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み

※エーミール愛されです。
※転生ものです。
※私がにやにやするための文章をAIに手伝ってもらいながらつくっています。
※某ゲーム実況者様のお名前をお借りしております。
ご本人様にご迷惑のかかりませんようご配慮お願いいたします。
『無能と蔑まれ隣国に送られた私、実は現代知識の天才教授だった件 〜帝国の怪物たちが離してくれません〜』
ー第二章 揺り籠ー
深夜、帝国の静まり返った医務室_
軍医総監しんぺい神の診察は、そんな静穏な空気の中で行われた。
先刻まで最前線から帰還した負傷兵たちの治療を指揮していた余韻を微塵も感じさせず、彼はエーミールを覗き込んで、その額にそっと手を当てた。
sn「来るのが遅くなってごめんね。……熱は落ち着いたみたいやな。よかった」
ほっと息をつくと、しんぺい神はエーミールのボロボロになった細い指先に優しく触れ、その瞳を真っ直ぐに見つめた。
死を待つだけだった多くの兵士を地獄から連れ戻すこととなった、彼のあまりにも細い指先。
そこには、地面に数式を書きなぐった時にできたであろう新しい切傷と、それ以上に深い、古い傷跡が混在していた。
sn「……俺は君に絶対痛いことはせえへん。約束する。だから、少しだけ体、見てもええか?」
無意識に身体を強張らせていたーミールだったが、自分を慈しむような柔らかな空気にわずかに身体の力を抜いた。
しんぺい神は「ありがとう」と微笑み、エーミールの身体をゆっくりと起こすと、寝衣の合わせを広げた。
tn「……っ!」
sn「………へぇ。これはまた、随分と丁寧に壊されたもんやね」
隣で見守っていたトントンは思わず息を呑み、顔を歪めた。
白い肌を無惨に汚す紫色の打撲痕。
そして、肌に焼き付いた魔法による拷問の痕跡。
gr「……魔力による暴行か」
窓の外を眺めていたグルッペンが、凍てつくような声で応じる。
その瞳には、かつてないほどの冷徹な怒りが宿っていた。
tn「……防御もできひん相手に、こんな一方的に……」
sn「死なない程度に、何度も……しかも絶妙な加減で……さすが魔力を愛する国やね…吐き気するわ」
しんぺい神の指先が、優しく火傷の縁をなぞった。
sn「……それに、何度か雑に治療した跡があるわ。壊れかけたら直して、また壊す…。いい趣味してるわ、ほんま」
エーミールの寝衣を直すと、次は顎を優しく引き、口を開けさせた。
喉の奥を慎重に確認すると、しんぺい神の表情から余裕が消える。
sn「……一番酷いのはこれやね。召喚の衝撃をまともに食らっとる。適切に処置すれば治ったものを、一年も放置するなんて……」
召喚時の過負荷で焼かれた声帯は、炎症が固着し、彼の声を奪っていた。
em「……う、……っ、……」
sn「痛いよな……ごめんな。もうすぐ終わるから。……よし、ええ子やな」
しんぺい神は優しく笑いかけ、その頭を撫でる。
だが怒りに手が震え、手元の医療器具がガシャンと鋭い音を立てて置かれた。
sn「……これは治すのに時間もらうわ。せやけど、必ず治す」
gr「いくら時間がかかっても構わん。資材も人員も、望むだけ使え」
聖教国は、エーミールの真の価値に気づかなかった。
魔力の物差しでしか彼を見ず、彼がこれからこの国をどれほど面白く、鮮やかに塗り替えるかを知ろうともしなかったのだ。
gr「……この美しさも、その比類なき知性も、我々だけが知っていればいいのだ」
独占欲の滲む声でグルッペンが断じた。
魔力を持たない『ガラクタ』として捨てられた宝石を、自分たちだけが磨き上げる。
その歪な支配欲が、怪物たちの心に渦巻いていた。
エーミールが目を覚ました翌日から、エーミールの病室は帝国軍の幹部たちが代わる代わる訪れる、城内で最も賑やかな場所になった。
向けられる過剰なまでの温もりに包まれ、エーミールの体調は徐々に回復していった。
ある日_
エーミールはグルッペンからもらった手帳と万年筆を手に取り、一つの絵を描いた。
見舞いに来ていたシャオロンとロボロが、隣に座り込んで興味津々で覗き込む。
sho「ん、何描いてんの? 見してや」
rbr「りんご…?」
エーミールは描いた絵を指差し、それから自分の喉に手を当てて、二人の顔を交互に見つめ、小首を傾げた。
em(これは、なんて呼ぶのですか?)
