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「……ッ、はぁッ……あッ…ん、はっはやと、くんッ……」
「はっ……ぐッ、………やばっ、いきそ……」
「んッ……だひ、…だしてッ………」
「あっ……いくッ、……いッ────」
恋人との、甘く溶けるようなセックス。
沢山愛撫されて、お互いの愛を主張するように印をつけ合って。
とても、満たされているはずなのに。
『出して』そんな俺の言葉は虚しく散り、今日もまたゴム越しの熱を感じた。
「はっ、やば……めっちゃ出たわ 笑」
「………あ…うん、そうなんだ……。」
そんな報告されても、どれだけの量が出たかなんて俺に感じれるわけない。
一度、ゴムに溜まったものを「飲みたい」と言ってみたけれど。
「体に悪いからやめときな」って頭を撫でられてしまった。
「今日もありがとう。疲れたでしょ?俺があとやっとくから寝ていいよ。」
「う、うん……ありがと…………」
汗で張り付いた前髪を避けて、おでこに可愛らしいキスをされる。
そして俺はその優しさに甘えて、そのまま眠りへと落ちていった。
─────訳もなく。
せっかくの優しさを無駄に出来なくて、わざわざ寝ているフリなんてして、背中越しに片付けをしてくれている勇斗くんを感じていた。
勇斗くんには感謝をしなくてはいけない。
俺の体を気遣って毎回優しくしてくれて、こうして後片付けまでしてくれる。
本当にありがとう。おかげで体の負担は全くない。全くないけれど───
俺がこんな、生ぬるいセックスで満足するとでも?
勇斗くん、もしかして俺が処女かなんかだと思ってる?
こんな学生みたいなセックスをするほど、俺はウブじゃないし。
てかそもそも、もう昔の話だけれど一日に何回も致していたんだから。
たった一回の、在り来りなセックスなんて。
正直に言って、つまらな過ぎる。
チラリと、勇斗くんの下半身に目をやる。
そこはまだ元気なようで、もう一度俺とシたいと言っていた。
でも勇斗くんは絶対に二回目に手を出してこない。
俺が寝たのを確認して、お風呂で一人で処理するんだ。
俺が気付いていないとでも思った?全部お見通しなんだからね?
きっと俺の為を思っての事だと理解している。
それでも俺は、物足りない。
生で挿れて、中に出して、色々な体位で攻めて欲しい。
だって好きな人に抱かれてるんだから、もっと貪欲になってもよくない?
どうして勇斗くんは平然としていられるのだろう。
………ああ、ダメだ。なんか腹立ってきた。
自分の中でぐるぐる回り続けていたしょうもない悩みは、いつの間にか勇斗くんへの苛立ちへと変わってしまった。
勇斗くんは何も悪くない、そんなの理解しているのに。
この気持ちをどう処理していいか分からない俺は、ひとつ呆れるような決心をしてしまった。
──決めた。勇斗くんに無理矢理襲わせてやる。
元々仕事で相手をその気にさせて、誘うのは得意だったんだから。
勇斗くんに「もう我慢出来ない」って言わせてやる。
…………見とけよ、このイケメン。
散らばったティッシュを捨ててくれている勇斗くんに対して、良く分からない宣戦布告をしたのだった。
まさかこれが、あんなに大変なことになるとは知らずに……。
作戦その1。まずは王道に、あざとい格好をする。
下はパンツだけ履いて、上はちょっと大きめの勇斗くんのTシャツを黙って借りた。
お尻が隠れるか、隠れないかの際どいライン。
これなら流石の勇斗くんも、何もしない訳がない。
毎日ボディークリームや日焼け止めを欠かさない俺の足は、自分でも誇れるほど真っ白で綺麗だ。
生脚をチラつかせれば、触りたくてうずうずるに決まってる。
───そう思ったのに。
