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み

エーミール愛されです。
※転生ものです。
※私がにやにやするための文章をAIに手伝ってもらいながらつくっています。
※某ゲーム実況者様のお名前をお借りしております。
ご本人様にご迷惑のかかりませんようご配慮お願いいたします。
『無能と蔑まれ隣国に送られた私、実は現代知識の天才教授だった件 〜帝国の怪物たちが離してくれません〜』
ー第三章 理をなぞる指先ー
しんぺい神の献身的な治療のおかげで、喉を焼くような鋭い痛みは和らぎ、エーミールの表情には少しずつ生気が戻り始めていた。
sn「ずっとベッドの上やと、体力が落ちる一方やからな……無理せん程度ならええよ」
というしんぺい神の温かな計らいもあり、城内の限られた場所であれば散歩が許可されるようになった。
だが、許可が出て以来、エーミールが向かう場所は決まって一箇所――城内でもひときわ巨大な『書庫』だった。
高い天井まで届く本棚の隅で、エーミールは床にぺたんと座り込み、夢中で古い文献を広げていた。
shp「……あ、いた…またこんな隅っこで」
棚の隙間から、紫色の瞳が静かに覗き込む。
最近、書庫に引きこもるエーミールを見つけ出すのが、ショッピの密かな日課になっていた。
エーミールは顔を上げると、小さく口を動かした。
em「(…しょ…っぴ、さん)」
shp「……『さん』はいらんって。エミさん、ここ、埃っぽいからあんまり長居せんほうがええよ」
ショッピはそう言いながらも、エーミールの横に腰を下ろし、慣れた様子でその口の動きを読み取る。
自分を呼ぼうとする一生懸命な唇の動きを見ているだけで、ショッピの胸の奥は微かに弾んだ。
em「(……しょっぴ、くん)」
言い直すと、ショッピは「……まあ、ええわ」と照れくさそうに視線を逸らした。
shp「今日は何読んでたん。面白い本、あった?」
エーミールは、膝の上で広げていた重厚な本の表紙を見せる。
shp「『魔術工学概論:基礎』……、今日は歴史の本やないんやね」
ショッピは一瞬言葉を詰まらせた。
今までは、歴史や文学の本を好んで読んでいたエーミールが、自分を傷つけた元凶である『魔法』そのものを学ぼうとしている。
その真意を探るように、努めて何気なく問いかける。
shp「……これ、面白い?」
エーミールはショッピを見つめると少し困ったように眉を下げる。
em「(まだ、わ…からない、けど、しり…たい)」
その答えに、ショッピの瞳がわずかに揺れた。
『怖くないんですか』と喉元まで出かかった問いを、ショッピは辛うじて飲み込んだ。
そしてただ、彼がその白く細い指先で難解な図解を丁寧になぞる様子を、静かに見守る。
em「(しょっぴ…くん、ここ、いみ、おしえ…て)」
その『おしえて』という無垢な願いに、ショッピは観念したように小さく溜息をついた。
彼が『知りたい』と願うなら、その高潔な欲求を無下にする権利など自分にはない。
shp「……いいですよ」
ショッピは努めて平穏な声を出し、エーミールの顔を間近で覗き込んだ。
shp「ただし、文字を追うのがしんどくなったら、すぐに言うてや…約束」
慈しむようなショッピの言葉に、エーミールは安心したように、何度も頷いた。
shp「どれ……?あー、これな。昔、魔力を安定させるために、地脈のエネルギーを直接利用しようとした時の記録やね…」
解説を始めると、二人の距離は自然と近くなる。
エーミールはショッピの解説に合わせて、重厚な本の紙面に並ぶ難解な文字を、指先でそっとなぞった。
em(……ここは?)
