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ワンク
irxs 桃青(桃さんが体調崩す話)
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【桃side.】
俺はいま繁忙期だった。企業案件や事務所全体の企画。それに並行してツアーライブ。俺は社長でみんなのリーダーだ。だからいろんなミーティングに出て、企画を練った。でもやっぱりグループの会議やダンス練習に被ることが多々あって。他のメンバーとの差が少しずつ開いてきたように感じた。会議に関してはあとで内容を聞くことができるからまだ良いがダンス練に関しては遅れをとってしまうと全体のクオリティに響いてしまう。それは絶対避けたくって。今日もミーティングの合間合間に事務所のスタジオに行って練習していた。でも最近よく眠れてなくて。思うように踊ることができなかった。最近はミーティングもダンス練も多くなってきていた。そのため、眠る時間を削るなんてこともざらにあった。多少俺の体が不調でもいつもの体力、根性でいけるだろうと思って多少無茶をした。何より俺よりりうらは大学と両立しているし、まろもサラリーマンを両立してがんばっている。俺だけじゃない。しかもまろに関しては、サラリーマンの仕事をしてる上に俺の補佐的仕事もしてくれていた。本当に頼もしい俺の自慢の恋人だ。だから、恋人として社長として俺も社長業とグループとしての活動をうまく両立させないと。まろの隣にいて、みんなの隣を歩いてて恥ずかしくないようにしないと。そう思い、必死にがんばっていた。だけど、いつまでもこんな生活を続けていたからか体は悲鳴をあげていて。今日もいけるだろうと思ってダンス練をしにきたが、どうも体が思い通りに動かなくて。こんなとこでくたばってる場合じゃないのに。こんなことしてる間にもどんどん俺はみんなと差ができてしまう。だから補わないと。その一心でもう一度足に力を込め立つ。そして音源を流し、最初から通す。でも足がもつれてしまって。倒れる、そう思った時にはもう遅くて。体を強く打ち付けながら、冷たい床に倒れた。ぐるぐると渦巻く視界。鉛のように重い体。ズキズキと主張し始める頭痛。だんだん気が遠くなって、意識が飛びそうだ。でもこんなところで倒れたら迷惑がかかる。はやくなんとかして体を起こさないと。いつものように、何事もなかったように振る舞わないと。それなのに、体は思い通りには動いてくれなくて。次第に意識を保つことまでがしんどくなって。そのまま俺は意識を手放した。
【黒side.】
今日はりうらとアクロバットの練習をしようと思い、りうらを連れて事務所に来ていた。事務所の一角にあるダンススタジオ。俺らはいつもここで練習をしていた。
赤『あにき、なんか今日はめずらしく電気ついてる』
『ほんまや、誰かおるんかな?』
赤『今日誰か使うって話してたっけ?』
『いや、特には聞いてないと思うけど…』
赤『誰かいるー?入るよー?』コンコン
ノックして入る。どうやら冷房が効いているようだ。でも人影が見えないそう思った矢先、
『ないこ…?!』
赤『えっないくん?!なんで..ここに…』
ないこが倒れていた。側に行き、体の体制を変える。顔が真っ赤なないこ。見るからに熱がありそうだった。
赤『ないくん!!ないくん!!しっかりして!』
りうらが必死に呼びかけるが反応がないないこ。いつからここに倒れていたのだろうか。
『りうら、今日まろって仕事やっけ?』
赤『いや、今日は休みだと思うけど…』
『ほな一旦…』
桃『…っあに..き…?』
【桃side.】
誰かに呼ばれてるような気がして、ゆっくり目を開ける。そこにはロング髪の男がいて。
『…っあに..き…?』
黒『ないこ?!わかるか?』
赤『ないくん!!よかったぁ…』
『…おれ..たおれて….』
黒『おまえだいぶ熱高いで?この体でダンス練でもしてたんか?』
赤『そうだよ!めちゃくちゃ心配したんだから!!』
『とりあえず、まろに来てもらう?』
まろ?だめだ。まろは絶対にだめ。今日はまろ休日だから。それにまろに迷惑はかけられない。まろがきたら俺は、まろに甘えちゃう。
黒『そうだな、りうら連絡お願いできるか…』
『だ、だめっ』
赤『えっ..なんで?』
『おねがいっ…おれ、だいじょうぶだからっケホッ』
『まろに連絡しないでっ…ケホッケホッ』
黒『そうはいってもな、』
『いまのおまえはとても大丈夫そうには見えないで?』
『ほんとにっ..大丈夫だから…おねがいっケホッケホッ』
黒『なんでそんなまろは嫌なん?』
『…っまろ..今日休みだからケホッ』
『おれのせいでっ…潰したくないケホッケホッ』
黒『うーん、でも咳でとるやん』
『明らかに熱高そうやし…』
赤『とりま、まろに連絡したよ』
『すぐ来るって』
『えっ..だめっ…おれ大丈夫だからっケホッ』
まろが来ちゃう。まろが来る前になんとか体を動かして別のところに移動しないと。自力で家に帰らないと。
赤『っちょないくん?!』
黒『ないこっ急に動いたらっ…』
俺はがんばってアニキの腕の中を離れようと思い体を起こす。でも目の前がぐるぐると回って。自力で起きているのもしんどくって。そのままぐらっとアニキの方に倒れてしまった。
黒『ないこ、無理せんでや』
そう言って俺の背中を摩ってくれるアニキ。アニキの手はあったかくてすごく安心した。
