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コメント
10件
♥️くん、とうとう💙に見せつけましたね🤭笑 1人だけ先に帰るのが嫌すぎる牽制、💛ちゃん推しには良すぎました🫶笑
更新ありがとうございます💕 はぁ、💛ちゃんの事が好きすぎる❤️さん…🫠 もう、公開イチャイチャで悶えました…🫠🫠🫠 そりゃ、あんな事言われたら我慢出来なくなっちゃいますよね💕 💙さん、酷い目に⁉︎🤣 逢っちゃいましたね〜💦 続きが楽しみです✨
DAY2を迎えて、僕たちの盛り上がりは最高潮を迎えた。今日で、全部出し切るんだ。これで、十周年の最大のお祭りは終わっちゃうんだから。
ステージを駆け回り、泣いてるファンを見ては僕も泣き、元貴や若井とたくさん目を合わせて、心からの笑顔で全力で走り切った。
大歓声の中、僕たちからファンのみんなへの最上級の恩返しは、幕を閉じた。
「涼ちゃん、即シャワー!」
僕の肌を気にしてか、楽屋テントに入った途端に元貴に指示された。急いでタオルと着替えを用意して、はい!と素直に従う。
全てさっぱりと洗い終えて、着替えてからドアを開けると、元貴が準備をして前に立っていた。
「はや。」
僕が驚いてそう言うと、元貴がニコッと笑ってシャワーブースへと消えていった。ライブの名残りで、少し眼が潤んでたな、可愛い。
間仕切を抜けて楽屋へ戻ると、椅子に座った若井がこちらを向いて眉根を寄せた。
「涼ちゃん気を付けろ、ヤツはまたなんかする気だぞ。」
「えぇ?そんな、またキスくら…。」
僕は口を手で押さえる。キスくらいまででしょ、と言ってしまうところだった。
「…バカップル。」
「…すみません。」
「また俺追い出されるやん。」
「…すみません。」
「ふ、ウソウソ。涼ちゃん全然元貴と2人で会えてないんじゃない?最近。」
「うん、そうだね。忙しいからね、元貴は。」
「もう我慢の限界なんでしょ。」
「うーん…でも、会えるだけでも、幸せだし。」
「涼ちゃんじゃなくて、元貴が。」
「へ?」
「…ここテントだからね?それだけ忘れないでね?」
若井が立ち上がって、タオルと着替えを用意して間仕切の方へ進むと、計ったように元貴が姿を現した。
「ここ、テントだからね?」
「…へえー。」
「へぇーじゃねーわ。」
すれ違いざまに、若井が元貴にも同じことを言うが、元貴は素知らぬ顔で戻ってきた。
元貴は、またカバンから軟膏を取り出し、僕の方を見た。
僕は、少し緊張しながら、元貴の傍に寄って、後ろを向く。元貴が黙って、僕のシャツをめくって、背中に軟膏を塗り広げてくれる。
「…こんなに赤くしちゃって。」
「まぁ、もう終わったから。」
「なんで、シャツ着ないの。 」
「…前言ったじゃん。」
元貴が、僕の前に回り込んで、僕を椅子に座らせた。そのまま、前のシャツもたくし上げる。僕は慌てて元貴の手を押さえようとしたが、ジロッと目を見据えられて、動きを止めた。
そのまま、僕の体の前側にも、少しずつ軟膏を塗っていく。
「もっかい言って?」
「え…だから…この方が、僕自身を包まれてる気がするから…って…。」
「何に?」
「…えっと…。」
「…誰に?」
顔が熱くなる。元貴は薬を塗る手を止めて、またジッと僕を見つめてきた。
「…もとき。」
その言葉を聞いて、元貴は満足気に目を細めた。しかし、すぐにその顔が曇る。
「はあー…!」
急にクソデカため息を吐くので、僕はびっくりした顔で元貴を見た。元貴が鏡台に軟膏を置き、僕の両肩に手を置いて、頭を垂れる。
「どうしたの?」
「…明日、撮影なんだよー、朝からー。」