shp「そこは……あー、今の魔力と魔法の考え方やね……これは……」
知識の海に没頭する二人の静かな時間を、別の影が遮った。
ci「あーいた! やっぱりここにおった!」
眼鏡の奥の瞳を細めたチーノが、ひょっこりと顔を出した。
ci「ショッピずるいぞ!エミさん独り占めして!」
shp「……ちっ、うるさいのが来た」
エーミールはチーノの姿を真っ直ぐに見つめて口を動かした。
em「(……ちーの、さん)」
ci「もー呼び捨てでええって」
チーノはエーミールの前にどさりと胡座をかき、二人が広げていた難解な文献を覗き込む。
ci「うわぁー……難しそう。何の本?」
エーミールは本とチーノを交互に見ると、チーノの袖をきゅっと引いて、口を動かした。
その仕草はまるで小動物のように健気で、チーノは急かさず、愛おしそうにエーミールの言葉を待った。
em「(……ちー…の、くん)」
ci「ん? どうしたん、エミさん」
em(…ま…ほう、みたい)
その言葉に、チーノもショッピも、一瞬で表情を固まらせた。
ci「え……?」 shp「…………」
チーノの戸惑いを遮るように、エーミールがもう一度、控えめに袖を引いた。
その指先からは、震えるような恐怖よりも、強い好奇心が伝わってくる。
ci「……エミさん。魔法、怖くない? …嫌なこと、思い出したりせえへん?」
ショッピとは対照的に、チーノは堪らず直接問いかけた。
覗き込むようなその瞳には、隠しきれない心配が滲んでいる。
だが、エーミールは静かに、けれど確かな意志を持って口を動かした。
em「(みん…な、やさしい、こわく…ない……)」
『みんな優しいから、怖くない』――その言葉が、重く、二人の怪物の胸を突いた。
shp「……はぁ…チーノ。ほら、ゾムさんに教わってたアレやってや」
ショッピがどこか諦めたように、けれど愛おしさを隠しきれない声でチーノを促す。
ci「えっ、俺!? ショッピのほうが上手いやん!」
shp「練習中のほうが魔力の動きがゆっくりで、観察しやすいやろ?ほら、エミさんにええとこ見したれ」
ci「……分かったよ。……もう……ほんまにちょっとだけやで? 怖くなったら、すぐに目ぇ瞑ってや」
チーノがゆっくりと右手を差し出すと、その手元が淡く、宝石のような光を帯び始めた。
エーミールは吸い寄せられるように、その光景を見つめる。
shp「……魔力言うんは、体の中に流れてるエネルギーのこと。それを外に放り出して、物質の性質を変える、それが俺らが使ってる魔法…」
ショッピが耳元で淡々と解説を加える中、チーノの手の中に小さな水の球が浮かび上がった。
shp「魔法には適性もあるし、得意不得意もある。せやけどイメージさえちゃんと出来れば…」
ci「…ほら、これな。空気中の水分を冷やして…水から氷に変化させ……っ、ちょ、エミさん、近すぎやて! 」
好奇心に負けたエーミールが、その『変化の瞬間』を観察しようと、チーノの手元に顔をくっつけんばかりの距離まで近づいた。
すかさずショッピがエーミールの細い肩を抱き寄せ、自分の胸元へと引き寄せる。
shp「……危ないで…チーノは今練習中やから、あんまり動揺させんといて。手元が狂うわ」
em「(……き、れい……)」
エーミールの唇が、感嘆に震える。
自分を焼いた呪わしい力。
その原理が、今は『美しき理』として目の前にある。
その純粋な瞳に見つめられ、チーノの集中力は限界を迎えた。
意識がエーミールに向いた瞬間、チーノの魔力が大きくぶれる。
パキリッ_
小さな音を立てていた氷の結晶は、一瞬で形を失い、白く濁った気体へと霧散していった。
ci「あっ…失敗した…」
shp「あーあ。集中力切らしたな。エミさんに見惚れすぎやろ」
ci「しゃあないやん! あんな……っ! 誰だって動揺するわ!」
エーミールはその二人のやり取りを不思議そうに見つめながら、霧散した魔力の残滓を惜しむように空を仰いでいた。
だが、その穏やかな時間は、 廊下の向こうから響く、聞き慣れた鋭い足音に切り裂かれる。
_コツ、コツ、コツ…
石床を叩くその音は、近づくにつれて明確な怒気を孕んだ激しい音へと変わっていく。
shp「……あ、この足音……」
ci「あっ!やばっ!」
二人が顔を引きつらせて立ち上がろうとした瞬間、書庫の重厚な扉が勢いよく開け放たれた。
sn「あー! やっぱりここにおった!」
凄まじい勢いで本棚の陰から現れたのは、白衣の裾をなびかせたしんぺい神だった。
sn「もう! エミさん、無理せえへん程度にとは言ったけど!」
shp「げっ、しんぺいさん……」
sn「『げっ』じゃないよショッピ! それにチーノ! 探しに行かせたのに、なんで一緒になって座り込んでるん。ミイラ取りがミイラになってどうすんねん!」
ci「わっ、ごめんなさい! でも…ちゃうんすよ、これはその……解説とか、してたらつい……!」
憤慨するしんぺい神は、言い訳を並べる若手二人を鋭い眼光で一蹴すると、すぐにエーミールの元へ駆け寄った。
sn「もう! ほら、今日はもうおしまい。書庫は冷えるんやから、風邪引いたら大変でしょ」
エーミールは申し訳なさそうに、けれど名残惜しそうに 二人を見つめ口を動かす。
em「(また、あした、まほう、おしえて)」
叱られていたはずの若手二人は、同時に心臓を撃ち抜かれたような顔で固まった。
shp・ci「「……っ、当たり前やろ!!」」
見事に重なった二人の声に、エーミールは初めて、頬を微かに緩めた。
それは笑みと呼ぶにはまだあまりに儚いものだったが、彼を囲む怪物たちにとっては、どんな魔法よりも眩しかった。
コメント
2件
めっちゃ面白いです!!!続き楽しみにしてます!