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藤澤サイド
「…若井」
若井はこっちにゆっくりと近づいて来る。
俯く元貴を庇うように元貴の前に立って若井に言う。
「なに、なんの用、?」
「別に、涼ちゃんにあるわけじゃないよ?」
じゃあ誰に、と口をひ開こうとしたところで若井は元貴の方に視線をやる。
「俺に用があるのは、元貴の方、」
「は、何言って、」
若井はゆっくりとこっちに近づき、元貴にと話しかける。
「ね、元貴」
「な、なに、…」
元貴は小さく俯いた。
縮こまった背中が震えている。
「今からヤろ、?」
若井は元貴の耳元でそう囁いた。
元貴の肩がびくっと跳ね上がる。
「…いやじゃ、ないんでしょ、?」
若井は元貴に近づいた。
元貴の目が、期待するかのように輝いている
ように見えた。
「、い、やっ、」
元貴は小さく抵抗した。
僕は元貴の腕を引っ張って若井から遠ざかろうと、した。
「いたっ、」
「元貴、?」
元貴の声に振り向くと、いつのまにか元貴の手をぎゅっと握っている若井が笑っている。
若井の整った爪が元貴の腕に食い込んでいる。
「若井、手、離してよ」
そう僕は言うのに若井は無視した。
「元貴、今からヤろーよ」
「い、や、…」
「嫌じゃないって、ほら、身体が言ってんじゃん」
元貴は身体をびくっとまた震わせた。
若井は元貴に近付き、元貴の唇を指でなぞる。
「ほら、結局俺がいいんでしょ?待ってたんだよね、元貴、俺のこと。…ほんと、かわいーんだから」
そう言って笑う若井。
元貴は相変わらず無表情だった。
でも纏う雰囲気が少し変化する。
元貴は一瞬こっちを向いた。
僕の方に逃げようと足を傾ける。
それを遮ったのは若井だった。
「元貴、やっぱ俺元貴じゃないと駄目。元貴に満たして欲しい。」
「でもっ、もう、」
「大丈夫。元貴も気持ちよくさせてあげる」
「そ、ういうことじゃ、ない」
「元貴に満たしてもらえないの、? 」
「わ、若井っ、ごめんっ、」
「いいよ、元貴。こっち、おいで?」
若井は元貴に手を差し伸べる。
ちょっとだけ、期待していた。
元貴は若井の方にはいかないって。
甘い言葉に、若井の寂しい顔に、騙されないって。
でも、元貴は結局、
若井を選んだ。
♡&💬よろしくお願いします
コメント
2件
とことんクズクズな若井はん、とても助かります!!もときち選手はそちらへ行くのですね…!!?グッドラック…。次はどうなるのやら!!とてもワクワク
うぁぁぁクズ井さん…グァ愛してるぜ…😇 もっくんを守ろうとしてくれている涼ちゃんが天使にしか見えない 分かっていても若井についてっちゃう大森さん良いですな、、 続き楽しみにしてる!!!!!