rbr「あっ!名前、知りたいんか! ……これは『りんご』や。り、ん、ご」
ロボロがゆっくりと、唇の動きを見せるように発音を教える。
エーミールは真剣な表情で唇を動かした。
em「……っ、……ん……ゴボ、ゴボッ……!」
せり上がる痛みに咳き込む背を、シャオロンが慌ててさする。
sho「おいおい、落ち着けって!……ったく、ロボロがガチで教えるから、無理してもうたやん」
rbr「しゃあないやろ、本人がこんなに身を乗り出してんねんから! 俺だって全力で応えたいわ」
sho「せやけど……よし、じゃあ…」
シャオロンがりんごの絵の下に文字を書く。
sho「これが『り』、これで『ん』で『ご』。……り、ん、ご。わかるか?」
エーミールがシャオロンの文字の下に、真似るようにして同じ文字を書く。
sho「そうそう! 喉が治るまでは、まずは文字だけにしよ? な?」
手帳には次々と絵が増えていく。
パン、机、窓、空——。
rbr「これは『ねこ』。文字はこう。……あ、そこはもう少しはねる感じやな」
sho「…習得早ない?さすがやな」
エーミールは新しいページを開くと 『人物』の絵を描き始めた。
rbr「……え、待って。これ俺? 」
エーミールはロボロを指差し、期待を込めて小首を傾げた。
rbr「俺? 俺の名前はな、『ロボロ』。ロ・ボ・ロ。……わかるか?」
エーミールはこくりと頷き、手帳の隅に『ロボロ』と丁寧に書き込む。
sho「ちょ、ロボロばっかりずるいわ! 俺は? 俺のも描いてや!」
シャオロンが横から割り込むと、エーミールは彼の姿を描き足した。
sho「おお、俺や!……俺は『シャオロン』。文字、ちょっと長いけどいけるか? シャ・オ・ロ・ン」
em(……シャ、オ、ロン……。……ロボロ……)
ふと、ロボロが思い出したように、エーミールの目をまっすぐ見た。
rbr「……あ、そうや。なあ、君の名前はなんていうん?」
首をかしげるエーミールに、ロボロが彼の胸を指し、それから自分の喉元を指差した。
rbr「『君』の『名前』や。……なんて呼んだらええ?」
em(……わたしの、なまえ……)
自分を指す『音』。
エーミールは、覚えたての文字と音を繋ぎ合わせ、白紙のページにゆっくりとペン先を走らせた。
『エーミール』
それを見たロボロが、一字ずつ形をなぞるように声を出す。
rbr「え……エー……ミール……?」
sho「エーミールか!」
この世界で初めて自分の名前が、宝物を愛でるような温かい熱を持って呼ばれた。
エーミールは嬉しそうに、けれど少し気恥ずかしそうに頷いた。
sho「おお、めっちゃええ名前やん! やっと呼べたわ!」
シャオロンが屈託のない笑顔で、エーミールの頭を大きな手で軽く撫でる。
rbr「よっしゃ、これは速攻で皆のところに行かなあかんな」
sho「せやね! 皆の名前も覚えたいやろ? 全員分、俺らが案内したるわ。ほら、行こうぜ、エーミール!」
二人はエーミールに、自然な仕草でそっと手を差し伸べた。
その温もりは、彼の心を優しく溶かしていった。
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