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えむがこの世を去ってから一年が経った。今日は、えむの一周忌だ。だから、えむに送るショーを始めようとしていたのだ。
「皆様!本日はフェニックスワンダーランドにお越しいただきありがとうございます!そして、俺たちワンダーランズ×ショータイムのショーに足を運んでいただきありがとうございます!本日も楽しんで行ってください!それでは、開幕です!」
その日のショーは、司たち3人がえむに見せたショーだった。それは司たちにとってかけがえのない大切な宝物だ。そのショーをやると、3人ともあの日を思い出す。えむが亡くなったあの日を。えむが自分達に届けてくれた言葉を。その言葉たちは、確実に3人を、前に進めていた。
ーえむ、俺たちはなんとか進めてる。ぶつかったりもしたが、その度にえむが出てきて、解決できる。やはり、えむと過ごせて良かった。これは俺たちの軌跡だ。だから、精一杯届けるぞ!届け!えむのもとへ!
3人は全力で楽しみながらショーをした。
「皆様!いかがだったでしょうか!この後もフェニックスワンダーランドをお楽しみください!」
司たち3人は、観客を見ていた。みんな、笑顔で帰って行った。だけど、一人だけ、座ったままの女の子がいた。いつまで経っても動かなくて、ステージ上を直視していた。
「なあ、そこのお前」
「え、私?」
寧々は、驚いた。司と類は気づかなかった。だけど、寧々は感じた。”私?”の言い方がえむにそっくりだったのだ。
「良かったら舞台上に上がってみるか?」
「えー?いいんですかー?」
ーやっぱり似てる。ていうさそっくりだよね。この顔つきというか、身長というか、。
「あぁ!構わんぞ!」
「ありがとう!司くん!」
寧々は確信した。この子は、間違いなくえむの生まれ変わりだ、と。
ー今の”ありがとう!司くん!“の言い方、。間違いなくえむだ。えむの言い方だ!
「ねぇ、あなたは、。」
その子は不思議そうに寧々を見た。寧々は一か八かに賭けた。
「ねえ、あなたは、えむなの、?」
「寧々、お前何言ってるのだ?えむは去年亡くなっただろ?」
しかし、その子は固まったように動かなかった。
「まさか、本当にえむ、なのか?」
「ねぇ、私たちの大切にしてた言葉、わかる?」
すると、笑顔になって言った。
「わんわんー?わんだほーい!」
ー間違いない。この言い方をできるのは、この世界でえむだけ。
「えむ、えむなんだよね!?」
「司くん、類くん、寧々ちゃん!」
「え。本当にえむくんなのかい?」
「本当に言ってるのか?まさか転生ってやつか?」
「帰ってきたよ!私は、鳳えむだよ!ただいま!ワンダーランズ×ショータイム!」
3人は涙を流し、えむに抱きついた。
「えむ、えむ!」
「なんで急に帰ってきてるのよ、!連絡の一つくらい、入れなさいよ、!」
「だって、今日転生してんだもん!この私の誕生日に!」
「そうか。誕生日に、奇跡が起きたんだな!」
神様は、司たちからたいせつなものを奪った。でも、一年の時を経て、俺たちのもとへ返してくれたのだ。
「えむ、どうする?ショー、やるか!?」
「やる!やりたい!早くやりたい!」
「ー!よし、いいぞ!早速準備を始めるぞ!」
「うん!」
鳳えむ、17歳で病で命を落とした。だが、一年の時を経て、彼女は生まれ変わった。きっと彼女の中の想いが奇跡を起こしたのだろう。
ーまだ、みんなとショーをして、たくさん笑いたい、という思いが。
(終)
みなさん、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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