テラーノベル
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Wave2、満潮。
足場は狭く、敵の出現が早い。
ひろは、納品ルートを確保しながら、恒の位置を確認していた。
テッパンが2体、同時に出現。
ひろが処理に向かおうとした瞬間、恒の声が飛ぶ。
「ひろ、下がって。俺が引きつける。」
その声は、いつもより低くて、はっきりしていた。
ひろは、反射的に足を止める。
恒は、狭い通路に立ち、テッパンの突進を受け止めるように動いた。
ギリギリの位置でかわし、背後に回り込む。
処理成功。
もう1体も、ひろが恒の動きに合わせて処理。
金イクラが飛び出す。
納品ルートは狭い。
恒がインクで道を作り、ひろが納品。
Waveの残り時間は40秒。
ふたりの動きは、無言でも噛み合っていた。
Wave終了の合図が鳴る。
待機の間、ひろは恒の横に立ちながら、ふと口を開いた。
「……さっきの、かっこよかった。」
恒は、ペットボトルを持ったまま、少しだけ肩をすくめる。
「俺、たまにはちゃんと動けるから。」
「うん。知ってるけど、改めて思った。」
恒は、何も言わずにペットボトルをちゅっと吸った。
でも、耳がほんのり赤くなっていた。
ひろは、少しだけ笑って、次のWaveに備えてブキを構えた。
——ふにゃふにゃしてるときとのギャップ、ずるいな。
でも、こういうときは、ちゃんと頼れる。
それが、ひろの中で静かに残った。
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