「は、勇斗くん。おかえり。」
仕事帰りの勇斗くんを、玄関で出迎える。
自分で決めておいて、やっぱりなんだが恥ずかしくて。
Tシャツの裾を引っ張って、恥じらいを見せるあざとい仕草までしてやった。
案の定、勇斗くんは俺の格好を見て目を丸くしている。
いつ襲われてもいいようにもう、準備は済ませているし。
このまま玄関で……なんてのも悪くない。
ほら、勇斗くん早く。
早く俺のこと、好き勝手してよ。
「ふっ、なぁにその格好?」
「………へ?」
こちらの覚悟とは真逆に、勇斗くんは何とも爽やかな笑顔を見せた。
そして押し倒す訳でも、抱き上げる訳でもなく。
俺の髪を、ふわふわと撫で始めた。
「俺の服なんか着ちゃって、もしかして寂しかったの?」
「え……あ、……いや……」
「可愛いけど、風邪ひいちゃうから下は履いた方がいいよ。」
そんなことを言い残して、何とも軽い足取りでリビングへと向かってしまった。
ぽつん、とひとりで取り残されて、悔しさのあまりTシャツを噛んでしまう。
こんなあざとい格好、今までの客ならイチコロだったのに。
……悔しい、悔しすぎる。
あの涼やかな顔を、絶対に崩してやる。
いつまでその理性を保っていられるか
勝負だ。
なんて意気込んだのはいいものの、その覚悟は呆気なく玉砕してしまった。
普段断るお風呂も一緒に入ってあげたり、突然勇斗くんの膝の上に乗ってみたり。
通販で買ったアダルドグッズを見えるところに置いたり。
挙句の果てには、勇斗くんのご飯に精力剤を少し混ぜてみたりと。
思い付くことは全て試してみたのに。
勇斗くんの表情が、変わることは一切無かった。
ここまで来ると、流石に悲しくなってしまう。
やっぱりこんな、沢山の人に抱かれた体は嫌なのだろうか。
それとも………
「ねー、じゅうたろ………俺って魅力ないかな?」
「は?なんなの突然。」
ベッドの上で1人、勇斗くんが帰ってくるまで暇で、何気なく連絡をした柔太朗にぽつりと、愚痴をこぼしてしまう。
くだらない事かもしれないけれど、もう誰かにこの悩みを聞いて欲しかった。
「いや、実はね………」
「なんだそんなこと?てか、惚気けないで貰っていい?キモイから。」
「そ、そんなことって……てか惚気けてないし!」
意を決して一から全て説明したのに、返ってきたのは呆れた声で。
話題をふったのはこちらなのに、咄嗟に反論してしまった。
「どっからどう見ても惚気けでしょうが。大切にされるのが嫌なんて、贅沢だねー。」
「い…嫌じゃないよ。嫌じゃないけれど、物足りないというか……」
「それが贅沢って言ってんの。」
「だ、だって、全然襲ってきてくれないんだよ?不安にもならない?やっぱ俺って魅力ないのかな……。」
「いやー、それはないっしょ。少なくとも顔は整ってるわけだし。」
「じゃあ、なんで何もしてこないんだと思う?」
「詰めが甘いんじゃない?」
「…………つめ?」
「そう。そんな間接的なアピールじゃなくてさ、直接言っちゃえばいいんだよ。『激しく抱いてください』って。」
「そ…そんな事言えるわけないでしょうが!!//////」
それが言えたら、確かに苦労しないかもしれない。
でもそんな恥ずかしいこと言えるわけが無いし、想像しただけで頭が沸騰しそうだ。
「もー、何今更恥ずかしがってんの。昔は散々言ってたでしょうが。」
「あ、あれは……生きていく為に必要だったから…………。」
「今もそれくらい必死になりなよ。そんなんじゃ、いつまで経っても進展しないよ?」
「う………」
もっともなことを言われて、返す言葉も失ってしまう。
客相手だったら、感情を押し殺して言えたかもしれない。
でも、でも勇斗くん相手だと訳が違う。
大好きだからこそ、言えないことってあるんだよ。
