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眩しい朝日と雀に起こされて目を開ける。
こういうのは理想的な目覚めなのかもしれないが、私には不快にしか感じない。
華火「起きよ………..」
重い体を起こし、ベッドから降りて制服に着替えていると下の階から私を呼ぶ声が聞こえた。
母「華火、朝食ができたから降りてきなさい。」
華火「うん、支度したら降りるよ」
眼鏡をかけて髪を緩く結んでから部屋を出る。
母「昨日はよく眠れたの?」
華火「ううん、あんまりかな」
母「そう、今日は早く寝るのよ。それともう私行くから。清夏(せいな)も起こして朝食を食べてね。」
華火「うん、行ってらっしゃい」
ガチャッ バタン
清夏「姉ちゃんおはよ。母さんもう行った?」
華火「おはよう。行ったよ。ていうかお母さんの事いつまで避けてるの?しょうもないこと辞めなよ。」
清夏「いや、まあうん。でも再婚したばっかだしさ、俺結構関わりずらいかも。」
華火「それは私もお母さんも皆同じこと思ってるよ、少しは大人になりなよ。」
清夏「分かってるよ、うるさいな」
華火「お母さんご飯用意してくれたし一緒に食べよ」
清夏「うん。食べるわー。」
華火「いただきます。」
清夏「そういえばさ、夏鳴さんと姉ちゃんって結構仲良いの?」
華火「なんで?」
清夏「いや昨日家の前で手握ってたりハグしたりしてたじゃん。」
華火「窓から覗いてたの?気持ち悪い。」
と咄嗟に言い放ったが内心私はとてつもなく動揺していた。次第に鼓動が早くなっていくのが分かる。
清夏「おい誤解すんなよ、部活帰りにたまたま見かけたんだよ」
華火「へえ。まあそうね、仲は良いかも。」
清夏「ふーん、付き合ってんの?」
華火「………..付き合ってないわよ」
堂々としていれば良いものを、わざわざ嘘をついてしまった。夏鳴だったらどう答えていただろう。……私が思うに、彼女ならきっと正直に告白してしまうと思う。
清夏「へー、まあ俺には関係ないけど付き合うのはやめとけよ。なんかそういうのきもいし」
華火「あんたには関係ないって分かってるんだったら干渉するのはやめてくれる?私の勝手でしょう?」
しばらく沈黙が続いた後に、清夏から先に口を開いた。
清夏「そうだけどさー、まあいいや。皿下げといて。」
そういって清夏が席を立つ。
華火「ちょっと!それくらい自分で……!はぁ。」
自分の弟だけど、最近は生意気で。
正直、新しいお母さんも関わりずらいけど、清夏の方がよっぽど関わりずらい。最近はゲームばかりで、必要最低限しか顔を出さない。うちの家族はいつからこうなってしまったんだろう。
何よりも、同性同士の恋愛を頭ごなしに否定された事に腹が立って、やるせなくて、自分でも驚く程に深く傷ついた。