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⚠️第一次我々だ!⚠️
BLあり/Hシーンなし/恋愛系
新人組組 キャラ崩壊あり
新人組以外にもutも出てきます
⚠️死ネタありです⚠️
注意書きまだあるかもしれないので、
もし他にもあればここに追記してこうと思っています。
背後に肉を劈くような、 鈍いのか鋭いのかも分からない衝撃が走った。
強い痛み、というよりも、 体の奥に重く沈み込むような違和感。
息が詰まり、 反射的に振り向こうとした瞬間、視界が暗転する。
何かで覆われたのか、 それとも自分の意識がそう感じただけなのか。
分からない。
声も聞こえない、 足音もしない。
そこに“誰かがいる”という確信だけが、 不自然なほどはっきりしていた。
――誰
そう問いかけようとして、 喉がうまく動かないことに気づく。
恨まれるようなことをした覚えはない。
少なくとも、思い当たる節はない。
ただ、 「覚えていないだけかもしれない」という考えが、 妙に現実味を帯びて浮かんだ。
考えは、すぐに続かなくなる。
体から、 ゆっくりと力が抜けていく。
手足の感覚が曖昧になり、 自分の体がどんな形で倒れているのかも分からない。
寒い。
体温が、 自分の意思とは関係なく逃げていく。
大量出血している。
その事実だけは、 不思議なほど冷静に理解できた。
そのとき、 誰かに支えられる感覚があった。
死後でも耳は少しの間聞こえるというだから犯人が誰か確かめようとした。
知ったところでどうにもならないが。
抱えられているのか、 引きずられているのか。
もう判別できない。
ただ、 床との距離が変わったような気がした。
直後、 ふっと、匂いが鼻を掠める。
柔らかくて、 どこか甘い、 よく知っている匂い。
チーノが使っている柔軟剤と、 同じ匂い。
さいごにかんがえるのあいつのことかよ
それを最後に、
ショッピの意識は 静かに、完全に途切れた。
結局、犯人は最後まで喋らなかった。
⸻
次に「目を覚ました」と言える状態になるまで、
どれほどの時間が流れたのか。
分からない。
暗く、 何もない。
考えることも、 感じることもできない。
ただ、 終わった。という感覚だけがあった。
それすら、 いつの間にか薄れていく。
やがて―― 重さを感じた。
狭く、 押し込められるような感覚。
音が、 遠くで響いている。
意味は分からない。
言葉でもない。
本能だけが、 生きろ、と告げていた。
生まれた。
そう理解できるようになるまで、
さらに時間がかかった。
自我が芽生えたまま産まれたことがなかったから新鮮だった。
目は見えず、 体は思うように動かず、 声もまともに出ない。
眠って、 起きて、 また眠る。
その繰り返しの中で、 少しずつ世界が形を持ちはじめる。
光。
影。
温度。
匂い。
その中に、
どこかで嗅いだことのある、 あの柔らかい香りが混じっていた。
時間が流れ、 体が成長する。
足で立てるようになり、 視界がはっきりし、 黒い毛並みが自分の体だと分かる頃。
唐突に、 すべてが繋がった。
――自分は 死んだ。
そして、 生まれ変わった。
刺された夜から、
四十九日はとっくに過ぎている。
生まれた瞬間から数えても、 それ以上の時間が流れている。
輪廻転生その言葉が浮かんでくるのにそう時間はかからなかった。
理解したは良いものの現実味に欠けていてなんともいえない。
視線は低い体は四つん這い。
黒い毛並みが、視界の端に映る。
ショッピの頭の中が、疑問符で埋まる。
理解したようで理解できていない。
「お、起きた?」
声がして、視線を上げる。
チーノだった。
床にしゃがみ込み、
こちらを覗き込むようにして、そっと目を細めている。
やっぱりデカい。
――いや、元々そうだったはずなのに、 今はそれだけじゃ説明がつかない。
声を出そうとして、 喉を動かす。
「にゃあー」
思っていた声じゃない。
その瞬間、
違和感の正体が、ようやく形を持つ。
ショッピは、 猫になっていた。