「分かった。俺相手に練習してみなよ。」
「れ……練習?」
「そう。俺に言えたなら、勇斗くんとやらにも言えるでしょうよ。ほら、早く。」
「え、えー……えっと、……」
「はーやーくー。」
「分かった、分かったから……。」
俺は心を落ち着かせるためにコホン、と咳をして。
ひとつ息を吐いてから、こう囁いた。
「………もっと、してほしい、な?」
「ダメ、ぬるい。そんなんじゃ興奮しない。」
「……我慢、できないの。ねぇ……もっと。」
「もう一声。」
「お願い……めちゃくちゃにして……。」
「いいよ、あともうひと押し。」
「無理矢理されたいの。今すぐに、激しく抱いて──「仁人、何してんの。」
背後から聞こえてきた、恋人の声に反応して、思わず振り向いてしまう。
そこには、眉間に皺を寄せて、明らかに不機嫌な顔をしている勇斗くんがいた。
「勇斗くん………どうして……いつも帰ってくるのもっと遅いはずじゃ………。」
「今日、午後休とったの。たまには仁人とゆっくり過ごしたいなって。」
淡々と言葉を並べているけれど、いつもの穏やかな表情はどこにもなくて。
ジリジリと追い詰められ、あっという間に俺の逃げ場はなくなってしまった。
背中が壁に当たったと同時に、手に持っていたスマホを取り上げられる。
そして、繋げたままの通話画面をこちらに向けてきた。
「……ねぇ、この男誰?何の話してたの?」
すぐ否定しなきゃと思ったのに、こんな怖い勇斗くんを見たことがなくて。
どうしていいか分からず、黙り込んでしまった。
「仁人、どうしたの大丈── プツッ
勇斗くんの手によって、柔太朗との電話は切られてしまった。
………ああ、どうしよう。絶対に怒られる。
そう思ったのに、勇斗くんは長く息を吐いてから、こう言った。
「………ごめん、ちょっと頭冷やしてくる。」
そんな言葉と共に、俺の上から体を退けてしまう。
そしてそのまま、扉へと向かってしまった。
ねぇ、なんで。なんで怒ってくれないの。
嫉妬して、怒って、乱暴なことしてよ。
俺の事好きって言ったよね。
好きなら、自我を捨ててみせてよ。
ああ、結局そうなんだ。
やっぱりこんな汚い体、愛せないんでしょ。
俺しかもう、好きじゃないんだ。
「なんで何もしてくれないの!!」
張り裂けそうな俺の声に、勇斗くんは足を止めて、ようやくこちらを向いてくれる。
そんな勇斗くんを、俺は瞳いっぱいに涙を溜めて、キッと睨みつけた。
「怒ってよ!冷静にならないでよ!もっと必死になってよ!!」
「じ、じんと……ちょっと落ち着いて……」
「どうせもう、俺の事大して好きじゃないんでしょ!!それならそう言えばいいじゃんっ!!!」
「そんなわけ………」
感情が爆発した俺と違って、今目の前にいる勇斗くんは、やけに落ち着いている。
ムカつく。……ムカつく。
俺ばっかり好きなのが、嫌で嫌でしょうがない。
「もういい!!勇斗くんなんか嫌い!!!別れるからっ!!!!」
「は……何言って………ちょ、ちょっと仁人!!」
同じ空間に居たくなくて、勇斗くんを突き飛ばし、この部屋から出て行こうとする。
けれど、ドアノブに触れようとしたその瞬間、後ろからきつく抱き止められてしまった。
「やっ……やだやだ!離して!!」
「ねぇ、ちょっと落ち着いてって。ちゃんと話しようよ。」
「話すことなんかない!!もうっ、別れるんだから!!!」
「いい加減にして!!!!!」
部屋が軋むほどの声で叫ばれて、反射的に抵抗の動きを止めてしまう。
ゆっくりと振り返って見た勇斗くんの表情は、今にも泣きそうな顔をしていた。
「………お願いだからさ、別れるとか言わないで。冗談でもやめて……お願い。」
震える息で懇願されて、思わず頷いてしまう。
