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「〇〇、行ってくるね」『うん、いってらっしゃい!』僕には最っっっっっっ高の奥さんがいる。
毎日必ず見送ってくれて、結婚指輪もしてくれてる。そう、皆様ご存知(かどうかは知らないけど)、結婚指輪騒動の奥さん。いつも通りの何気ない会話。だけど、最近指輪をずっとつけていてくれている奥さんに愛情表現をしたい。「〇〇」そう。いってらっしゃいのキスをしたい。今まで数回したことがあるが、たったの数回。片手で数えられるくらい。僕は毎日でもしたい。もう、それはそれは5分くらいの熱いやつを。今日もキスをしようと顔を近づけた。が、しかし。『い、いってらっしゃい!』〇〇は両手で僕の口を塞いで、そのまま前に押し出し僕は後ろ向きで玄関から出た。そう。今日の今に限らず
僕の奥さんは最近キスをさせてくれない。なんで?
どうも、皆様。五条悟の妻の〇〇です。今日もキスを躱しました。もちろん、したい気持ちはすごくあります。長続きする秘訣でもありますし。何より、愛する人とのスキンシップです。したくないわけがありません。だがしかし。
恥ずかしい。
皆様、お気づきのとおり私は恥ずかしがりやです。指輪をつけるのを躊躇うほどに恥ずかしがりやです。そんな私の顔にゼロ距離であの顔面が近づくことを想像してみてほしい。かっこいいし、美しいし、何より悟は目を細めてするから目線合うし。恥ずかしい。「目を閉じて」って言いたいですけど…
なんか、意識してるみたいで悔しい。
なんなら、最近キスをしようとする頻度が増えてる気がする。まぁ、最後にキスしたのは何ヶ月前か…。よく続いてるな、私達……。
『……気分転換にカフェでも行こう』
暗い気持ちを晴らすべく、カフェに行くことに決めた。なんか、カフェって落ち着かない?
やはり、カフェのコーヒーは一味違う。『美味しい…』コーヒーとそれに合わせてケーキを頼んだ。『んまぁ…!』初めて入ったが、ここは雰囲気もいいし落ち着く。だがそこに見た感じ、女子高生が入ってきた。まぁ、今日は休日だし普通にいるか。「ねぇ!最近、彼氏とどうなの?」……なんてタイムリー。申し訳ないが、少しだけ聞かせてもらおう。ごめんなさい。「えぇ…。……それがさ」「うんうん」「最近、キスを拒んでたら…」まって、タイムリーすぎる。これは聞き逃してはいけない。優雅に飲んでる風を装い、耳は会話を聞きながらさっきよりも味がしないコーヒーを飲んだ。「お前、俺のことほんとに好きなの?って…」「ま、確かに拒まれると思うかもねぇ」え!!そうなの?!
恥ずかしがってるのかな?じゃなくて、そんなこと思わせてるかもしれないの?まじか…「ねぇ!何か解決策とかないかな?!」「私?」「お願い!長続きしてるじゃん!」お、ふたりとも彼氏もちなのか。将来、幸せになるんだぞ。いや、そうじゃなくて。これはぜひとも聞かせていただきたい。結婚済みの女が年下の女の子たちの会話に聞き耳なんて。「……私は、自分からもするようにしてる」「自分から…?」「そ、私も貴方のことがこれくらい好きですよっていうのを行動で示すの。気持ちで好きでいても、それが相手に伝わってるとは限らないでしょう?」「なるほど…!」なるほど。私からも………って、むりむり。絶対むり!!そんなの恥ずかしぬ。「呆れられる前に行動しときなね」「うん!ありがとう!私もやってみる!」最近の子は積極的だな…
わ、私も…やってみようかな……
はぁ……「ひっ…」なんで伊地知ビビってんの?僕、ため息ついただけなんだけど。言わなくてもわかるよね。そう、僕の奥さんのこと。何故かキスをさせてくれない。なぜだ。前と同じで照れてる…?いや、キスは今までもしてきてるし、そうではないと信じたい。え、なに、僕とはもうしたくないってこと?軽くショックなんだけど。僕としては毎日毎時間毎分毎秒したいんだけど。何ヶ月か前にキスしたとき、ぷるぷる小さく震えながら僕のキスを受け止めてた〇〇。すっごく可愛かったなぁ…。ま、いつも可愛いけど。「なぁ、伊地知。」「はい?」「キスを拒まれる理由を5秒以内に答えよ。」「え?!」「ほら、もう2秒経ってるよ。」「えぇ……」はい、時間切れ。「……は、恥ずかしがってる…とか?」「できればそれ以外で」「は?!」僕だってそうであってほしい。だが、万が一、他の理由だった場合は何の可能性があるのか、第三者の意見を知りたい。「…単純に、するのが嫌とか…?」「は?」「ひっっっ」想像よりも低い声が出てしまった。僕とするのが
嫌…?それは……それはショックだな…。恥ずかしがってる方がよっぽどマシだ。まだ改善の余地がある。だが、嫌がってるなら無理強いはできない。「帰って聞いて見るか」だが、不安なものは不安。その不安をかき消すように呪霊にあたった。「(五条さん、キレてるのかな?)」
『よし、唇OK。口臭OK。』
最終確認を済ませて夫を迎える準備をする。
そして、キスの準備も。
『緊張してきた…』
実は私からするのは初めてで。喜んでくれるのかな…
「ただいまー」
『お、おかえり!』
帰ってきた!玄関まで迎えに行く。
『おかえり、お疲れ様』
「うん、ただい…ま……」
ん?どうしたのかな?
