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ちょっとした創作アメ日帝です!!


















日帝視点


修道院のモットーは「祈り、働け」である。修道士の生活は厳格に決まっており、ひたすら「神に尽くす」といっても過言ではない。日帝は籠を持って数人のシスターと共に森へ入っていく。


シスター「今日は天候が後々悪くなるらしいわ。ささっと終わらせましょう」


老齢のシスターが皆に呼びかける。彼女達は森へ衣服の原料となる綿花を採りに行く最中だ。


日帝「随分奥へ進まれるのですね?シスター」


シスター「ええ…最近、疫病で植物が次々とやられてしまっていて…。奥の方まで行かなければ採れないのですよ」


サラ「なんだか薄気味悪いですね…ねえ、日帝?」


日帝「ええ…まあ、」


サラ「反応薄い!?怖くないの!?」


シスター「やめなさいな、サラ。元来こういう反応なのよ彼女。それに、いざとなったら彼女の”神器”が助けてくれるわ」


サラ「神器?」


新人のサラは頭にクエスチョンマークを浮かべて聞き返そうとすると、しゃがれた声に阻まれてしまった。


シスター「お喋りはそこまでですよ。手早くやりなさい。」


シスター達はそれぞれの籠を持ち、各自の場所に向かって歩き始めた。


日帝(手早く、済ませてしまおう)


日帝は森が苦手であった。本当は一生行きたくない位なのだが、仕事のため、そうは言っていられない。重い足を進めて奥へ行くと、かろうじて残っていた綿花を発見した。


日帝「あったわ…。籠に詰めて少し種を保存しておくか………」


腰に取り付けていた「神器」を取り出して綿花を切り離すと、美しい桜の花弁のようになっていく。それを別のスプレーの中に入れ、蓋をした。


日帝「さて…」


綿花を摘み取ろうとすると、背後からこちらにだんだん近付いてくる足音が聞こえる。


日帝「何!?」


「神器」を構えて草むらを睨みつける。すると次の瞬間、大きな黒い塊が飛び出てきた。


日帝「っ………熊………!!」


それもかなりの大きさで、腹を空かせているのか唸りながらこちらを睨みつけている。植物の不作で熊の食料も不足しているからだ。


日帝「あ、あ…」


嫌な記憶が日帝の頭に蘇る。発作のように息が荒くなり、手の震えのせいで「神器」を地面に落としてしまった。


日帝「あッ!!」


のしりと近付いてくる熊から逃げようとするが、腰が抜けてうまく動けない。


日帝「あっ____」


鋭い爪が頭に到達すると思った瞬間、新たな塊が勢いよく出てきて熊を吹き飛ばした。


日帝「!?」


そこには見たことのない生物が目の前に現れていた。長い尾に大きな口、トカゲを大きくしたような姿だ。熊は痛みのためか低く唸り、巨大トカゲに向かって突進していく。しかし、そんな攻撃を意に介さずに長い尾で再び弾き飛ばした。日帝は2匹の生物が戦っている間に籠を拾い上げて来た道を走り抜けた。


シスター「日帝!?どうしたの!?」


サラ「悲鳴が聞こえたから来たけど…!」


日帝「ハア、ハア…ッ熊、ですッ!急いで逃げましょう!!」


シスター「熊!?…そうね、帰りましょう…!!」


シスター達は駆け足で修道院への道を急ぐ。背後でどちらかの鳴き声が森に響き渡る。森中を震わせるような鳴き声に鳥達が一斉に飛び立った。


サラ「ひッ!」


シスター「サラ、止まるんじゃあありません!とにかく急ぎなさい!!」


サラ「は、はい!」


最後尾を走る日帝はちらりと背後を見た。どちらが勝負はついたのだろうか。その証拠に追っ手はなく、鳴き声も二度と聞こえなかった。

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