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王宮の大門が開かれると、わたしの視界いっぱいに、城下町を行き交う人びとでにぎわう華やかな町並みが広がった。

石畳で舗装された大通りがまっすぐに続き、それに沿って屋台や露店が所狭しと立ち並んでいて、日中の買い物に来ている人たちが店主と楽しげに言葉を交わしている。

なんだか見ているだけでうきうきしてくる雰囲気に、わたしはフェリクスから落ちそうになるほどに身を乗りだして周囲を見渡した。

「レイン! すごいね、セラフィナの町ってにぎやかなんだね!」

「ああ、とくに都は財力があって豊かだからな。兄上の国政のたまものだ」

こら、落ちるぞ、とレインに後ろから首根っこをつかまれて馬に座らせられる。

この間隣国との抗争があったばかりだから、てっきり町の雰囲気はぴりぴりしているのかも……と思っていたけれど、レインに聞いたところ、隣国との衝突は長年のことだから首都の人びとはある程度慣れきっているそう************

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