コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
都から遠ざかったわたしたちは、早道をするのためにあえて街道をそれて森へと入りこみ、頭上を木立が覆う中を巧みに馬を走らせていた。
広葉の常緑樹の生い茂った森の中は、枯れ枝や木の根っ子ででこぼこしたわずかに通れる小道があり、レインたちはそれを熟知しているようで迷いなく森の奥へと分け入っていく。
わたしは、最初のころはフェリクスの鞍の前に乗っていたけれど、森に入ってからは道が舗装されていなくて馬上が安定しないということで、レインの背中にしがみつく形で鞍の後ろに乗せてもらっていた。そのほうがレインが手綱を操りやすいんだそうだ。
森の澄みきった静けさの中で、葉の擦れあう音や鳥のさざめき、そして四騎の馬のひづめの音に耳をかたむけながら、わたしはこれからの旅のことを思っていた。
(……利緒、いまごろどうしてるだろう……)
隣国の『聖女』に選ばれてしまった彼女。
あのとき自分と一緒に屋上にいな*********
*************
*************
************
****************************
*************
******************
**************************