episode8 能力
2人のウイルス騒動から数日後
完全回復した2人はとある森に任務に当たっていた。
「全く……本当に着いて来ましたね」
「なんだよ。了承を得たが。」
数日前
所夜side
それは2人とも完全回復した直後の事だった
少しの間甘えさせて貰っていたので、ちょっと久しぶりの任務。
愛用の武器を磨いたあと、任務に向かおうとした
が、玄関には得意げに居座るブライドがいた。
「あら、どこかへお出かけですか?病み上がりなんですから、長時間はダメですよ?」
「じゃあ、任務行ってくるので、そこ少し寄ってください 。」
そう言っても、そこを避ける気配は無かった。
あの後任務の詳細は話したし、危険だから見たら私に報告しろとしっかり伝えた。
私の言ってる事がわかってない訳ではなさそうだ。
「ちょっとー、イタズラはやめてください!そろそろ行かなきゃ間に合わないんですよ!」
「避けて欲しいか?」
にやにやしてそう言ってくる。
「はい。すごく避けて欲しいです。」
正直にそう伝える。普段はからかったり、言葉は悪いが色仕掛け等を使用して相手を上手く使うのだが、彼女に関してはその辺の知識も全くない。
なおかつ、感情が欠落しているため、ズバッと言わないと伝わらないのだ。
さあどうする?内心私は少し楽しんでいた。
そうしたら、彼女はこういった。
「じゃあ、私も連れて行け。」
「は……?」
なんでも、数日前の私は結構笑えないくらいに酷い状態だったらしく、いつぶっ倒れてもおかしくなかったそう。
そこまでの状態になると、さすがの彼女も私を心配してくれていたらしい。
まあ確かに。彼女を居候させる前からお金欲しさに働き詰めだったしな。
話はズレたが、そんな状態になるまでに私を働かせる程本部は余裕が無いのだと彼女は悟り、自分にも手伝わせろと訴えてきたわけだ。
でもさすがに、ただの人間である彼女を危険なウイルスと戦わせるのは私でも無理だ。
現に数日前、ウイルスにかかったばかりなのに。
それに無断でオブサーバー以外の人間を戦わせるのは上からガッツリ叱られる。
結構説教が長いからそれは本当にやめて欲しい。
そう伝えた。が、
「や〜めない♩」
小悪魔のような顔をしてそう言った。
一体そんなの何時どこで覚えたんだ。
「一応、私はお前に世話になっている身分だ。何もせずに家で怠けろと言われていてもそれは礼儀的には良くないだろ。」
彼女の志しは強かった。
でも、無理なものは無理なんですよ。
そう思う裏腹、こう思う自分がいた。
彼女に、、、感情を取り戻させるいい機会なのでは無いか。
彼女には、人の温かみを知ってもらうべきなのだ。だって根がこんなに優しい子だから。
生物は、自分に都合が良い考えを正しいとみなしてメリットだけを捉えてしまう。
その結果で、私欲が生まれる。
これは完全に私の私欲に、エゴに過ぎない。
でも、いつか彼女が感情を取り戻すことが出来たらどうだろう。
きっとその時は、いい未来になるはずだ。
「……では、数日後に一緒に戦いましょう。まだ浅知恵の貴方を、先程言った通りいきなり戦場に駆り出させる訳には行かないんです。」
「それまでは、ひとまずウイルスについて私から説明……講義を致しましょう。」
所夜千夜は私欲が強い。
そして……押しに弱いのである。
まず初めに。任務をさせるにあたってこれだけは伝えておかないといけない。
そう。私の能力について。
オブサーバーには、絶滅されたとする種族、おとぎ話にしか出ない妖怪。
実在しない架空のものや人物が存在する。
それらの中でも、格段に強い者だけが持つとされるのが、能力なのだ。
私は生まれながらの能力者。
自分の能力については私以上に性質を知っている者はいない。
説明なら私がいちばん詳しくできる。
なおかつ、任務でこれを日常使いしてしまっているので、直して戦うのは少々めんどくさい。
「じゃあ、そっちに座ってください。」
「……今から話す事は、とてもじゃないけど信じられない事だと思います。」
「ですが、貴方の身のため、任務の為に説明をしておきます。」
「分かってる。私から持ちかけたんだから、なんでも聞くさ。」
