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いつも無口なお母さんのことだった。
「報告なんだけど。」
「何?」
なんだろう。
「お父さんの転勤で、引っ越しすることになった。」
え……
突然過ぎて、頭が追いつかない。
「い、いつ?」
「まだ、決まってないんだけどね、翼が高校一年生が終わる頃かな。」
頭が真っ白になった。先輩とはどうなるのだろう。
「まあ、今の高校の翼も上手くいってないみたいだし。悲しくはないよね。」
悲しいよ!悲しいよ……
そういえば……先輩のこと言ってなかったんだ。
とっさに自分の部屋に逃げ込み、泣き崩れた。
「悲しいよ……」
お母さんに気づかれないように、小さな声で。