「ん?朝ドラ?」
「そうだよ!…くそー!」
「…?」
「なんでピンときてないんだよ。」
ぎゅう、と首に抱きついてきた。耳元で、囁く。
「…もう今日めーーーっちゃエッチしたいのに、時間がないんだよ…。」
「………っ!!」
僕は息を飲んだ。な、なんて事を、こんな所で言うんだ元貴は!なんと応えるべきか、視線を彷徨わせて、高鳴る心臓の音だけが頭に響いていた。元貴が顔を上げて、僕の頬に片手を添わせる。
「…今日、ここ終わったら俺もう帰んなきゃいけない。車で。」
「あ…元貴は泊まりじゃないんだ…。」
「…そーだよ…。」
そのまま、ちゅ、ちゅ、と何度かキスを落とす。
「…若井と二人で泊まるとか、あり得ない。」
「お、同じ部屋じゃないじゃん…。それに、若井もう彼女さんいるし…。」
「…浮気すんなよ。」
「しないよ、元貴。」
僕は、元貴の顔を両手で包んで、自分からキスをする。安心してもらえるように、信じてもらえるように。
「…僕も、一緒に帰ろうか?」
「…いいよ、疲れちゃうし。涼ちゃんは明日ゆっくり帰れるじゃん。」
元貴が、また、首にギューッと抱きついてくる。
「明日の夜は、うちに来て。絶対。」
「うん、わかった。」
「絶対、エッチしようね。」
「…はい。」
僕は、顔を真っ赤にして、返事をした。元貴が、僕の首に腕を回したまま、キスをしてくる。何度も顔の角度を変えて、舌も入ってきた。僕は、元貴の腰に手を回して、舌を絡めて応える。くちゅ、と音が繰り返し鳴って、身体が熱を持ち始めた。
「…ん…。」
「は…涼ちゃん…。」
元貴が名前を呼んで、より激しく口内を蹂躙してくる。元貴の手が、いつの間にか僕の胸元を服の上から弄っていた。
「ん…っ、だ、…め…っ!」
ガラッ、とシャワーブースの開閉音がして、若井の気配が布の向こうに出てきた。
『おーい、入るぞー。』
若井が声をかけてくる。元貴は、深いキスをやめない。
「どーぞ。」
一瞬、僕の口から唇を離して若井に向かってそう言うと、元貴はまた僕の口を味わい始めた。僕は一生懸命に元貴の服を引っ張って身体を離そうとするが、ビクともしない。
布が揺れて、若井がこちらへ入って来た。
「はーぁ…どわぁ!!」
完全に気を抜いて、ため息混じりに楽屋へ入ってきた若井は、僕たちを見て驚きの声を上げた。
「なーにやっとんじゃあ!!」
「…ご、ごめん…。」
やっと顔を離され、元貴に腕を首に回されたまま僕が涙目で若井に謝ると、元貴は若井をジロッと見た。
「何見てんだよ。」
「お前がぁ!見せてんの!!」
「…今夜涼ちゃんに手ー出したらコロすぞ。」
「出しませんって。俺彼女いますから。」
しばらく二人が見つめ合って、というか睨み合っていたが、元貴がふー、とため息を吐いて僕から手を解いた。
「そんなに嫌なら、涼ちゃん連れて帰ればいーじゃん。」
「…いーよ、明日ヤるから。」
「な…元貴!」
僕が顔を真っ赤にして元貴を諌めた。若井はプッと吹き出して、大変だね涼ちゃん、と同情されてしまった。
現場の撤収作業が進む中、僕たちは荷物をまとめて、元貴はスタッフさんの車で東京の自宅へ、僕と若井は近くのホテルへと別の車で移動する事になった。
「…じゃあね、元貴、おやすみ。明日頑張って。」
「ん…おやすみ、涼ちゃん。」
元貴が、少し寂しそうな笑顔で応えた。
若井が元貴に声をかける。
「…元貴、おやすみー。」
「…さっさと寝ろよ。」
元貴が拗ねたような顔で若井に言うと、若井がニヒッと笑った。元貴は軽くため息を吐くと、スライドドアを閉めた。
僕たちは、元貴を運ぶ車を見送り、自分たちの車へと乗り込んだ。