すると勇斗くんは、まるで俺に甘えるように、そっと俺を包み込んできた。
もう、俺が何に腹を立てていたかなんて忘れてしまって、暫くお互いの存在を確認するかのように、抱きしめあった。
「おっきい声出して、ごめんね。」
長い沈黙を破ったのは、勇斗くんの方だった。
違う。謝らなきゃいけないのは俺の方なのに。
「俺の方こそ、ごめんなさい……。急に拗ねたりして………。」
「ううん。多分これってさ、お互いが悪いんだよ。きっと、思ってることをちゃんと言葉にしてなかったから。だからさ……」
手を引かれて、ベッドへと連れ戻される。
そして勇斗くんに言われるがまま、俺たちは向かい合わせに腰を下ろした。
「仁人が我慢してること、なんでも言って。俺も、全部吐き出すから。」
「………分かった。」
「まずは、仁人の話から聞きたい。話せる?」
「…………う、ん……大丈夫。」
やけに真っ直ぐ見つめられ、無意識に視線を逸らしてしまう。
だけどもう、誤魔化したくはなくて。
ゆっくりと、口を開いた。
「なんで……いつも1回だけ、なの?」
「………は?何が?」
「せ、っくす……何で1回しかいつもしてくれないの?ゴムもずっと付けたままだし……。」
とうとう口にしてしまった自分の情けない悩みが恥ずかしくて、唇をキュッと結んでしまう。
どんな回答が来るか不安になっていたけれど、勇斗くんの口から出たのは、俺の予想通りの言葉だった。
「そ、それは……仁人の体が心配で……。」
ああ、やっぱり。
君が優しいのは、痛いほど知っている。
でもね、優しすぎるのは時に罪なんだよ。
「我慢してるって、言いたいの?」
「そんなつもりは…ただ、仁人の体に負担をかけないようにって。」
「そんなに心配されるほど、俺ヤワじゃない。 」
「……いや、それは………その……」
正論を叩き返せば、勇斗くんはと言葉を詰まらせてしまった。
というか、恋人がもっとシていいと言っているのに、それに便乗しない男がどこにいるんだ。
絶対、なにか理由があるはず。
それを聞くまで、俺は折れないから。
「ねぇ、なんで?なんでそんなに躊躇うわけ?教えてよ。」
どうしても答えを知りたくて、考える隙を与えないほど質問攻めにする。
するとようやく、ずっと閉じられていた勇斗くんの口が動いた。
「俺………デカイからさ……。 」
「………は?………でかい?」
「そう……俺のって人のより長いし太いんだよ。出る量も多いしさ。挿れるのすら毎回緊張してるのに……、生はちょっと流石に仁人の体が………。」
「わ、わっ、わーーー!!!////急に何言い出すの!!この変態!!///////」
「そ、そっちからこの話始めたんでしょ!……とにかく、そんなのを仁人の小さくて可愛いお尻に全部出したら、絶対仁人の体おかしくなっちゃうって……。 」
「だから無理!」とキッパリ言い切ってみせた。
まあ、確かに勇斗くんのは凄く大きいけれど。
いつもすぐにゴムを捨ててしまうから、出す量までは俺が知ることは無かった。
自然と、勇斗くんの下半身へと視線を送ってしまう。
そこまで勇斗くんが慎重になるなんて。
もし、もし、そんなモノに好き勝手にされてしまったら。
どれだけ気持ちいいのだろうか。
俺だって、性欲のある男だ。
たまには本能に溺れて、馬鹿になってみたいさ。
「…………おかしくなってもいいよ。」
「えっ……?」
「おかしくなってもいいから、酷くしてよ。」
「……それは、酷い扱いされてるのが慣れてるから?」
「ううん、勇斗くんが好きだからだよ。」
そう言いながら眉尻を下げて、きゅるんとした瞳で上目遣いをしてあげる。
勇斗くんは俺の上目遣いに弱いから、ここまでされたら流石の勇斗くんも引けないだろう。
だって俺、可愛い顔してるんだもんね?
