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冬彰・彰冬    来世こそは、君の隣で__

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冬彰・彰冬 来世こそは、君の隣で__

1 - 冬彰・彰冬 来世こそは、君の隣で__

♥

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2025年06月07日

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久しぶりに書いていきます(><)

R18無し

冬彰、彰冬かはこの話では明確には書かなかったのでどちらでもご想像にお任せしますので冬彰が好きな人でも彰冬が好きな人でも読めるようになってます> ̫<

海心中のお話になりますので、苦手な方はUターンしてください🙌

4000文字を超えていますのでかなり長くなるので時間がある時にじっくり読んでくれたら嬉しいです(><)

それではどうぞお楽しみください(><)




















来世こそは、君の隣で___






















ある秋の終わりかけの少し涼しくなり始めた頃が始まりだった。


「冬弥、ずっと、お前が好きだ、、この先もず     っと俺の隣で歌い続けて、笑ってて欲しい。」


夕方の屋上、彼が言ったその言葉が全ての始まりだった。


「俺も彰人が好きだ♪」

夕陽が2人を祝福するかのように照らしながら2人はとても幸せそうな笑顔で抱き合った。



これからの人生はきっと華やかでずっと幸せで例えどんなことがあったってきっと乗り越えていける_










2人は抱き合いながらそう同じように思っていた。この時は。














それから数週間して、冬に差し掛かったある日

彰人は家を出て冬弥の部屋に転がり込んできた。



「あんな家に…..居場所なんてねぇんだよ、、オレは、、」

下を向きいつもは見せない弱々しい姿で呟く彼の頬は赤く少し腫れているように見える。


父親に見つかって、スマホのメッセージのやり取りを見られたのだと、そうぽつりと呟いた。

『アイツと何をしていたんだ。男のくせに気持ち悪い。』

やり取りを見てはそんな言葉を吐き捨てられ、彰人はそれに反抗したのだと、

だが反抗しては頬を叩かれ、母はそれを見て見ぬふりをした。




冬弥もまた似たような境遇だった。

父は厳格で「男に気を許すなんて」ことも許すわけがなかった。


『いつまで甘えているんだ』

『そんな弱さじゃ将来食っていけない』

『またアイツか、付き合う相手は選べ』




そう吐き捨てられた時、

冬弥の中の何かがぽきり、と折れた気がした。

否定するそんな親がいなく、彰人だけが部屋にいる夜だけが救いだった。

「好きだ、彰人。」

「俺もだ。」

そうお互いの傷を癒すように言葉を交わし、抱き合いった。



お互い抱き合い眠る夜、熱を分け合う布団の中、そっと触れ合う指先。


好きだ。

その言葉は何度交わしても足りなかった。


「 親なんてどうでもいい。俺は冬弥といたい。きっと幸せになれる。だから今は2人で頑張って行こうぜ、」

頼りあるが少し不安が垣間見られるそんな声で彼は強く離したくないというかのように抱きしめながらそう呟く。


「嗚呼。彰人と生きるためならこのぐらいどうって事ない。俺は幸せだ。」

少し眉を下げつつもいつもの柔らかい笑みを浮かべてはそう言い、優しく抱きしめ返した。









それからほんの少し経つと、

学校では噂が立った。


『あの二人って付き合ってるらしい』


クラスの空気が冷たくなる。

日に日にその状況は悪化した。



ロッカーの中に破かれたノート。

2人の机の上に書かれた「ホモ」「気持ち悪い」の文字。

更には、

「お前大人しいくせに男好きだったんだなw」

「気持ちわりぃんだよw」


トイレで何やら声が聞こえる。


「俺たちは何も悪いことはしていない。男を好きになって何が悪い。」

いつもの冬弥の冷静な対応でそう返す。

だが、そんな様子を見ては、、、













静かなトイレに水の音が響く_









「まじ前から思ってたけどよ、その余裕そうな上からの態度ムカつくんだよ」


水に濡れ、滴る水_


「別に俺はッ、、!_」




そんないつもより少し弱々しい声を遮るように

「俺の冬弥に手出してんじゃねえよッ”!」

荒々しい声が響き渡る。彼は冬弥を傷付けたやつに殴りかかる。

そんな背中を冬弥は見つめ小さく名前を呟く。


彰人に殴られ倒れ込むも少し笑って言葉を零した。


『まじお前らきついってw』



それを聞いては再び殴りかかろうとするもそれを冬弥は止めた_














それから保健室で落ち着いてから冷静に彰人は口を開いた。

「先生に言おう。」と











だが先生から返ってきたのは思っていたものと違った。


「君たち、ちょっと距離を置いてみたらどうかな」

「まぁ、思春期だし一時的な感情かもしれないし..ね笑」










俺たちの関係って、そんなに罪かよ。












誰も信じてくれなかった。

信じようとも、理解しようともしてくれなかった。


まるでその気持ちは『間違い』で

『治る病気』かのように。





音楽さえあれば大丈夫だと思っていた。

ステージでは誰よりも真剣に向き合ってきた。

歌って、ぶつかって、励ましあって、やっと生まれた

『居場所』だったのに..








