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2人で和気あいあいと話していた時、ライは俺の肩を2回 トントン と叩き道路側へ指を指す。
「バス来たよ〜!」
ライが指した場所に目をやれば、前にはいつもと何ら変わりないバスが到着していて。
『気付かへんかったわ!さんきゅ!』
通学定期券を2人順番にかざして車内に入る。
今は通勤通学の時間ドンピシャで、車内には昼間遊びに行く時とは明らか違うであろう人の数。
空いている最後の2人席。
ライと俺はそこに座って、有線のイヤホンを片耳づつ付けながら好きな曲を共有する。
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緋八とイヤホンを共有して同じ曲を聴きながら登校なんて去年から何ら変わりない行動。
それでも未だに慣れないこの距離感。
「この曲いいね。結構好きかも。なんて曲?」
『これ俺もお気に入りやねんな。』
『〇〇っちゅう曲。△△さんの。』
「△△さんのやつか、この人の曲ギターで弾いてて楽しいんだよね。」
『ギター弾けるのまじ羨ましいんよな。』
『俺も買って伊波に習おうかな〜笑』
「あは、いつでも教えたげるよ!」
バスの中、小声になってそんな話をしてる。
俺は朝弱いから、たまにマナの肩に頭を預けて居眠りをする。それがなんとも心地よい。
マナの事が”好き”なのは恋愛感情としてだが、少しうたた寝をするくらいなら許されるだろうと思い、意図的に寝たフリをすることもある。
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そんな話をしたすぐ後、ライは隣で静かに眠っていた。席の肘置きで頬杖をついて、起きた時めちゃくちゃ腕痺れるやろなぁって思った。
学校前へ着くには、まだ10分ほどある。
だから俺は彼の頭を優しく俺側に寄せて、なるべく体勢が楽になるようにしてあげた。
これくらいなら友達間でも許されるよな。
爆速で言い訳という名の逃げ道を作った。
『伊波〜、そろそろ起きとき?』
「ん、あ、俺寝てた?」
『うん。笑』
降りるバス停の大体2つ前でライを起こした。
『頬杖ついててめちゃくちゃ痺れそうやったから動かしたけど、爆睡しよってビクともしやんかった。笑』
「ありがと、おかげで痛くないわ。」
『どういたしまして〜。』
そう話しているうちに、俺らが降りるバス停に到着していた。 寝てる間のライは暖かくて、そしてお世辞抜きで、有り得んくらい可愛かった。
長いまつ毛を生やした大きな目を閉じて、俺の肩に頬がついていたからか口は小さく開いていて。
最愛の人の寝顔が見れる朝の登校時間は俺にとって宝物。
俺の身体はライと共に降車口に向かっていたが、どうやら親友にはバレてしまうらしい。
「マナ、なんかぼーっとしてない?」
「なにか考え事?」
『俺そんなぼーっとしてたん?』
「や、何となく。違った?」
『間違いやないな。考え事してた』
「ふーん?何考えてたの?」
『え!言わへんよ?!』
「言いなさい〜!」
『絶対言わんからな!笑』
「マナのケチ〜!笑」
続きます
コメント
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だいすきです…