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裏路地

気づけばこのイカレた世界にいた。

毎日何処かで人は死んでいき、

何処も彼処も死臭が漂っている。

深夜になれば人間を燃料?として動く化け物共がうじゃうじゃと徘徊している。

皆が皆この世界で真っ当に生きていける訳も無く、人を殺す事に快感を感じる変態だって珍しくない


ただ、皆考えることは同じ。

「巣」にさえ行ければ

「翼」の恩恵を受けられ、 安全に生きているのだ。

…ただ、そんな事は夢のまた夢

皆、いつ死ぬか分からないこのクソみたいな世界で今日を生きることに必死なのだ。

だから私はこのクソみたいな世界で生きるため…



裏路地の端にある小さく寂れた指定事務所。何処にでもあるような

事務所で、フィクサーとして働いている。

生きていくために必要な金は、指定事務所のフィクサーならば十分手に入る。

私はこの裏路地では比較的良い生活をしている。


「今日の仕事は?」


私がそう話しかけた男は、何枚もの依頼書を持ちながらまるで苦虫を噛みつぶしたような顔をしている

何か悪い依頼でも摑まされたのだろうか

男は意を決したかのようにして話し出す


「ツヴァイ協会からの…いや、実質的に翼からの式的な依頼だ。 」


この男はハンス。この事務所で依頼を請け負ってくる。

濃い緑色の髪にすらっとした長身。汚れた上着にがっしりとした身体は、裏路地の中でも健康的といえるだろう。

…いや、そんなことより


「…翼からの依頼?この2人しかいない弱小事務所にそんな依頼がくる訳無いでしょ?」


そうだ

この事務所には私とハンスの2人しかいない

そんな事務所に出来ることなど 人探しや偵察が限界だ

これまでもそのような依頼をこしながらいきてきた


「それがな、ここだけの話なんだが、近々翼同士での戦争が起こるらしい。」

「…はあ?!」


思わず声を荒げる

翼同士の戦争、翼からの依頼

まさか…


「…L社からの依頼だ。

今からちょうど一週間後、戦争に参加しろとの事らしい」


これでもハンスとの付き合いは長いため、これが冗談でも嘘を付いている訳でも無い事は分かる

ハンスが続ける


「…他の俺たちのような小さい事務所も同じように依頼が入ったらしい。」


つまり


「十中八九捨て駒として使おうとしている…ってことね」


長い静寂が流れる

ハンスも分かっていたのだろう

この依頼はほぼ確実に…死ぬということに


「──じゃあ!!今からでも俺とお前で姿を眩まして──!!」

「多分分かってて言ってると思うけど、翼を敵に回せば長くは生きられない。

その戦争前に私たちの首は飛ぶだろうね」

「──っ!」


分かっている

もうどうしようもないのだ


「……すまない」


…正義感の強い奴だな

…ハンスは何も悪くないでしょ


「…ハンスは何も悪くない。

この事務所が指定事務所になってからこのような事は覚悟してた」

「………」


何度目かの静寂が流れる

その静寂を打ち破るようにして声を大にして発する


「…よし! 」

「?」

「ハンス、今私たちはいくらカネ持ってる?」

「…確か●●●●ほどあるが…」

「そのカネ全部使って準備しよう!」


ハンスは少しの間呆けた顔をしていたが、すぐに


「─あぁ、ありったけ持ってくる!」


よし、いつものハンスに戻った


「それじゃ、今からでも準備を始めよう!」


元気を取り戻したハンスを横目に、私も準備を始めようとした時、


「ありがとな!スミレ!

お前と一緒に仕事できて本当に良かったよ!」


そう言うとハンスは走っていった。


「…はぁ、 」

なんでそう恥ずかしげもなく…

そう思いつつも私は笑みを漏らした。

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