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楠木side
全て終わった……。
もう、やり残したことは無い。
桜木「兄ちゃん!大丈夫?」
楠木『…あぁ、平気だ、これくらい。』
後は風鈴に…、戻るだけ……。
2人して風鈴まで歩く…。
桜木「…兄ちゃんッ!」
楠木『…?どうした?』
桜木「えっと、あの、……手、握らない?」
恥ずかしそうに、気まずそうにそう手を差し出す桜木。
そういえば……昔はよく繋いでた…。
あの頃の弟は俺から離れたがらなかったっけ……。
楠木『……。』
桜木「い、嫌ならだい楠木『ほら、行くぞ。』…ッ!うん!」
俺は出された手を繋いで一緒に歩く。
何故か心が休まる……。
そうか、俺は……、独りじゃなかったんだ。
護ってやらないといけない人間が居るだけで、こんなにも強くあろうと思えるし、一緒に居て安心できるんだな……。
梅宮side
[見回り行ってねぇやつ屋上に集まれぇ〜!!]
桜「うるせぇっ!出禁にしろよアイツ!!」
杉下「梅宮さんだッ!!アイツって言うな!!」
桜「お前もうるせぇッ!」
楡井「ちょっ、2人とも落ち着いて下さいッ!」
蘇枋「あはは!今日も元気だねぇ!」
楡井「笑ってないで止めてくださいよぉっ!」
桐生「ほぉんと、元気一杯だねぇ、楡ちゃん大変だねぇ。」
柘浦「元気がある事はええ事やッ!一緒に筋トレせんか!?」
蘇枋「柘浦君は黙ってようか?」
柘浦「何でやぁ…酷いで蘇枋…。」
桜「取り敢えず屋上行くぞ、梅宮から言われたし。」
楡井「そうですね!行きましょ!」
屋上
梅宮「お!来てくれたか皆!」
桜「…放送の音量何とかなんねぇのかよ、鼓膜破れるぞ…。」
梅宮「いやぁ!スマンスマン!俺テンション上がっちゃってさぁ!」
桜「それで、コレは何の集まりだ?」
梅宮「良く聞いてくれた!!この集まりは……、楠木が風鈴に帰って来るんだッ!」
梅宮の発言で周りはザワつく。
あんな奴が帰ってくるのか…とか、喧嘩しかない奴が?…俺らも殴られるんじゃないか?……。
桜side
何も知らねぇ奴が楠木の事言ってんじゃねぇよ…。
アイツはそんな奴じゃねぇのにッ。
風鈴生「だって、弟殺したんだろ?そんな奴が来ていい訳ねぇじゃん。」
プツンと糸が切れたかのように身体が動いた。
桜「テメェに何が分かるッ!!?アイツがッ!楠木がどれだけ辛いのかッ悲しいのかも分かんねぇでッ!巫山戯たこと言うんじゃねぇッ!」
気が付けば俺は発言した男の襟足を掴む。
風鈴生「何だよッ俺は本心を言っただけだッ!」
梅宮「止めろお前ら。」
梅宮の発言には怒りが混じっていた。
咄嗟に掴んでた手を離すとしゃがみ込むようにして梅宮に懇願した。
風鈴生「本心じゃねぇんだッ!喧嘩ばかりだって聞いて…咄嗟に…ッ。」
梅宮「そうだよなぁ、知らねぇもんな、アイツのこと、アイツはすげぇ優しくて頼り甲斐があるんだよ…俺以上に……。」
その発言に周りはシンっとした。
これが総代…。
俺が取りたい物……。
バンッと扉が開いた。
楠木『…梅宮、制服取りに来た。』
梅宮「おう!ココにちゃぁんと準備してあるぞ!楠木がここに戻ってくれるなんて夢なのかと思うよ…、俺は嬉しいよ、ありがとう。」
楠木『別に、お前の約束だから…約束は守らないと気がすまねぇ。』
楠木は…、何とも思わねぇのか…?
周りが嫌に思うくらいヒソヒソしてるのにッ。
楠木『…この場を設けてもらって感謝している、だが、俺のことはどうでもいい、ただ、俺の弟に関して嫌みやら言う奴らは許さない、俺は今後も俺の為に、俺がしたい様にする。ただそれだけだ。気に食わねぇ奴は俺に殺りに来い。』
周りのヤツらが息を飲むのが聞こえる。
楠木『…あ、お前。』
指さしたと思ったら……。
桜「お、俺!?」
楠木『話ある、後でこい。』
楡井「え、桜さん、楠木さんに何かしたんですか?」
桜「してねぇよ!!?」
梅宮「桜狡い、俺も呼び出されたいッ!」
柊「テメェは黙ってろ、桜、楠木の事頼む。」
桜「…あぁ、当たり前だ。」
空教室
桜「話ってなんだよ。」
楠木『……、お前は…本当に人の心に言葉を残すな…。』
桜「はぁ?何言って楠木『お前の発言が周りに光を与えてるだよ』…ッ俺はそんなつもりねぇよ。」
楠木『それでも、俺らはココに戻ってこれた。それは事実だ。ありがとう。桜。』
桜「…ッ名前……。」
楠木『俺の恩人なんだ、名前だって言っても問題ねぇだろ…?』
桜「ッ、んだよッ!そ!そんくらいの事でッ!空教室なんてつかうなよっ!」
楠木『それと別に…俺の事否定せずにいてくれたこと、嬉しかった。お前は……桜は……、ちゃんと上になれる。総代にだって、お前なら大丈夫。』
桜「…ッ、ンだよ…。お前と梅宮居たら俺目指せねぇよッ!?」
楠木『大丈夫だ、お前にはちゃんとココに勇気がある、俺には無かった物が…、だから大丈夫。お前はもっと上に行ける。』
楠木が何を言ってるか分からなかった。
桜「…訳わかんねえ…。」
楠木はクスッと笑いながら
楠木『今じゃまだ分かんねぇよ、でもお前が上に上がる度にわかるはずだ、何が大事なのか、何が要らないのか…、まぁ風鈴なら要らねぇもんなんて無いよな…。』
梅宮「おーい!楠木〜ッ!」
楠木『時間だな、行くぞ、桜。』
桜
何を言ってるんだ…?
俺には何も分かんねぇッ!
楠木『…立ち止まってても道は開かない。己の道は己で示せ。』
桜「はぁ?」
楠木『師匠の言葉、よく言ってた。俺が悩んでる時口酸っぱくな……。』
桜「だから、何が言いてぇんだよ。」
楠木は何処か諦めたかのように喋る。
楠木『……、守れなかった者は桜にはねぇだろ、だからこそ…護って欲しい。それはお前にしか出来ないから。』
ハッとした。
俺がやるべき事が、そうか。
全部上せいにしていた。
でも違う、俺が、俺がやらなきゃダメなんだ。
俺が俺自身がもっと強くならなきゃいけねえ、梅宮と、楠木が居ても俺がやらなきゃいけねえんだよッ!
楠木『お前が居なきゃ弟と出会えなかった、ありがとう。』
桜「ンだよ!」