毎日毎日勇斗くんが褒めてくれるから、俺もう自信ついちゃったよ。
最後のトドメとして、首をこてんと傾げてあげれば、勇斗くんはとても大きなため息をついた。
そのため息が、呆れとかでは無いことは、俺はもう気付いていた。
瞬きをした次の瞬間にはもう、押し倒されていて。
視界いっぱいに、ちょっと苦しそうな勇斗くんの顔があった。
「ほんっと、後で後悔すんなよ……。」
耳元で囁かれたその言葉に
お腹の奥がきゅん、となった。
「あ”ッ、…まッま”って♡…もっむ”りィ♡……あ”ぁッ……ッ~~~~♡」
シーツを握りしめる指が、情けなく震える。
頭がふわふわして何も考えられなくて。
今自分がどんな体勢なのかも分からないし、何回出して何回出されたのかも、全く覚えていない。
でもなんだがお腹がたぷたぷして、ちょっとぽっこり膨らんでいる。
数時間前の自分を止めてやりたい。
あんまり軽い好奇心で、「好き勝手して」なんて言わない方がいいと。
…………知らなかった。
勇斗くんがこんなに絶倫だなんて、知らなかった……。
「……はっ、………もっかい…だすよっ……」
「ら、らめ”ッ♡……もッ…むりなんだっ、て……ばッ……ぁあ”ぁッッ~~~♡」
何度目か分からない射精をされて、体が無意識に痙攣してしまう。
もう視線も定まってないし、腕も足も力が入らないのに。
勇斗くんは休む時間すらも与えてくれず、また腰を動かし始めた。
「はぁ”ッ♡………あ”ッ、ぁッ♡……はぁ”ッ、はあ”ッ♡」
もう満足に声も出せなくて、ただ必死に酸素を取り込むことしか出来ない。
ほんとに、このまましんじゃうかも……♡
「ごめっ……ごめんね、じんとッ……だいすき、かわいいっ……あいしてるよ……。」
どんどんと遠退いていく意識の中、ぼんやりと勇斗くんが「ごめん」と繰り返しているのが聞こえる。
俺が、好き勝手してって言ったのに。
最後まで申し訳なさそうにするなんて、本当に優しいんだから。
────大好き。
死んじゃいそうなくらい大好き。
カッコよくて、甘やかしてくれて、甘えてくれて、守ってくれて、ずっと優しいそんな君が……
「……だい、すきだよッ……はやと……♡」
想いが溢れたと同時に、中の勇斗くんのが俺に深い餌付けをして。
その感覚を引きずりながら、俺は静かに意識を手放した。
「ほんっとうに、ごめんなさい。」
すっかりと綺麗になったシーツの上で、俺は掛け布団に包まりながら膝を抱え、勇斗は何とも綺麗な土下座を見せた。
まあ誘ったのは俺だけどさ、それでも流石に……
「ぢょっど、やり”すぎじゃな”い”?」
「うん、深く反省してます……。だからさ今度からは、普通のセックスにしとこ?ね?」
ものすごく申し訳なさそうな顔と共にされた勇斗からの提案に、俺はただコクンと頷いた。
セックスで意識なくなるのも初めてだし、声がこんなに枯れたのも初めてだ。
勇斗が我慢してくれてた理由が、ようやく分かった。
こんな濃厚すぎるセックス毎回してたら、そら体も持たなくなるわ……。
「ほ…本当にごめんね?……あ、ほら。仁人が寝てる間に蜂蜜買ってきたから。これ食べて、喉早く治して。」
そう言って勇斗は、蜂蜜をスプーンですくって、俺の口へ運んでくれた。
ゆっくりと喉へ流し込んでいく。
甘くて、蕩けそうな味がした。
「のど飴もあるし、湿布も買ってきた!アイスとか桃とかエクレアとかも買ってきたから!食べたいものあったら言って!」
余程、反省しているのだろう。
俺が寝ていた時間は僅かなはずなのに、わざわざ走って買ってきたなんて。
改めて自分が愛され過ぎているのを実感して、何だか笑ってしまった。
「じゃあ”、あ”いず……ほじい”。」
「分かった。すぐ持ってくる!」
勢いよくベッドから降りて、寝室を飛び出そうする。
けれど扉を半分開けたところで、勇斗は何かを思い出したかのように、俺の方へ振り返ってきた。
「そうだ……一個伝えたいことあったんだけど。」
「俺、不器用で不甲斐ない奴だからさ。今後も仁人を不安にさせることあると思う。」
「でも、俺は生涯仁人以外の人を好きになるつもりはないし、仁人を一生離すつもりは無いから。それだけは覚えておいて。」
「………じゃ、アイス取ってくるね!」
とんでもない台詞をさらっと置いていって、勇斗は満足気に寝室を出て行ってしまった。
ベッドの上で丸まったまま。
まるでプロポーズみたいな言葉を吐かれたのが恥ずかしくて、頭からすっぽりと布団を被ってしまう。
今にも心臓が破裂しそうなそんな俺が
本当のプロポーズを受けるのは、まだちょっぴり先のお話。
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後日談、最高っす…

神作品です😭 君の声をきかせて、も続き楽しみに生きてます🙇🏻♀️❕頑張ってください!ありがとうございます!
