こんにちは、沫です!
「あの夏の3分24秒」の第3話となります。
盛夏
_協力
__ガタンッッ!
ふいに後ろを振り返る。
砂埃が舞っていて、よく見えなかったが、 およそ、1mほどだろうか。
彼女__中川榎恋が転んでいた。
「…ごめんね、行こう。」
今にも泣きそうな声だった。
他のクラスメートも流石に心配していたが、私も思わず声を掛けてしまった。
「保健室、行かなくて大丈夫? 」
しどろもどろで、他の人から見たら私の方が彼女よりも慌てていた。
そんな私を見て安心したかと言う様に
「大丈夫、ありがとう。」
彼女は、砂埃を軽く払い、再び棒を手に取り走り出す。
私も、彼女に合わせようと着いていく様にし、走り出した。
途中、頭の中に色々な事が浮かび上がった。
どうして、彼女は私に対して「ありがとう」と言ったのか。
もっと早く気付いていれば。
もっと早く止まっていれば。
罪悪感と、自分自身に対する怒りが込み上げてきた。
そうこう考えている内に、もうすぐ棒を通す所が近づいて来る。
__ 1 2 3 4 …
意図せず、脳内に過ぎった。
すると、予想外にも順調に棒は通り、結果は4分を過ぎてしまったが、次これなら4分切れる。
そう自信が付いた気がした。
終わると早速、同じチームの端…「藤田さん」の元に駆け寄った。
「1、2、3…で3歩、4で一気にしゃがむと棒を上手く通せるんじゃないかな。」
必ずしも完璧で出来る訳では無い。
だが、少しでもこういった工夫を取り入れ、より短いタイムを狙いたかったからだ。
すると、藤田さんは笑顔で頷き、答えてくれた。
「いいね、そうしよう!」
__ピーッッ!
加藤の笛の合図だ。
話の途中だったが、急いで駆けつけた。
座る指示を受け、私たちは座った。
何を話すのか、不思議そうに見つめるクラスメートもいる中、私は何となくだがこの後言われる言葉を待った。
多分、棒を下に通す時の事だろう。
…暫く不穏な空気が流れる。
丁度、日光が加藤に反射し、表情が暗くて見えなかった。
加藤が口を開ける。
「これ以上、怪我人が増えるなら、やらなくていい。」
息を大きく吸い、再び話し始める。
「その為にこちらはやっている訳では無い。」
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第3話、これで終わりです。
次回もお楽しみに!
コメント
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投稿待ってたよー!!!