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【2】wnru 唐揚げ
家に帰ると美味しそうな唐揚げの香りがする。
腹の中はすでに空っぽで匂いを嗅いだ瞬間腹の虫が鳴る。
「おかえりー!ご飯出来てるよっお腹すいたっしょ?」
「ただいま。マジで腹減った」
2人で部屋に入り、上着を脱ぐ。
あれ…今日の香りいつもと匂いが違う。
「そこ座っててぇ。一緒に食べよー」
並べられる唐揚げとご飯とお味噌汁。
ウェンはいつも通りのハイボールで俺はウーロン茶。
うまそ…
ウェンと一緒にいただきます 、
といって食べ始める。
口の中で出汁が程よく広がる。
「今日は出汁なんだな」
「そー!たまにはいいでしょ」
いつもの醤油とニンニクの味も美味くて好きだけど今日の味はどこか優しい気がした。
味噌汁にも合う。
「ろーきゅんのおいしそぉに食べてくれるのマジで好きだわぁ」
覗き込まれて目が合うと思ったより真剣な顔で少しだけ驚く。
「でぇ?何があったの?」
全部知ってるみたいな顔にため息が出る。
そんな俺わかりやすかったか。
「…別に。合同任務をほぼ1人でこなしたら他の奴が色々言ってて」
最後の一口を食べウーロン茶を飲み干す。
「まぁ、別に今更だけど。外で言うのは、俺だけの問題じゃなくなってくるから注意した。
それだけ」
陰口もなんでも言われ慣れているし何とも思わない。けど…
「俺が、このヒーローを壊す可能性もあるんだなって…言った自分も思った。」
ゲームもヒーロー活動も…いつの間にか俺がいたい場所になっていて。
ひとりで良かった筈なのに。
こんな相手まで作って。
「たとえ壊したところで変わんないよ。一緒に苦しむだけっしょ。世間がどう言おうとも俺ら各々の正義は変わんないだろうし。 ろうきゅんはめちゃつえの大事なメンバーだしね!まぁそいつの所為ならとりまみんなでやっちゃうけど」
ウェンの言葉にハッとする。
闇落ちとか…自分のせいとか。
多分そうなって仕舞えば考えるだろう。
「ヒーローみたいなこと言うな、 お前」
ウェンだって世間の嫌なとこ、
人間の愚かさを見てきてる。
そんなやつからの、前向き過ぎる言葉。
「ヒーローだっつーの俺ら」
「…ふっ、そうだな。」
まだこの場所は慣れないなと、思う。
「ご馳走さん。今日の唐揚げ美味かった」
「…っ!、…あ、ありがとう?」
2人で食器を片付ける。
少しだけドギマギするウェンを揶揄ってお互い笑い合う。
明日もこうして生きるのかもなと思うと平和で、少しくすぐったくなった。
続き載せ忘れてたやつです。
ご飯に温かみ感じてたらいいなって思って書いたようなそうじゃないような気がします笑