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週末。
悠真の家で、湊と一緒に宿題をすることになった。
「宿題終わったらゲームしよ!」
「お前、最初からそれ目的だろ」
「バレた?」
二人で笑いながら宿題を進めていると、気づけば外はもう暗くなっていた。
「……もうこんな時間?」
悠真が時計を見る。
「帰る?」
湊が立ち上がろうとすると、悠真が言った。
「……今日、泊まってけば?」
「え?」
「明日休みだし。いいじゃん」
少し考えたあと、湊は頷いた。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「やった!」
その夜。
二人はゲームをしたり、学校の話をしたりして、なかなか寝なかった。
「湊、眠くない?」
「眠い」
「じゃあ寝れば?」
「お前がうるさいから寝られない」
「ひど!」
二人でまた笑う。
しばらくして、部屋が静かになる。
「……なあ、悠真」
「ん?」
「今日、泊まれてよかった」
「俺も」
悠真は笑った。
「なんか、学校で会うのとは違って楽しいな」
「……うん」
二人はそれぞれ布団に入る。
「おやすみ、湊」
「おやすみ、悠真」
部屋が暗くなった。
けれど――
「……悠真」
「なに?」
「明日も一緒にいような」
「もちろん」
二人は小さく笑った。
初めてのお泊まり。
特別なことは何もない。
ただ、一緒にいる時間がいつもより長い。
それだけなのに――
二人にとっては、忘れられない夜になった。
コメント
1件
うわー、この回、すごく良かったです……!「特別なことは何もない」って地の文で言い切ってるのが逆に効いてて、二人にとっては確かに忘れられない夜なんだろうなって伝わってきました。湊くんの「明日も一緒にいような」ってセリフ、すごく自然で心に残りました。ゲームしたり笑い合ったりするだけの夜だけど、その積み重ねが大切なんだなあ。沙良さんは日常の温かさを描くの本当に上手いですね。