__世界が、2人を拒絶する。


その事実が、2人の心を少しずつじわじわと削って行くのだった。






















それから暫く経っても誰も理解などしてくれなかった。


周囲からの冷たい視線

心無い言葉、嫌がらせ


家に帰っても相変わらず居場所などなかった。


彼らの居場所はお互いだけだった。




最初は2人で居れるだけでそんなの大したことない。

そう思って辛抱していた


だが

“理解者がいない”


それは大分酷なものだった。






誰かに相談してもまず理解されない、

理解してくれたとしても全てが変わる訳では無い。


そう分かっていたからあれ以降2人は誰にも話すことなく2人で抱え続けていた。

この黒く刺々しい、2人で抱え続けるには難しい物を。











寒さが骨まで沁みるようになった冬の夜だった。



冬弥の部屋のベッドで2人で隣合わせながら、軽く手を握り暖を取っていた。





空気はとてもいいものでは無かった。少し重くどんよりとしていた。

お互い何も喋らずただ互いの温もりを感じて何を思っているのか分かりあっているようだった。




そんな静寂を彰人が破る。

「…..もう、逃げ場なんて、何処にもねぇんだよな。」

「分かってる。俺も……毎日、ただ息をしてるだけで、責められている気がする。」


2人とも同じ気持ちだった。

ただただそこにいるだけで、生きているだけで、自分たちの事を否定されているようだった。




「好きでいることが、罪になるのかよ、、ただ冬弥のことを好きになっただけなのによ」



そう言う彰人を横目で見ては、また前を向きこう言った。




「なら、せめて、

__最期くらい、俺のままで、いたい。 」



そう言う冬弥を見ては、彰人は何も思わなかった。

彰人も同じ気持ちだった。



もう、2人は







未来が見えなかったのだ。










「俺も最期くらいは、俺のままで、冬弥の事を愛してぇ、」












2人は決心した。

もうこの世界では生きていけない、


生きてはいけない、そう思ったのだ。



















それから2人は唇を重ね、愛し合い、夜を共に過ごした。


2人がいつものように冬弥の部屋で過ごしたのはこの夜が最後だった。



























それから数日経ったある日。

海に沈む夕陽が、2人の影を長く伸ばしていた。


ざぶん、と寄せては返す波。

冷たい水が靴を濡らしても、誰もそれを気にする様子はなかった。




2人は制服のまま、手を繋ぎ海を見ていた。

2人を否定する世界のようにとても刺々しく冷たい風に吹かれながら。




「……ほんと、最後まで、お前らしいな。無言で全部背負って、」

「……彰人こそ。結局、俺の気持ち全部分かっていたんだろう」

「うるせえ…….言われなくても、分かるに決まってんだろ。俺はお前が好きだから、、         言わせんなバカ、」



いつもは騒がしい喧騒も、今日ばかりは静かだった。

















2人で死ぬことは、決して「軽い覚悟」ではなかった。

それでも、

“2人きりなら救われる”

そう信じた。



世界が祝福してくれなくても

__来世ではきっと、

と思いたかったのだ。













「俺たち、ずっと頑張ってきたのにな…..なんでこんなに否定されなきゃ行けねえんだよ、」


海を真っ直ぐ見つめながらそうぽつりと彰人が呟くと冬弥はその手を強く握り返した。

「俺たちの気持ちは、本物だった。」

「ああ。….だから、次の人生では、ちゃんと祝福されてぇよな、」

「来世では、堂々と隣を歩けるといいな。」

「だな。一緒に、歌って、笑って、人目も気にせず手繋いでさ、……普通の顔して、キスとか、できるといいよな。」

「…..きっとできる。約束する。…..来世でも

絶対、彰人を見つけるから」

「見つけてくれるのかよ、ちゃんと俺を。」

「俺に見つけられない訳がない。彰人の声も、目も、癖も、……全部忘れることなどない。」


静かに__冬弥が微笑む。


彰人は、涙をこらえるように目を伏せた。

でも、握るその手から伝わる温もりが、まだ”今”を繋いでいた。



2人は最後に手を繋いだままそっと見つめ合い、来世も愛す事を誓うように軽く唇を重ね合った。









「….じゃあ、行こうぜ。」

「….ああ。」





2人は、強く手を握りながら波打ち際へと歩き出す。

制服の裾が濡れる。

靴の中に水が染みる。


でも足は止まることはない。


夕陽はもう、海の向こうに沈みかけていた。

世界は静かだった。

彼らを咎める声も、否定する視線も、今この瞬間はもう何処にもなかった。

彼ら二人だけの世界のようだった。


冷たい海の中へ、2人の影がゆっくりと消えていく。


海が、徐々に2人を抱いた。

この世界には祝福がなくても、来世では___


必ず、笑って隣を歩けるように、と。


















波の音だけが聞こえる静かなそんな世界で最後に聞こえたのは___












「来世では……」

「絶対、幸せになろうな…..」













その言葉だけが、波にさらわれることなく、風に乗って何処かへ届いたようだった____









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