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3 - 第3話空気墓場演劇

♥

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2022年08月16日

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になると、町の上空を飛び回る。

町全体を一通り見て回ったあとは、建物の屋上に降り立ち、町を見渡す。

今日も、この町は変わらない。

ずっと同じ景色が続いている。

空の色も風の強さも、雨の量も同じ。

昨日と同じことが繰り返され、毎日が同じ繰り返しだ。

だからといって、何が変わるわけでもない。

この小さな町は、これからも永遠にこのままだ。

廃墟の町を歩いていたら、突然、建物が崩れ落ちた。

轟音とともに瓦礫が落ちてきて、僕は慌ててその場から逃げ出す。

崩れ落ちる建物は、まるで僕を逃がさないように、追いかけてくる。

逃げて、逃げて、逃げ続けて……気が付くと、僕は見知らぬ場所に立っていた。

そこは、町外れにある広い墓地だった。

そして、僕の目の前に、墓石の前で祈り続ける少女がいた。

「――――」

何を言っているのか、まったく聞こえない。

その言葉は、ひどく不吉なもののように思えた。

少女は、ただ、ひたすらに祈る。

やがて、空が曇りだし、雨が降り出した。

それでも、なおも。

ずっと。

ずっと。

僕は、そんな彼女から目を離せなかった。それは、どこか懐かしいような、それでいて寂しい気持ちになる光景で。

僕にとっては、初めて見るはずの場所だった。

けれど、なぜか。

とても胸が苦しくなる。

何かを言わなくてはいけない、そう思う。

でも、言葉が出てこない。

だから、せめて。

この場所で見つけたものを……。

写真と、演劇の記録。そして古い新聞記事。それから、一枚の写真。

写真は、一人の少年が写っている。

この少年は、この劇で主役を務めていた子だ。

この子の役の名前は、”天吾くん”。

私は、天吾くんのことをよく覚えていない。彼は私より年下のはずだが、私のほうが彼について詳しいかもしれない。彼の声も顔も思い出せないが、彼の演技についてはよく覚えている。

私が彼のことを知ったきっかけは、ある有名な評論家が『空気さなぎ』を絶賛したからだ。私はその評論を読んでとても興味を持ち、すぐに本屋に行ってそれを買った。そして何度も読み返した。そこには私の知らなかった様々なことが書かれていた。

それは私にとって新鮮な驚きだった。それまで私は、小説を読むときに作者以外のことは考えないようにしていた。登場人物の思考や感情は作者の手中にあり、それ以外のところまで入り込むのは、読者の無粋だと思っていたのだ。だから私は、小説に登場する人物たちについて何も知らないようにしてきた。そして、彼らの行動や言葉の意味は、彼らが考えることだからわからないし、わかりたいとも思わなかった。

私はこの小説を読みながら、今まで感じたことのないことをたくさん知った。登場人物たちの過去の人生についてはもちろんのこと、彼らが何を考え何を望み、そしてどうして死んだのかもわかった。彼らを理解することで、私は自分自身を知った。私がこれまで、自分のことについて知ろうとしなかったこともわかってしまった。

私はずっと、自分が嫌いだった。自分のことがよくわからなくて、いつも不安で、とても怖かった。でも、今は違う。今は自分のことが好きになった。私は今、やっと本当の意味で、私になれたのだ。

私は、この物語を書いてくれた作者さんに感謝したい。そして、この話を最後まで読んでくださった読者の皆さんにも感謝を伝えたい。本当にありがとう。

私はこれからも、この先にあるであろう多くの本を読んでいきたいと思っている。そしていつか、私自身がこの本の作者になりたい。だから、それまでは、ここで筆を置かせてもらうことにする。

それでは、また会う日まで。

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