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1章︰魔主役のハブれ
今日も憂鬱な気分で家に帰る。母さんがタヒんだあの日から私のセーフティは無くなっていた。父さんは酒に酔い、サキュバスでも無いのにいつも違う女の人を連れてくる。終いには私に手を上げてくる始末。
「ただいま……」
父「おぉ……帰ったか……酒はないか?酒」
「バイト代明日出るから待って」
父「あぁ?!んだとてめぇっ! 」
(ドゴッ!!)
「いっつ…………」
避けられるが避けたら避けたでまた怒鳴られるから、あえて当たる。悪魔としては有るまじき行為だ。
学校でも居場所はなく、私は”いなくなった悪魔になってくれる便利道具”でしかなかった。
私の家系能力「乗り移り(ゴーストライド)」は、タヒんだ悪魔の魂を一時的に乗り移らせることができる。
悪魔であっても感情はある、いなくなった家族に会いたいと言ってくるやつは多くいる。
「…………」
生徒会の挨拶をスルーして学校内に入る。すると、1人の少年とぶつかった。
???「あいたっ!あっすっすまん!大丈夫か?」
??「何してんねん、シャオロン」
「そっちこそ大丈夫……?」
シャオロン「おう!」
??「おっ可愛い子やん!」
シャオロン「おいこら大先生!」
うるさいやつとぶつかってしまった。運が悪い。一斉に注目を集めてしまう。シャオロンと呼ばれた彼は大先生と呼ばれた彼と登校していたようだ。
「もういい?遅れちゃう」
シャオロン「おっすまんすまん!じゃあな!」
「…………2年生なんだけどな……」
(放課後まで飛ばし)
バトラを楽しげにしている声があちらこちらから聞こえてくる。その中でもこの我々バトラはうるさいと言ってもいいくらい。
私の手にはバトラ見学用紙。2年生の今でもバトラ未入部だからだ。
しかし、この扉をノックするには大分嫌だ。
(コンコン)
???「はーい?どちらさんで……って!朝の可愛い子!」
げっ……と言ってしまいたかった。そこには大先生と呼ばれた男が立っていたのだ。
「……我々バトラってここで合ってる?」
ウツ「合ってますよ!」
ニッコニコの笑顔を振りまいてくる。偽りの笑顔すぎて笑えてくる。
中に入れてもらうと、見覚えのある顔がいた。
「ショッピさんじゃない」
ショッピ「ん?あぁ……スノーさんでしたか」
「名前呼びでいいよ……」
ショッピ「ゲツランさん」
この子はショッピ。1年の頃に同じクラスだった。いつも眠たげな彼は念子(ネコ)を撫でていた。
「あれ……?ショッピさん、使い魔いたっけ?」
ショッピ「最近できたんすよ」
最近……念子(ネコ)が使い魔……羨まし……彼らしい。
ちなみに私の使い魔はアレイ。水色の小さな妖精みたいな子。
ウツ「えっ……ショッピお前、この可愛い子と知り合いなん!?」
ショッピ「知り合い……まぁ知り合いやな」
ウツ「えー!羨まし!!!なぁなぁ連絡先交換しよや!!!」