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腐女子☆
10
優しい甘さのコンクリート
313
#カンヒュ
腐女子☆
224
美少年、なんて甘美なのだろうか。
私はずっと昔から欲望に噓をつきたくなかったものだから、これは天からの贈り物だろう。
佐々木 誠。
46歳、やせ型で身長は170㎝半ばほどである。黒い髪をそれなりに整えており、黒縁のメガネでどこにでもいるような頬のこけた顔を飾っている。
そんな誠だがある日のことだった。
一人で暗い夜道、繫華街の喧騒を背に受け止めつつ仕事帰りの頭を回転させる。
今日も今日とて部下からも優しい誠さん、と慕われて悪い気分ではないものだ。最近入ったばかりの新入社員である真奈美にも人の良いと頼られ、同僚の健太郎にはノリが良いと飲みの誘われるほど仲が良い。
けれどやはり物足りない、自分の愛しているのは美しい女性でも華奢な娘でもないのだ。
――美少年。
美少年を欲している。自分の手の内で生ける麗しき繊細な蝶、支配欲という醜い人間の情を満たすのに最適な対象。いっそ自分にだけ美少年を侍らせることのできるものがあれば、だなんて思っていたころ。
革靴にこつんと、何かが当たった。
夜の帳が下りた静寂の街なものだからよく見えない、スマートフォンのライト機能を使い足元を照らしてみよう。するとどうだ、そこには何か怪しげな胸元にすっぽり収まるほどの箱が落ちているではないか。
拾い上げてみる、文字が書かれていた。
欲望。
裏に説明が書かれている。
この箱は開けてはならないが、中には飴玉が入っている。飴玉を食べさせた者は従順になり汝を愛す、いわば誘惑と魅了である。飴玉は箱の上についている口から取り出すがよい。
まるでこのためだけに存在したかのような説明書き、黒塗りの箱で文字は桃色。普通ならばこれを放っておくか、警察に届け出るべきだろうが、この男はまともではない。
「飴玉、まるで私の欲望を具現化してくれたみたいじゃあないか。これさえあればこのつもりにつもった鬱憤さえも切り離せる!」
コメント
1件
第1話、読ませていただきました。欲望に正直でありたいという誠さんの心情、その奥にある「美少年」への渇望が生々しくて、どこか哀愁すら感じました。そんな彼の前に現れた「欲望」と書かれた箱。飴玉を食べさせた者が従順になるなんて、まるで誠さんの心の隙間を狙った悪魔の取引みたいですね。ここからどう展開していくのか、すごく気になります。oldmanさんの描く人間の歪んだ感情の描写、とても好きです。続きも楽しみにしています🌷