テラーノベル
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※この作品は7月7日にカクヨムで出したものになります
楽観的な脳みそ
これはとある平和な日のお話。
授業より早く着いた2人はいつもの部室に居た。
すると書類整理中の樹の後ろから東屋の声が聞こえた。
「西ヶ谷君!今日はなんの日だか分かるかい!」
「え…?7月7日ですよね…。ソロモン諸島独立記念日ですか?」
「え、ああ、うん。そうなの?」
今日は七夕。織姫と彦星が年に一度会える日。
今は早朝だが満天の空、天の川で会うことが叶っただろう。
「知らないリア充のお楽しみ会がどうしたんですか。」
「サンタクロースとか信じてなさそうだよね、君。」
信じてるとでも?
「七夕自体は知ってますよ、幼稚園の頃「警察官になりたい」って書こうとしたら間違えて「パトカーになりたい」って書いた黒歴史があります。」
「ホシ(犯人)確保を星に願ったのか。七夕に。」
「誰がうまいこと言えと。」
「…てかまだこれ出した現在4月までしか本編進んでないですよね。時系列って…。」
「堂々とメタ言うんじゃないよ。本編に関係ない日常回なんだから。」
ツッコミの立場が今日は逆な気がするがそんなことは別にいい。
「てか急にどうしたんですか?七夕なんて。」
「ああ、そうそう。それなんだけどさ。生徒会で全部活、全同好会の人が一つの大きな竹に願い事を吊るすっていうのを企画してるんだって。」
「ああ、要はそれを書けと。」
「そういうことだね。朝礼で部活、同好会ごとで回収するらしいよ。今書いちゃえば私持っとくけど。」
「え?でも朝礼ってあと30分後くらいじゃないですか…?」
「うん、今思い出した。」
「…。」
縦に長細い長方形の色紙を渡される。
「内容が先生の耳に届けば叶うかも」と東屋が言った。
東屋はもう書き終わったらしく椅子に座ってまとめた書類を見ている。
何を書くべきだろうか、正直書く内容に困る。
『部室が広くなりますように』
…いいや、違うな。2人だと広くても困る。
『3号館から場所を変えれますように』
…それはそれで集中ができないか。
なんども試行錯誤しては消しゴムで消すを繰り返す。
その最中ふと思いついた。
『部員がふえますように』
よし、もうこれでいいか。と東屋に渡そうとした。
が、短冊を持った瞬間に頭がそれを拒否した。
人が増えることは嬉しい。
きつい仕事も捜査も人手があればきっと、いや、絶対楽になる。
それはきっと東屋にとってもそうだ。
だからこそ。ただただ、不思議だった。
そして気づいた。
僕は今のままが良いんだ、と。
いくら仕事が大変でも、捜査が辛くても、倒れるほど働いても、
今みたいに2人で楽しく、気が置けないような人と活動できることを望んでたんだ。
『事件を解決できますように』
そう書き直した短冊を東屋に渡した。
その日、天の川の下に置かれた大きな竹には同じ願い事が2つ並んでいた。
コメント
1件
ああ、これめっちゃ良かった…!七夕の日常回ってだけでほっこりするのに、最後の「事件を解決できますように」って書き直すとこでグッときたわ。樹が気づくんだよね、今のままでいいって。で、同じ願いが二つ並んでるのがまた…!二人の信頼関係がじんわり伝わってくるエピソードだった😊
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