テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#timelesz
いちごみるく
16,246
2,177
2,132
#紅一点
いちごみるく
1,365
今日はダンス練習。
でも朝から生理が来ていた。
風磨「じゃあ頭からもう一回」
〇〇「うん」
音楽が流れる。
〇〇は先頭に立つ。
いつも通り。
誰よりも大きく。
誰よりも正確に。
お腹は痛い。
頭も重い。
それでも止まれない。
〇〇(今日しかない)
timeleszの仕事。
ドラマの撮影。
映画の宣伝。
CM撮影。
雑誌取材。
毎日予定が埋まっている。
9人全員でダンスを合わせられる日は本当に少ない。
〇〇(ここで休めない)
音楽が止まる。
〇〇「そこ揃えよう!」
勝利「了解」
寺西「もう一回やる?」
〇〇「やろう」
風磨「元気だな」
〇〇「当たり前」
笑う。
本当は笑うのもしんどい。
でも誰にも気付かれない。
再び踊る。
激しい振付。
ターン。
ジャンプ。
移動。
〇〇(痛い)
それでも動く。
原「〇〇さ」
〇〇「ん?」
原「その振りどうやるんだっけ」
〇〇「こう!」
原「なるほど」
〇〇「もう一回!」
橋本「先生厳しい(笑)」
〇〇「本番もっと厳しいよ」
松島「確かに」
また音楽。
また踊る。
何回も。
何回も。
何回も。
気付けば二時間近く経っている。
汗が流れる。
〇〇は水を飲む。
風磨「休憩五分」
〇〇「じゃあその間確認しよ」
勝利「休憩しろよ(笑)」
〇〇「大丈夫」
寺西「仕事人間だな」
〇〇「だって時間ないもん」
松島「最近忙しいもんね」
〇〇「うん」
風磨「昨日も撮影?」
〇〇「朝まで」
原「え?」
橋本「朝まで?」
〇〇「ドラマ」
篠塚「寝てないじゃん」
〇〇「寝たよ」
勝利「何時間」
〇〇「二時間」
全員「え?」
〇〇「大丈夫大丈夫」
風磨「それ大丈夫じゃない」
〇〇「生きてるから」
寺西「基準低いな」
全員笑う。
〇〇も笑う。
でも頭はガンガンする。
目の前が少し揺れる。
〇〇(終わるまで頑張ろう)
休憩終了。
風磨「再開」
〇〇「よし!」
誰よりも先に立ち上がる。
松島「早いな」
〇〇「やるぞー!」
勝利「元気だけはすごい」
再び音楽。
フォーメーション確認。
立ち位置確認。
細かい角度確認。
〇〇「しのもう半歩前!」
篠塚「了解!」
〇〇「将生もう少し左!」
将生「オッケー!」
〇〇「いい感じ!」
風磨「助かる」
〇〇「任せろ」
その言葉通り。
最後まで誰よりも動き続ける。
誰よりも声を出す。
誰よりも全体を見る。
そして練習終了。
音楽が止まる。
勝利「終わったー」
原「疲れた」
橋本「やばい」
寺西「今日進んだな」
風磨「かなり良かった」
猪俣「〇〇ありがとう」
〇〇「え?」
松島「教えてくれて」
勝利「助かった」
篠塚「先生」
将生「先生」
猪俣「先生」
〇〇「やめろ(笑)」
風磨「でもマジで助かった」
〇〇「よかった」
その瞬間だけ少し安心する。
みんなの笑顔を見る。
〇〇(頑張ってよかった)
痛みも疲れもある。
でも9人で作るステージが好きだから。
〇〇は最後まで笑っていた。
その瞬間だった。
ふっと力が抜ける。
〇〇「……」
その場にしゃがみ込む。
勝利「え?」
松島「〇〇?」
〇〇「はぁ……」
風磨「おい」
寺西「どうした?」
〇〇「ちょっと」
原「ちょっとじゃないだろ」
〇〇「立ちくらみ」
橋本「顔真っ白」
篠塚「大丈夫?」
〇〇「大丈夫大丈夫」
そう言いながら笑う。
でも全然大丈夫そうじゃない。
風磨「全然大丈夫じゃない」
〇〇「いや本当に」
立とうとする。
ふらっ。
風磨「おい!」
寺西がとっさに腕を支える。
寺西「無理するな」
〇〇「ごめん」
松島「いつから?」
〇〇「朝から」
一瞬空気が止まる。
風磨「朝から?」
〇〇「うん」
原「は?」
橋本「嘘だろ」
猪俣「ずっと?」
〇〇「うん」
勝利「言えよ」
〇〇「だって今日しかなかったじゃん」
静かになる。
〇〇「みんなで合わせる日」
〇〇「少ないし」
〇〇「私他の仕事もあるし」
〇〇「ここ休んだら進まないかなって」
風磨「バカ」
〇〇「知ってる」
風磨「褒めてない」
〇〇「知ってる」
松島「なんで一人で頑張るの」
〇〇「だって」
勝利「俺らいるだろ」
寺西「9人なんだから」
原「一人で抱えるな」
橋本「頼れ」
篠塚「珍しく真面目なこと言うけど」
篠塚「本当に」
〇〇「……」
猪俣「無理してるの気付かなかった」
将生「ごめん」
〇〇「なんで謝るの」
風磨「謝るよ」
勝利「気付けなかったし」
〇〇は少し俯く。
朝からずっと我慢していた。
笑って。
踊って。
教えて。
引っ張って。
終わるまで大丈夫なふりをしていた。
でも終わった瞬間。
張っていた糸が切れた。
〇〇「ごめん」
松島「だから謝るなって」
寺西「よく頑張った」
原「頑張りすぎ」
橋本「100点」
篠塚「120点」
風磨「だから今日は終わり」
〇〇「えー」
全員「帰れ」
〇〇「ひどい!」
勝利「いいから休め」
〇〇「……はい」
風磨「素直」
原「珍しい」
〇〇「もう反論する元気ない」
橋本「重症じゃん」
全員苦笑する。
松島はスポーツドリンクを渡し、
寺西は椅子を持ってきて、
勝利は荷物をまとめ、
風磨はマネージャーに連絡する。
〇〇はそんな8人を見ながら小さく笑った。
〇〇「みんな優しいな」
風磨「今さら?」
〇〇「今さら」
勝利「知っとけよ」
〇〇「うん」
そしてその日初めて、
〇〇は無理をするのをやめて8人に甘えることにした。
コメント
1件
いちごみるくさん、第40話読みました…! 〇〇が♡♡♡と寝不足の中、必死に練習を引っ張る姿が痛いほど伝わってきて胸がギュッと締め付けられました😭💦 「今日しかない」って無理しちゃう気持ち、めっちゃわかるけど…8人みんなが気づいて支えてくれてホントよかった!! 最後にやっと甘えられたシーン、涙腺やばかったです…推しメンたち優しすぎる…🥺💕