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桜side
それから楠木とは別れた。
別れ際どこか辛そうな楠木を見てから…。
何かおかしいと思った。
何故か……楠木が何処かに消えそうで……。
あー、クッソ、考えただけでムシャクシャするッ!
アイツは何を考えてんだッ!!
楠木side
隣で眠る桜木を静かに撫でる。
やっと会えた…、もう二度と会えなかった弟が今目の前に居る……。
それでも、俺は……俺自身が変わった事に嫌気が差した。
要らない物は捨てて来た。物も…人も。
だけど、桜木は違う、捨ててなかった…ずっと、探してたんだ……。
俺と桜木は…生きる場所が違うんだ……。
俺は……桜木と一緒に居ちゃいけない……。
梅宮にも悪いことしたなぁ…制服取り行ったくせに…行かねぇなんて…。
このまま…桜木が着れるよう置いておこう。
きっと桜木は立派な風鈴になるだろう。
ごめんなぁ、不出来な兄で…、ゴメン、約束守れなくて…。
俺はそのまま荷物を纏めて部屋から消えた。
荷物を背負って歩いて歩いて歩く。
始発がそろそろ始まる頃だ。
駅のホームまで行くと……。
楠木『……なんで。』
梅宮「いやぁー、桜から連絡来た時は驚いたけど…まさか本当に出て行こうとするとわな。」
椿野「本当よッ!あーしは認めないわよッ!」
楠木『…何でだよ、何でそこまで俺に構うッ!?俺は風鈴には戻らないッ、戻れる訳ない……。知ってただろ、俺の居場所なんて無いんだッ!』
桜「…それ、誰が決めたんだよ…。居場所が無いなんて…誰が決めた?」
楠木『お前に何がわかる?知ったふうに言うなよッ!』
桜「……知ってる。辛いのも、悲しいのも、しんどいのも。俺は全部知ってる。」
楠木『戯れ言言うなッ!』
桜「……、俺はこの見た目だ、両親からも親戚からも忌み嫌われてきた。勿論周りからも…、生きてて意味があるのかって考えたこともあった、でも、ここに来て…風鈴に来てから考えが変わったんだ、ここに居たい。ここじゃなきゃ嫌だって……。お前もそうなんじゃねぇの?」
楠木『…だから何だ……。俺は…、俺は弟を殺そうとした。いや、1度殺したんだ……。それでまた殺してしまうところだった…。戻れねぇよ、戻りたくもない。俺は危険なんだよ…。だからもう無理だ……。』
柊「あー!ったく朝早く連絡来てこれかよ…、楠木、今のお前はだせぇよ…、今思ってる事はお前が今逃げてるだけだ、思ってみろ、弟を、この街を。それに昔のお前を…。」
楠木『……何だよ……、俺なんかの為に…どうしてそこまでする…?』
梅宮「そりゃあ決まってんだろ、お前は家族だからッ!道を外したのなら正すのが俺たちの役割だ、だから…帰って来い。楠木。」
何で……こんなにも暖かい?
どうして…心まで染み渡る?
わかんねぇよ……、どうしてここまでしたがるんだ……。
梅宮side
楠木は黙ったまま俯いてしまった……。
だけど、俺は見過ごせなかった。
そこに涙が流れていた事を。
だから俺は咄嗟に楠木に抱き着いた。
プライドが高い楠木は泣かれている所なんて見られたくないだろうから……。
楠木『…、くっ付くなよ……。』
梅宮「ははっ!!俺がくっつきてぇの!」
それから暫くして楠木くんも風鈴に戻ったとさ……。
梅宮「似合ってるなぁ!制服ッ!」
楠木『……嬉しくねぇ、……でも、悪くない。』
椿野「あらヤダ!楠木がデレるなんてねぇ!」
楠木『喧嘩してぇなら外でろお前。』
椿野「やぁね、褒めてるのに……いつから反抗期なのかしら…。」
察した。
コイツらは俺をガキだの赤ちゃんだと思ってんな……。
梅宮「楠木!」
椿野「楠木!」
柊「楠木。」
桜「く、楠木……。」
こんだけ思ってくれてるやつが居るなら……まだここにいてもいいか。
梅宮「お帰り!楠木!!」
楠木『…、あぁ、ただいま、風鈴。』
これにてハッピーエンドは終わりです。
色々悩みました…、かなり!
本当なら最後の梅宮の言葉を無視して先を歩いてから決めゼリフもあったんですけど…なかなか繋がらなくて……。
これが無難かなって思って書きました( ̄▽ ̄;)
今後とも小鳥遊をよろしくお願いします!