赤『そうだよっ、大人しくしててっ…』
青『ないこ!ないこは?!』ガチャッ
ガチャッと音を立ててまろが入ってきた。
青『ありがとうな、あにき、りうら』
『このまま持ち帰らせてもらうわ』
『…ま..ろっケホッ』
青『こりゃ重症やな…』
『帰ったらいろいろじっくり聞いてやるからとりま帰ろう』
『だめっ..おれ…だいじょうぶだからっケホッケホッ』
青『そんな真っ赤な顔して何言っとんねん』
『ほら、行くで』
そう言うと、まろは俺のことを抱いた。俗に言うお姫様抱っこだ。
青『ちょっと揺れるけど我慢してな』
黒『まろ、来るの早かったな』
青『ちょうど事務所きとってね』
赤『タイミングよかったんだね』
『ま..ろっ…ケホッ』
青『ないこ、寝れそうだったら寝とってええからな?』
『あにきもりうらもありがとうな』
黒『おう、お大事にな』
『この後のミーティング調整しとくな』
赤『ほんとにお大事にね』
青『あぁほんまにありがとう』
そう言ってまろは俺を抱えて事務所を歩く。
『ま…ろっ..ケホッケホッ』
青『どうしたん?』
『おろしてっ…自分で歩けるから..ケホッ』
青『しんどいんやろ?大人しく担がれて…』
『ほんとにっ..大丈夫だから…1人で家に帰れるからっ…ケホッケホッ』
青『そんな顔でそんな体調で1人で帰せるわけないやろ』
『それと、俺はそんなに嫌か?』
『っちが..ただ…ヴケホッケホッケホッケホッ』
青『ほら、咳悪化するで?お願いだから今は我慢してくれ。後で聞いたるから。な?』
『…っま..ろっケホッ』
俺はうまく話せなくなって。だんだん意識が遠くなってるのを感じてそのまま、まろに抱かれたまま意識を飛ばすように眠りについた。
【青side.】
ないこを担いでとりま俺の家に連れていく。ないこの家に連れて行ったところで、早々に俺は追い出されてまた無茶な行動に出るだろう。最近あまりないこに構う時間もなかったからちょうど良い。
ないこをベットに寝かす。やっぱりないこの顔色は悪くて。眉間によった皺、少し荒い呼吸。どうしてこんな状態であの場にいたのかがわからなかった。熱を測ると39度越えで。あとでしっかり話さないとな、なんて考えながら看病するために必要なものをリビングへ取りに行った。経口補水液、冷えピタ、薬、タオル、それに念のため袋。とりあえず必要なものを手に持って寝室に向かう。
桃『っ…まっ..ろ…?ゲホッ』
寝室に向かうとないこが起きていて。
『おはよ、具合どう?』
桃『まろっ..ここ…』
『俺の家。ないこの家返したら俺が心配やし』
桃『ごめっ..もう大丈夫っだから…ゲホッ』
『帰るわっ…ゲホッゲホッ』
『はっ何言って…』
そう言った瞬間、ないこが起き上がった。でも39度もある体じゃ上手く起き上がることができなかったようで。そのまま横に傾いた。
『ちょっばかっまだ治ってないんだからっ』
間一髪ないこを支える。俺の腕の中で何が起こったか分からず戸惑っているないこ。
桃『あ..れ…?おかしいなっ..うまく…からだっ起こせなぃ….ゲホッゲホッ』
『そりゃそうやろ、おまえいま熱39度超えてんで?』
桃『…そうなんだ』
『お願いだから無理せんといてや』
桃『っごめん..ね…』
『寝とけば..治ると思う…からっほっといて…大丈夫だよ..?ゲホッゲホッ』
ここまできてそう言うないこ。本当に今日のないこはどうしたのだろうか。
『ないこ。さっきからなんでそんな感じなん?』
『やっぱり、俺に看病されるのは嫌?頼るのは嫌?』
桃『えっ..ちがっ…ただっただッゲホッゲホッ』
『めいわくっ..かけたくなくってっみんなに追いつきたくって….ゲホッゲホッ』
ないこがぽつりぽつりと話し始める。俺は今にも泣きそうな震えている体をぎゅっと抱きしめながら、背中をゆっくりさすった。
桃『おれっ..ミーティングとか…たくさんあって..だからっダンス…とか..練習っ..みんなよりっ遅れとることが..多くって….ゲホッ』
『はやくっ..みんなに追いつかないと…みんなの足引っ張っちゃう…っ置いてかれちゃう..とか色々考えちゃって….ゲホッゲホッ』
『でもっ..たいへんなのは…俺だけじゃないから..まろもっしごと…たくさんでっ俺よりたいへんっ..だから…頼りたくなくて….ゲホッゲホッ』
『もうええよ、がんばったな』ヨシヨシ
桃『おれっ..がんばった…?』
『おん、ようがんばった。えらい。』
『でももっとはやくから頼ってええんやで?人と比べるんじゃなくて、しんどいなって思ったらすぐに。そのために俺がいるんやろ?』
桃『…っま..ろグズッ』ポロッポロッ
『ほら泣いたらもっとしんどくなるで?』
『これからちょっとずつでええから俺のこと頼ってな?』
桃『っうん..がんばるゲホッ』
涙目で俺を見つめるないこ。相当我慢していたということを改めて実感した。
『ほら、まだ熱高いんやから寝よ』
『しんどいやろ?』
桃『ん、寝る..まろっぎゅってしてゲホッ』
『仰せのままに』
ないこをぎゅっと抱き寄せベットに潜る。すると、安心したのかすぐに目を閉じて寝息をたてる。疲れていたんだなと微笑ましく思い、ないこの少し色褪せたピンク髪をゆっくり撫でる。明日には元気になってるといいな、なんて思いながら頭にキスを落とした。
“チュッ”
end.
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