テラーノベル
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朝七時。
いつもならキッチンからいい匂いがしてくるのに、今日は静か。
🦈「……すっちー、?」
寝ぐせのままリビングに出ると、すちがソファでぐったりしていた。
🍵「おはよぉ、こさめちゃん」
声がかすれてる。
🦈「全然おはようの声じゃないじゃん!」
額に手を当てる。
🦈「あつっ。熱ある!」
🍵「微熱だよ。ごはん作るから——」
🦈「作らなくていい!!」
こさめ、全力で止める。
🦈「今日はこさめが作るから。すちは寝てて」
すちはちょっと不安そうな顔。
🍵「……キッチン、無事だといいけど」
🦈「その顔やめて?」
キッチンに立つこさめ。
エプロンを装着。
やる気だけは満々。
🦈「よし、簡単なやつ。卵焼き」
冷蔵庫から卵を取り出す。
コンコン——パカッ。
殻、豪快に落ちる。
🦈「……まあ食べられるよね」
そう言いながら殻を回収する
ボウルの中でシャカシャカ混ぜる。
フライパンを強火にしてしまい、すぐ煙。
🦈「うわっ!?」
🍵「こさめちゃん!?大丈夫?」
リビングから心配な声。
🦈「だいじょぶ!!たぶん!!」
ジュワアアア。
卵が一瞬で茶色になる。
🦈「はやっ」
🦈「‥卵焼きってこんな早く焼けるっけ」
焦げた匂い。
🦈「いっった!!」
指をちょっと火傷。
フライパンに触れてしまった
🍵「なに!?どうした!?」
すちが立ち上がろうとする。
🦈「来ないで!!寝てて!!」
どんどん赤くなっていく指をみつめるこさめ
(料理ってこんな危険なの?)
なんとか形にならないベタベタ卵焼き(スクランブルエッグ風の何か)と、
トースト(ちょっと黒い)と、
インスタントスープ。
🦈「……できた」
自信ゼロ。
すちはゆっくりテーブルに来る。
🍵「怪我してない?」
🦈「‥してない」
🍵「見せて」
すぐ手を取られる。
優しく冷やしたり、絆創膏を貼ったり。
熱あるのに、いつも通り優しい。
🦈「ほんとに寝ててよ……」
こさめがぼそっと言う。
🍵「こさめちゃんが怪我してるのに寝られないよ」
さらっと言う。
心臓が変な音を立てる。
🍵「いただきます」
すちが焦げ気味トーストをかじる。
こさめは固唾をのんで見守る。
🦈「……どう?」
すちは一瞬考えてから、にこっと笑う。
🍵「ワイルドな味」
🦈「それ褒めてないよね?」
🍵「愛情は感じる」
🦈「味は?」
🍵「……ワイルド」
🦈「正直すぎる!」
でも、ちゃんと全部食べる。
焦げも、ちょっとしょっぱいスープも。
体調不良のときに食べるようなものではない
油でギトギトでも食べた
🦈「無理しなくていいのに」
🍵「無理してない」
本気の顔。
🍵「こさめちゃんが作ってくれたんだよ?」
その一言で、苦労が全部報われる。
食後。
すちはソファに戻る。
こさめは横に座って、そっと肩に寄りかかる。
🦈「すっちー、いつもこんな大変なことしてたんだね」
🍵「今日は特別大変だっただけだと思う」
🦈「うるさい」
ちょっと拗ねる。
でも指をそっと握る。
🦈「‥早く元気になって」
🍵「うん」
🦈「こさめ、料理向いてない」
🍵「知ってる」
🦈「そこ否定してよ!」
すちはくすっと笑って、こさめの頭を撫でる。
🍵「でもさ」
🦈「‥なに」
🍵「また体調悪くなったら、作ってくれる?」
少しだけ期待のこもった目。
こさめは顔をしかめる。
🦈「……怪我増やしていいなら」
🍵「やめよう。俺が料理作る」
二人で笑う。
焦げた匂いがまだ少し残る部屋。
料理は壊滅的だったけど、
こさめの優しさはちゃんと伝わっている。
🦈「次はフライパン使わないやつにしよ」
🍵「それがいいよ‥」
ふえええええ
‥今、
私は、
こたつの中にいます
暑いです
【完】
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