「あ!これは高級テントです。
いろいろあって、すごく大きくなっちゃって。」
リンドウ:「リオのスキルなのよ。」
シャビル:「へえ。リオはいろいろとすごいねぇ。
召喚獣に召喚テントか。
私も中を見せてもらってもいいかい?」
リオ:「はい。大丈夫です。」
リオとリンドウに続いて、王子たち4人も続いて中に入った。
もちろん、リオたちも中がどの様に強化されているか知らないのだが……。
リオ:「わー!変わってるなぁ!」
リンドウ:「そうね。奥に部屋ができてるんじゃない?」
シャビル:「リオ。どういうことだい?」
リオ:「あ!そうですね。何というか……。」
リンドウ:「そういうスキルなのよ。」
シャビル:「ふーん。いろいろ秘密があるんだな。まあ、深くは聞かないけどね。
それにしてもここはすごいね。
とてもテントとは思えないねぇ。」
セバルス:「はい。この大陸の造りとは思えないほど立派でございますね。」
リオたちは、高級テントの中の変化を確認したところ、バストイレ付きLDKだった奥に部屋が2つ追加されていた。
リオ:「リンドウ!2LDKって奴だよ。」
リンドウ:「本当ね。ふふふ。」
リンドウも気に入ってるみたい。
前回、出しっぱなしの高級ベッドを収納して、個室の方に召喚しておいた。
前回のガチャで追加された家具で2つ目の高級ベッドも2つ目の部屋に召喚。
高級テーブルと追加された高級椅子はダイニングにセットして、一応ダイニングっぽくなった。
代わりにリビングには無限ランプがぽつんと置いてあるだけで、殺風景になったが、またガチャでいろいろ揃ってくるだろう。
王子がポツリと呟いた。
シャビル:「いいね。羨ましいなぁ。」
セバルス:「そうですね。これは快適に過ごせますでしょうな。」
王子とセバルスさんは、部屋を見回して感嘆の声を漏らしている。
一通り、感心して王子たちは帰って行った。
リンドウ:「泊まらせろって言うかと思ったけど、案外あっさり帰ったわね。」
リオ:「あ!同じこと思ってたよ。」
と言ってたら、王子たちがまた入って来た。
セバルス:「リオ殿!王子だけでもここに泊まれませんでしょうか?
護衛の観点から、ここが最適かと思いますので、何卒ご配慮を。」
セバルスさんが頭を下げて、懇願してきた。
リンドウ:「やっぱり来たわね。」
リオ:「はい。大丈夫です。」
リンドウ:「リオ。これは追加料金じゃないかしら?」
リンドウの交渉が入った。流石ですw。
シャビル:「もちろん!大丈夫だ。」
王子も間髪入れずに即答で承諾したけど、よっぽど、ここが良かったのかなぁw。
2つ個室が出来たので、1つの部屋はシャビル王子に、残る部屋にリオとリンドウが寝ると言うことで。
寝るまでの間は、セバルスさん達もここにいると言うことで、飲料を出して雑談していた。
飲料についても、あまりの美味しさに驚いてたね。こういうスキルなんです。
ちょっと恥ずかしかったけど、リンドウに押し切られて、いつも通り一緒にお風呂に入った。
なんか、シャビル王子の眼が痛かったけど、いつも通りなんです……。
みなさんもお風呂に入ってもらってご就寝です。お風呂も好評でした。
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