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#青春ラブコメ
ラスターダノン
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おねぎ
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「天野さま……。貴方の胸元にあるそれ……もしかして、私と同じ『嗜み』をお持ちではありませんか?」その瞬間、僕の背筋に氷のような冷気が走った。
(しまった……っ! デッキケースを胸ポケットに入れたままだった……!!)
逃げ場のない教室内。美咲の澄んだ、けれどどこか熱を帯びた瞳が、まっすぐに僕の胸元を射抜いている。
彼女の頭の中では、僕が『夜の嗜み』を嗜む同志か、あるいは新たな「カモ」に見えているに違いない。断ればどうなる? 「私の誘いを断る気?」と逆上されて、放課後に裏庭へ呼び出されるのか……!?
「え、ええと……これは、その……ただの、紙切れというか……」
「隠さなくてもよろしくてよ?」
美咲が一歩、すっと距離を詰めてきた。
ふわりと漂う、清楚で上品な高級石鹸のような香り。こんなにも可憐で美しいのに、この距離感は100人の男を骨抜きにしてきた『魔女』そのものだ。
「そのポケットの膨らみ、そして角の丸み……間違いありませんわ。相当に『使い込まれた』感触が伝わってまいりますもの」
(なんでそんな怪しい手つきでポケットの上から見立ててくるんだよ恐ろしい!!)
「天野さまも……夜な夜な、あのような激しい駆け引きに身を投じていらっしゃるのですわね?」
「い、いや! 僕はただ、たまに友達と嗜む程度で……! そんな100人も相手にするような激しいのはちょっと……っ!」
「あら、人数などただの数字ですわ」
美咲はどこか遠くを見るような目で、うっとりとほほ笑んだ。
「最初は私も恐怖がありましたの。けれど、一度あの足を踏み入れたら最後……相手の息根を止め、絶望に歪む顔を見る快感に抗えなくなってしまったのです。相手がどれほど命乞いをしようと、一切の情け容赦なく踏みにじる……あの瞬間のゾクゾクするような高揚感……っ」
(ヒエッ……!! 完全にサイコパスの顔してる……!! 『息根を止める』とか『踏みにじる』とか、カードゲームの盤面コントロールの例えにしては物騒すぎるだろ!!)
美咲の口から語られるのは、彼女にとっては「TCGの完璧な勝ちパターン(ロックデッキ)」の感想だ。しかし、ガチガチに噂を信じ切っている僕の脳内では、『男を極限まで弄び、精神的に破壊するSMの女王様』の生々しい告白にしか聞こえない。
「……天野さま」
美咲が、すっと細く美しい手を伸ばしてきた。
逃げようにも、後ろは自分の机に阻まれている。
「もしよろしければ……今放課後、私と『お手合わせ』願えませんでしょうか? 貴方がどのような『攻め』をお持ちなのか、私、興味が湧いてしまいましたの」
(放課後のお手合わせーーーーーっ!?!?)
「あっ、いや! 僕なんて九條ヶ原さんの相手になるような玉じゃ……!」
「遠慮なさらないで。私、強い男の方ほど……叩き潰し甲斐があってゾクゾクいたしますの」
(笑顔が怖すぎる!!! 完全にお持ち帰りされる流れだこれー!!)
「さあ、良いお返事をお聞かせくださいまし?」
清楚なお嬢様の皮を被った『100人斬りの魔女』からの、事実上の処刑宣告。
胸ポケットのデッキケースが、まるで僕の命のカウントダウンを刻むように重く感じられた。
コメント
1件
もうマジで笑ったわw「息根を止める」とか「踏みにじる」ってカードゲームの感想で出てくるの怖すぎるだろ!美咲が完全にサイコパスに見えてる主人公の脳内がツボすぎた。この誤解、めっちゃ気持ちいいからこのまま続いてほしいw