ニキしろ 一年に一度の素直になる日
sr➡しろせんせー
nk➡ニキ
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しろせんせー視点
俺は主に
相手に本当の気持ちを伝えられない
自分の気持ちを話すという
気恥しさから来るものだが
一年に一度だけ
ニキに対して
素直になる日がある
だからその日は
手の込んだ料理を作ったり
プレゼントを買ってみたりして
そして言葉で
“大好き”の感情を伝えるのだ
そして今日こそがその日
sr「聞いとるか?…また1年経ったんよ」
sr「時の流れは早いよなぁ…」
sr「ニキ…大好きやで…」
今年は花束と
お菓子と果物をあげる
プレゼントは定期的にあげているが
年に一度の特別な日だから
沢山あげるのだ
普段は好きの一言も言わず
ずっと黙っているが
今日だけ…
この日だけは
何があろうと
“大好き”を伝えよう
ニキ視点
また一年が経った
あっという間に過ぎ去ってゆく
そんな日常に吐き気がする
今年もまたボビーから
プレゼントをされる
もちろん嬉しいのだ
嬉しいが…
少し悲しげなプレゼントは
俺の心を深く突き刺す
sr「聞いとるか?…また1年経ったんよ」
聞いてるさ
ボビーの声を聞かないわけが無い
ここまで愛おしいボビーの事を
蔑ろにはできない
sr「ニキ…大好きやで…」
健気で一途な俺の彼女
年に一度だけ素直になってくれる
大好きで愛おしくてしょうがない
それでも俺は
その気持ちに応えられない
今日が終わったら
また無言の一年が過ぎて行く
そして同じことの繰り返し
でもプレゼントは
俺の好きなお菓子であったり
綺麗な花束…
時折ボビーが作ってくれた
料理の数々
もう…
こんなコトになってから
10年経つ…
あぁ…なんと虚しいのだ
しろせんせー視点
今日ももう午後8時を過ぎ
一日が終わって行く
時の流れは残酷で
全てのことを無かったことにしようとする
それでも遺るものは
全て…痛ましくも
輝いている…
そして俺の手を引っ張って
いつまでもずっと…
縛り…離れられないようにする
大好きなニキ…
これからもずっと一緒に過ごして
そして…また1年経ったら大好きと言おう
それまでは…またさよならだね
sr「ッニキぃ……ぅぅ…グスッ」
sr「なんで…なんで “死んだ” んやッ…」
sr「戻って来いよ…ヒック…」
あぁ…今日もまた終わる
今日はニキの命日…
大好きなニキへ
もうすぐ…そっちに行くな?
だから…その日まで待っててください
そっちへ行く直前でも
そばにおるから…
ニキ視点
nk「泣かないで…ボビー」
なんて…言っても聞こえないのに…
俺が死んでから早10年
10年前のあの日…
もし俺が……
あの人を…知らない人を
庇って…代わりに車に轢かれるという
そんな事が無く
そのまま轢かれる所を
見てればよかったのだろうか…
名前も知らない人を…庇ったから…
ボビーには10年も
ずっと…悲しい思いをさせている
ボビーが大好きだと言うのに…
こんな所業
俺は…クズだ…
誰からも許されない…
叱ってもくれない
そんな事を思っている間
ボビーは…
生きる為に働いて…
俺の為に料理を作る練習をして…
nk「クソッ…なんで…グス……」
nk「俺は…何もできないッ……あ゙ぁ゙ぁ゙ッ…!!」
情けない…
泣いて後悔することしか
できないのだから…
何にあたればいいのかも
もう分からない
あの日の後悔を引きずって
成仏なんてできない…
今日もまた終わって行く……
nk「ボビーッ……大好き…グスッ……」
終わってない物語が
山ほどあるんですけどね✨
ちょっと書きたくなってしまいました…
他の作品も順々に投稿するので
待っててください🙇♀️
コメント
3件
悲しすぎてやばい…
所々死んでることを表す表現があって本当に話作るのが上手すぎる… 悲しすぎるよ……どっちも報われないなんて😭
切ないッ…………( ;∀;)