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こんにちは。つうんです。
最近ギャグばっかり書いていたのでシリアスがうまく書けなくなりました。なのでシリアス描きます!頑張ります..というかシリアスってもうww2くらいを書くしかなくないですか?てことで舞台はww2です。
では、良ければ読んでいってくださいな。
訓練から帰ることができた日の帰り道だった。「ねぇねぇおにーさん!」見知らぬ幼い男の子に声をかけられた。
「おにーさん飛行機に乗ってお国のために戦いに行くんでしょ!?おかーさんが言ってたよ!その制服を着ている人は、すごい人だーって!!」
知らない人に会って最初に言うことがそれか。苦笑する。戦いに行くというのはいささか語弊がある。戦いに行くのではない。‶自ら散りに行く”のだ。でも、「...ああ、そうだよ。」と肯定した。
「すごいなぁ...!僕もいつかそうなれるかな!」男の子は目をきらきらと輝かせて一人の兵士を見上げる。そんな希望に満ちた目に、空は心から笑い返すことはできなかった。それでも、まっさらな幼い男の子の夢を、打ち砕きたくない。「大人になったら。君もちゃんと、なれるよ。」この子が大人になる前に、戦争が終わることを願ってそう言った。
「だから、ちゃんとお勉強して、ちゃんと運動して、できる限り友達と遊んで、できる限りいっぱい食べて。今をちゃんと生きて。これ、お兄ちゃんと君との秘密の約束。」小指を差し出し笑って見せた。
「うん!秘密のお約束!絶対に守るね!」やっぱり子供は秘密という言葉が好きらしい。そして、小指を絡めて約束した。
「じゃーねー!ありがとおにーさん!」最後に満面の笑みを残し、男の子は去っていった。
子供というのはいいものだな、と現実逃避気味に思う。こんな運命じゃなかったら、自分は何か変わったのだろうか。陸や海と、もっと一緒に居れたのだろうか。
明日、飛び立つ。明日、息ができなくなる。明日、誰とも会えなくなる。明日、なんにも考えられなくなる。明日、なんにも見えなくなる。明日、なんにも聞こえなくなる。明日、明日、明日。こんな明日なんて、明日じゃない。
せめて今日だけは、陸と海と過ごそう。最期の時は、幸せでありたい。ふっ、と軽く微笑んで、街を照らす橙色の夕焼けを、優しく吹いてくる風を、全身で受け止めるように歩くのだった。
久々だった。自分の家の扉を開けるのは。一度深呼吸をし、扉を開ける。「陸ー!海ー!ただいまー!!」大声で叫んだ。
すると、陸と海が出てきて、「おかえりっ...!」と抱き着いてきた。
居間に入り、座布団の上に座る。本当に久々に、三人がそろった。感慨に浸っている間もなく、陸に「明日...だよな...?」と切り出された。海も空を見ている。二人の顔は今にも泣きそうに歪んでいた。そんな二人へなるべく綺麗な笑みを浮かべ、「うん。そうだね。」と返す。「そう。明日、いくんだよ。」一度口に出してみると、奇妙なほどの実感がわいた。あぁ、自分は明日、この世から消え去るんだ。もうこの二人にも会えないんだ。そう思った。
沈黙がおりる。どうしようもないくらい、哀しい沈黙だった。やがて、陸の瞳から、大粒の涙が零れ落ちた。
「どうして、いっちゃうんだろ。いかないでって言えたらどれだけ良かったかなぁ...」陸の口から溢れる言葉は本当に優しくて、哀しかった。あきらめがまじった声。海は俯き、顔はよく見えない。空は陸に近づく。
そして、そのしずくを拭う。「ねぇ、泣かないで。仕方ないんだよ。」なんの慰めにもならない言葉を吐く口を呪いたくなった。海が、静かに陸を抱きしめる。
哀しみに満ちた夜は、更けていった。
ねぇ、陸、海。離れたところでこちらに手を伸ばし、叫んで泣いている二人を見やる。
僕はさ、幸せだったよ。プロペラが回り始める。
お国のためとかよくわかんないけどさ。機体が上昇し始める。
僕がいくことに意味があるのかわかんないけどさ。飛行機が飛んだ。
でも、確かに幸せだったよ。二人が遠くなっていく。
大好きだよ、ずっと。
快晴の空、青い海。美しい陸。こんな日に限って、こんなにきれいで美しいんだ。
あの男の子は僕がいった後どうなるのかな。元気に生きていてくれたらいいな。
陸と海はどうなるんだろ。きっと会うよね。
本当に、ありがとうね。
逝ってきます。
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