テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第七話
蜃気楼
最近は思い悩む事が日に日に多くなり、
解決の糸口を模索し見えない出口を
手探りで探す様な状態の日々、
突如として彼方に一途の光が輝き出し、
その一途の光が出口だと思い
喜びの余り光に駆け寄ってみたら、
その光は自分の妄想癖が生んだ
幻想で心の渇きが見せた蜃気楼の光だったと判明し、その事が事実だと実感したと
同時に愕然とした全身を包む様な
脱力感と途方ない絶望感に苛まれ、
1人行くあてもなくフラフラと
自宅の周辺を徘徊していた、
そんな時にふらっと入った
コンビニで見かけた、
見覚えある様な気がしてならない
1人の男、同年代でチョロチョロと
顔を見れば見るほど学生時代の友達に似てる、菓子パンを模索している彼の側を横目で見ながら通り過ぎたら一瞬お互い目が合った、
2人共声は出なかったが正面から
お互いの顔を間近に見てお互い確信した、
思わず俺の方から
◯◯高校の佐藤だろ、久しぶりと声を掛け、
立て続けにコンビニ内で話し掛けていた、
アレ佐藤の家って、この辺だった、
イヤ、一度結婚して実家近くにマンション借りて女と2人住んでいたケド
直ぐ離婚したから1人でマンションは
持て余していたからこの辺にアパート借りて最近住み始めたんだよと、
そうなんだと懐かしい同級生と会って
2人話が弾みコンビニの喫煙コーナーの長椅子に2人腰掛けた、俺は新卒で入社した会社にまだ在籍してるけど佐藤は
今は何してるのと聞くと、
佐藤も新卒で有る某会社に入社したが、
関連企業の倒産に伴い連鎖して
勤め始めた会社が自己破産したと言う、
その後は両親と共に実家暮らしで
アルバイトを小遣い程度して、
金が無くなれば又仕事を探し
アルバイトをしていたらしい、
学生時代もそうだったが、
自由奔放で良いな佐藤は悩みなんて
無いだろと言い放つと、
有るよ俺だってと言う、
なんでもアルバイトを転々としていると
自ずと異性との出会いも多くなり既婚、
未婚、含め多数の異性と交流しているで忙しくて仕方ないと言う、何それ自慢なの?
と言うと、
だから結婚しても直ぐ離婚して
何にも縛られない自由の道を
選んだんだよと、お前結婚したんだろ、
噂で以前誰からか聞いたぞ、
あ、ああ、もう随分昔だよ
と言葉を返すと
結婚は男にとって人生の墓場だろ、
世の中の男は皆それを踏まえて
結婚するけど時が経つとやっぱり
結婚は男にとって人生の墓場だと
気付いて、後悔するんだよ、
お前結婚して長年同じ女性と
同じ屋根の下で暮らして息詰まらないか?
毎日楽しいか?自信満々に
自分の思想を言い放ち、
世の男は皆同じだ的な思いでいる
佐藤と接していたら、
とても同年代と思えない思考と感覚、
学生時代とは違う軽さと言うか
無理矢理一言で表せば同年代の
男性の中で思考も同好も感情も
良い意味で、若い、のだ
だからか見た目も同期と比べれは若い、
シワも顔になく髪もフサフサで
白髪もない、態度も一言一言、
言葉を発する度に毅然とした
態度で自信に満ち溢れている
澱んだ自身の気持ちと裏腹の
佐藤とコンビニで別れ1人トコトコと
歩いて自宅に帰宅する始終同じ
同級生でも悩みを抱えて日々
妄想している俺と、
日々取っ替え引っ替え異性との
交流に忙しい、嬉しい悩みとも
取れる事を自信満々に言い放った
佐藤との格差の違いに慄き
自身の人生を振り返る、
日が完全に闇に沈み闇夜だけが
現実で真実だと悟った様な気分の中、
街頭の灯火だけが自分1人の
周囲を照らしていた
139
#博士
#カオス
荒于
1,855
コメント
1件
「蜃気楼」読了!✨ 冒頭の“妄想の光に駆け寄ったら蜃気楼だった”っていう比喩、めっちゃ刺さった…😭 主人公の脱力感と絶望感がひしひし伝わってきて胸が締め付けられたよ。そんな時にばったり出会った同級生・佐藤との対比が鮮烈すぎる!自由奔放で若々しい佐藤と、悩みに沈む主人公の差に愕然とするラストがもう…。街灯だけが照らす孤独な帰り道の描写、エモすぎるよ…!次が気になる!