「ねぇ、何で今日は唇のケアがそんなに入念なの?」
『え…?』
「僕とするときは、そんなのないじゃない。何?これからどっか行く予定だったりした?」
え、なに。どういうこと。
まずい。これだと、前と同じだ。「ねぇ答えてよ。何で?何で、こんなに唇プルプルなわけ?」〇〇の唇に親指を押し付け、拭うように雑に擦った。『ちょ、待って…!』知らなかった。僕って、こんなに嫉妬深いっけ?こんなに、歯止め効かないっけ?こんなに、
理性無いっけ?
「うっさい」『へ、』玄関だってことは忘れず、靴を雑に脱いで〇〇の近くまで行って後頭部を捕まえて問答無用でキスをした。あぁ……やっぱりいいな…。『んっ…』ギュッて目をつぶって震えながら受け止めてる〇〇。普段ならここで止めるけど、今日は無理そうだな。キスをしたまま、〇〇を抱き上げて下から口づけるように体勢を変える。もちろん、後頭部を抑えるのはそのまま。〇〇なんて軽いから片手で余裕だ。『っ…』息の仕方、わからないのかなぁ。そこも可愛いなぁ。そのまま、歩き始めた。〇〇は驚いてる顔をしていたが気にせず歩いた。胸板をトントンしてくるが、痛くも痒くもない。まぁ、でも苦しそうだから一回離すか。「……なに?」『く、苦し…』「悪いけど、こんなんじゃ済まさないから」〇〇は口臭までケアしてるようだった。いつもより丁寧にしてるのが伺えるくらいに。普段は、しないくせに。こたつに足を入れて〇〇をその足の上に乗せて向き合うようにして座る。「ん…」『!!』と、同時に再び口づける。驚いたような表情をして受け入れる〇〇。何度も何度も角度を変えて深く、深くキスをする。「ね、口開けて」『ふぁ…?』もうふやけている〇〇。目もトロンとしてて口は半開き。少々だらしない表情だが、なおのこと可愛い。それと、好都合。「…」『っ?!』舌をねじこむ。普段、こんな強引なことしないから油断してたようだった。水音が響いて生々しい。それもピチャピチャみたいな可愛い音じゃない。ジュルって吸い付くように交わしていく。今何分経ったんだろ。『しゃ……っ…と…』「なに?」多分、僕の名前を呼ぼうとしてる〇〇。一度離す。今度は僕の唾液と〇〇の唾液が混ざったものが付着してて〇〇の唇はプルプル……いや、ベトベトか。『何で…こんな……』「じゃあ僕からも。何で最近キスさせてくれないの?」ギクッとしたような反応をする〇〇。しどろもどろしてる〇〇を見て苛ついた。勢いのまま、また口づけた。さっきみたいにゆっくりしたものじゃない。貪るように、食い尽くすように。激しめにしていく。『や…っ』「!!」やばい…。やばい、やばい。泣かせてしまった。僕は〇〇の涙にすごく弱い。普段、あまり泣かないからこそすごく弱い。「〇〇…?」『怖いよ……何で急にこんなっ』「………ごめん。」涙を流す〇〇に謝罪の言葉しか出てこない。「ごめん」抱き締めるようにして〇〇の頭を撫でる。『………私もごめん…』「え?」『キス……拒んでて…』罪悪感をすごく感じる顔で見つめられる。「…理由、聞いてもいい?」『恥ずかしくて…』やっぱりか…。
でも、「良かったぁ」『え?』「僕とキスするの嫌なのかなって」『そ、それは違う!』「そ?なら良いけど」良かった。嫌われてないなら、それで。「ごめんね、〇〇。怖かったでしょ。さ、夜ご飯食べよ」空気を変えるために夕食の提案をする。楽しみだな〜。今日はなんだろう。『ね、ねぇ!』「な」「に」って言えなかった。気づいたら〇〇の顔が目の前にあった。唇には柔らかい感触と、さっきも感じたほのかなレモンの香り。「え」『きょ、今日はオムライスだからっ…』立ち上がって〇〇は台所へ歩きだした。僕は心ここにあらず状態だった。何秒か経ったあとようやく事の重大さに気づいた。「え!!〇〇!い、今!」『……私も、大好きだから…』何それ。何それ何それ何それ!「愛してる!」〇〇の元へ行って抱きついた。『ちょ、ケガする!』
怒られちゃったけど
「いってきまーす」
『……今日は私からね』
「うん、お願いします♡」
それから私達はお互いが想像していたより、お互いがお互いを好き合っていることを知った。それからは毎日、キスをするようになった。毎日、交互にキスをしていく。今日は私の日だ。
「はーやーくー」
『ま、待って』
やっぱり恥ずかしい。でも…
『っ…』
「ありがと♡これで今日も頑張れそ!」
帰りも楽しみにしてるねー!と、家を出ていった。
『……私も楽しみにしてるね』
唇にまだ残る愛しい感触を感じながら家事に戻った。夫が帰ってくるまでに気持ち作っとこ。
「ねぇ!聞いてよ!みんな!」一方、学校では最近キスを毎日しててラブラブしてることを毎日惚気けてる28歳児がいたとか。
「今日の帰りは、どんな熱ぅいキスをしてくれるのかな〜」今から帰るのが楽しみだ。