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あかねside


夜遅かった事もあり、ルビーちゃんはお泊まりに誘ってくれた。最初は渋っていたケンゴくんだったけど、少しの間だけ起きたアクアくんにベットに引きづり込まれた事で諦めたみたい。


ケンゴ)悪い。俺、このまま寝るかも……


あかね)アクアくんの体温、落ち着くもんね


ケンゴ)ん……


あかね)おやすみ、ケンゴくん


ケンゴ)おやすみぃ……


アクアくんと抱きしめ合いながら眠る2人にちょっとだけ複雑な気持ちを抱きながら、部屋を出た。



アクアside


手首には鎖。足首にも鎖。首には『ルビー』のネックレス。


───父さんの誕生石らしい。


カミキ)アクア、おはよう


いつの間にか部屋に入ってきた父さんに目を向ける。


アクア)おはよう、父さん


父さんはいつも笑顔だ。僕にいつも笑いかけてくれる。優しく抱きしめられる。そっとキスをしてくれる。僕の理想の父さんだ。


アクア)父さんみたいになりたい


僕はそう言うと、父さんは目を細めて笑った。


カミキ)アクアがそう言ってくれるなんて、嬉しいな


父さんはそう言って、僕の頭を優しく撫でてくれる。


カミキ)でも大丈夫。アクアは近いうちに僕になるよ


アクア)?


父さんはよく難しいことを言う。僕は父さんのそういうところがちょっと怖い。でも、頭を撫でてくれる手は温もりがあって、抱きしめてくれる時の父さんはいい匂いがする。あと、気持ちいいことをしてくれる時の父さんは、僕を甘く、とろとろにする。怖いところもあるけど、僕は父さんが大好き。


アクア)父さん、僕───



ケンゴside


深夜に目が覚めるのは、人によっては差程珍しくない。俺はどちらかというと夜型の人間だから、途中で目が覚めて楽器を触る日もある。今日はたまたまその日だったようだ。


…正直に言うと、アクアに抱きしめられているせいで寝たくても寝られないだけだ。


ケンゴ)…深夜テンションでヤバい方向に考えが行ってる気がする


顔、声、性格…は微妙だが、アクアは文句のつけようがないくらいに完璧だ。オマケに頭も良い。


ケンゴ)今日はもう帰るか。ルビーちゃんとあかねはもう寝たよな……


未だに抱きしめてくるアクアからなんとか抜け出し、ベットから出る。そのままリビングを向かおうとしたら、抜け出したばかりのベットの方からモゾモゾと音がする。


アクア)ん……


ケンゴ)アクア?


アクアと目が合う。まだ寝ぼけているのか、ボーッとした表情のまま何も言わない。


ケンゴ)アクア、おはよう


まだ時刻は深夜の3時半だが、少し気まずくなり、取り敢えず挨拶をする。


アクア)おはよう……


あれ、アクアの様子が変……?


アクア)──父さん


アクアから発せられた言葉に、背筋が凍っていくのを感じた。


ケンゴ)ア、クア……?


アクアは、とても幸せそうに笑っていた。



アクアside


アクア)ケンゴ……?


絶望した顔をみて、やらかしたと思った。俺が何かやらかしてしまったのは分かるが、数十秒前の記憶がない。


アクア)俺、何か言ったか?


分からない。分からないから、本人に問いかけるしかない。


ケンゴ)アクア


名前を呼ばれ、ケンゴの方に視線を向ける。ケンゴは俯いていて、どんな表情をしているのか分からない。


アクア)悪い気分にさせてごめ───


最後まで言い終わる前に、ケンゴに抱きしめられた。


ケンゴ)…なんでもない


アクア)……


嘘だ。どうしてお前は嘘をついたんだ?


ケンゴ)今は何も聞かないでくれ


一体、何がお前をそうさせた。聞きたいことは山ほどある。けど、無理に聞き出したくない。


アクア)…分かった。無理には聞かない


気のせいかもしれない。嫌な予感がするだけだけど、なんとなくカミキに関係している気がする。


アクア)けど、危ないことには首を突っ込むなよ


ケンゴはカミキに直接的に接触していない筈。あかねが名前と顔写真を周りに見せたからだ。その中にはケンゴを含めた今ガチのメンバーもいたから、知っている可能性が高い。だとしたら、その前に会っていた…?


ケンゴ)アクア、今日はもう寝よう


アクア)…今、何時だ?


ケンゴ)もうすぐ4時


変な時間に起きたな。変な夢をみた気がするし、確かに寝た方が良いかもな。


アクア)そうだな


少し暑くなった部屋に冷房をつけ、ケンゴとベットに入、る……ん?


アクア)お前、男とベットに入って虚しくないの?


ケンゴ)いやアクアのせいだからな!?


アクア)は?


全く記憶にないけど……。


ケンゴ)もしかしなくても、アクアって寝ぼけたらアホの子になるのか?


アクア)そんな訳ないだろ…ないだろ。うん



姫川side


次の舞台の話し合いが終わり、俺はさっさと帰る準備を始める。金田一に呆れられた顔をされたが、星野との時間を潰したのが悪い。


『上原大輝さんで合ってますか?』


姫川)…嫌なことを思い出した


ふと、あの手紙が頭に浮かんだ。家に届いたヤツと今日…深夜だから昨日?に渡されたヤツ。2つ目はまだ開けてないから内容は分からないが、どうせロクなものじゃない。


そこで、また別の考えが浮かぶ。


姫川)あれは、俺だけに渡されたのか…?


星野をあんな目に遭わせた奴だ。頭のネジがぶっとんでるのは確かで、そんな奴の考えてる事なんて知らないが、俺だけにあの手紙を送る理由がない筈だ。


姫川)…いや、考えすぎか


ゆっくり休んで、目が覚めてから考えるか。




続く

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