そうして、私は彼女に自国の事、その国の事細かな事、自分がその国で重要な立場に置かれていた事、自国から抜け出して逃げた事、自分が人間ではなくて大妖怪という種族の事を全て話した。
彼女はものすごく真剣に話を聞いており、一言一句全て暗記したのだという
「さて、ここからが本題です」
「先程話した通り、オブサーバー内には能力者がいると言いましたよね。」
「ああ、なんでも強者にしか与えられないんだよな。……まさか、お前、!」
「はい。そのまさかです。私は生まれながらの能力者です。」
「次は私の能力について全て話します。」
「まず、基本的に能力者はそれなりに強いので、それをサポートするような能力が与えられます。」
「例を出せば、瞬間移動や、与えるダメージを増やす、熱や気温を操作できる。みたいな感じです」
「サポートじゃなくても全然使えそうなものばかりだな。」
「はい。そうですね。ですが私は生まれながらに能力を持ちました。」
「生まれた直後の赤子に、強さなんてものはありません。」
「ですから、私の能力は赤子が使っても強くなってしまうような物なんです。」
「……なるほど。だからお前は位が高いのか。」
「はい。……そろそろ焦らさないで言いますね。」
「私の能力は、空間を操る事が出来る能力です。」
「空間……、?」
空間を操る事が出来る能力
文字通り地球上のありとあらゆる空間を操る事ができる。
例えば、100mほど離れた場所に行きたい時。この能力を使用すれば、地球の空間を歪ませて一瞬にしてその目的地まで行ける。
つまり、瞬間移動。
次に、所夜が使用する愛武器、鎌。この鎌は至って普通の物。だが、空間にある重力を操ることによって刺した時の威力を自由自在に変えることができる。
つまり、ダメージ操作。
更に、地球上の空間を操れるという事は言い方を変えると、「地球上にある全ての空間は所夜の能力の使い方によって変わる。」という事。
地球にある、酸素や空気だって空間のひとつだ。
空気中の温度を変えたり、酸素の密度を変えたり。気候を変えることだって出来るのだ。
つまり、熱や気温の操作。
最後に、所夜は自分だけの空間を出す事ができる。
この空間を出すには、少し体力が必要になるが、前述の何倍もこちらの方がチートである。
まずは、瞬間移動。いわばこの空間はどこでもドアみたいなものなので、瞬間移動はいとも容易い。
更に、空間の中は無限に拡がっている。なので、あちこちにガラクタが転がっている。それを自由自在に取りだして戦う事が出来る。
空間の中にある物でいちばん大きい物は、所夜曰く観覧車らしい。
基本的には敵を確実に殺すため毒を含めた弾幕を取り出すのだとか。
さらに、その空間は何千年もの時を生きた所夜の倉庫のようなものになりかけているので、大体の物は空間の中にある。
そう、例えば人の魂だとか。
人の魂を自身に宿らせて、心臓を何個も作り出したり。
その人が能力者だったら、宿らせた魂の能力が使えたり。
所夜曰く、人の魂なんてホコリのように沢山ある。との事なので、何度殺しても所夜にとってはかすり傷に過ぎない。
しかも、大妖怪というのは非常に頑丈な生物であり、人間を2回殺す位の勢いで殺さないと死なない。
そんな種族に心臓を分け与えようものなら、間違いなく無限に回復されるということ。
更には、自身の空間を必要としなくとも、普通の空間操作で人の魂なんて簡単に借りれるのだ。
他にも、マイ空間からバリアを取り出した防御や
マイ空間を使った奥義なんかもあるらしい。
つまり、要約すると
攻撃、妨害、速さ、防御、回復、どれに関しても最強の力を持つ能力という事。
ただひとつ、操れない物があるとするならば
それは「時空」である。
なんか後半よく分かんなくなりました。
とりあえず、私の出す小説(予定も含め)では間違いなく所夜が1番強いって事を伝えたかったんですね。
大妖怪の硬さで心臓何個も借りれるとかバケモンですよ。
あと、純粋な身体能力もブライドより圧倒的に高いです。
例えるならフリー○ンとフェル○みたいな強さ関係です。
でも、嫁にするなら私はブライド派ですね。
失礼致しました。私欲が出ました。
短いですがまた次回もお楽しみに。
コメント
1件
こういうの好きです😊わかる!と首をめっちゃ縦振りしてました✨次回作、楽しみに待ってます!