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心が読める心さん

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心が読める心さん

55 - 土曜日 誕生日プレゼント

♥

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2025年01月23日

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俺が告白したあと心さんは泣き崩れてしまった。どうやらいろんな感情が混ざって足に力が入らなくなったそうだ。

そこで俺はあることに気づいた。

和馬(心さんマフラーあるじゃん…!!やっちまった…)

心「マフラー……が、どうしたの?」

まだ泣き止んではいないが少しおさまったらしく、息継ぎで途切れ途切れな声で聞いてきた。

和馬「あーいや、その…心さんにって思って買ったマフラーなんだけど、心さんマフラーしてるの今気づいて」

心「うちに買ってくれたんだ…?」

和馬「…うん」

心「嬉しい…!ちょうどね、買い換えようと…思ってたんだ」

さっきまで泣いていたのが嘘のように元気な笑顔を見せて優しく笑う心さんに少しホッとしてしまった。

心「わっ!!可愛い!」

心「今巻いてもいい?」

和馬「あ、うん」

心「どう…かな?」

和馬「良く似合ってる…」

心「あ、ありがとう…!」

なんともいえない気まずさと実感の湧かない交際のせいで少し照れ恥ずかしい。

心「本当はねもっとデート楽しみたいんだけど、お母さんが帰ってきてて」

和馬「じゃあ帰るか」

心「ごめんね!次はもっと一緒にいよ」

和馬「せっかくだし家まで送るよ」

心「え!?もう遅いし大丈夫だよ?」

和馬「お…俺ももう少し一緒にいたい」

心「…!!なんか君本音を隠さなくなったね」

和馬「心さんが俺に打ち明けてくれたから俺も返さないといけないって思って」

心「君らしいね」

そう言って心さんはくすくすと笑いながら歩き始めた。だがすぐに足を止めて承諾してくれることを分かった上であざと可愛く聞いてきた。

心「手、繋いでもいい?」

和馬(それは……反則だろ)

そう思いながらも手を差し伸べる。

心「えへへ!ありがとう!!」

その後は心さんの家に一直線に向かい、道中はこれと言って特別な事はなかった。

心「ここまでありがとね」

和馬「じゃあまたね」

心「か、和馬くん…!!」

心「大好き…!」

心「…えっと、また学校でね!」

心さんは照れているのを隠すようにそそくさと家に帰って行った。

和馬(はぁー…可愛すぎて心臓がいくつあっても足りない)


初めて告白された。初めて付き合った。初めてうちは心の中にある重りを吐き出した気がした。

心(今日は初めてが多かったなぁ)

心(うち…和馬くんと付き合ったんだ…!!)

心(これからどうなるんだろ…一緒に登校、はしてるし、なんなら最近はバイト先が同じだから一緒に帰ってるし)

心(手だって何回も繋いでるし…あれ?)

心(…まぁいっか!)

いつもなら休みは終わってほしくないのだが今日は早く学校が始まり和馬くんに会いたい気持ちでいっぱいだった。

— しかし週末が終わったらうちらの学校は冬休みに入ることを思い出した。

心「…全然会えないじゃん」

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