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コメント
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あ、これ…すごく好きな空気感です。 冒頭の警察官の語り口がもう、静かに引き込まれていく感じがして。ラストのぬいぐるみ、不気味で切なくて…「続く」のところで心臓がぎゅってなりました。 ちゃんと「闇」を描ける人だなあって思います。次、絶対読みますね🌙
ある警察官からこんな話を聞いた
十年まえ、ある日の夕方関東のある所で、死亡ひきにげ事故が発生。被害者はふたりで、 横断歩道をわたっていた親子連れだった。
母親は命に別状はなかったが、残念なことに、手を繋いでいた五歳の女の子は即死だった。
すぐに所轄の警察署内に捜査本部が設けられ、科学捜査研究所も乗り出し、徹底した検分が
開始された。
ところが、、、、、、。
事件発生からまる一日経過したところ、別の警察署より連絡が入る。
「『親子連れを跳ね飛ばした』という男が出頭してきている」その人物をすぐに捜査本部のある警察署へ移送し、厳しい取り調べが始まった。
「人をはねたことは、自分でもすぐわかりました。いったんは止まろうとしたんですが、怖くなってそのまま逃げてしまいました」それに対しては、人道見地からいっても、まったく同情の余裕はない。
「でもなぜ、自分から出頭してきたんだ?」
最後に担当警察官が投げかけた問いに、男が 〝理由〟 を語り出した。
「お母さんの方は先に歩いていたせいか、腰のあたりを引っかけただけだけど記憶しています。しかし、あの女の子は、、、、申し訳ないことに、真横からねとばしてしまいました。
ブレーキが間に合わず、強くはねた子どもがウインドーにつっこんできて、ガラスに大きな穴が開きました。そのようすがあまりにおそろしくて逃げたのですが、、、、、」
「にげたが、どうした?」
「とにかく人目をさけようと、裏道をぬけ、いつしかとなりの県に入っていたのです。そのあたりにはいささか土地勘があったもので、夜中になるまで人家のない山の中に隠れていようと思いました。
少し広くなった場所に車停め、買ってあったお茶を飲もうと助手席の方に手をのばすと、なにかこう、、、、、やわらかいものに手がふれたのです。
驚いてそれを確認すると、20センチほどのクマのぬいぐるみでした」
それは事故当時、被害者の女の子が手に持っていたものであったという。
「それを見たとたん、急激におそろしくなり、林の中めがけ投げ捨てました。
夜中になり、人知らず自宅アパートへもどって、車にシートをかけ、部屋でふとんにくるまっていましたが、、、、、、」
ここまで話すと男は、じっと警察官の顔を凝視して固まってしまったという。
そのときの男の顔は、正に恐怖におののいた特殊メイクでもほどこしたかのようだっだと。
「目をつぶってまったっくねむれず、なんどもなんども寝返りをうっていました。カーテンごしに、外が白み始めたこともわかっていましたが、ふとんからはそのまま出ずにいました。するとね、刑事さん、、、、、、、ふとんの中で、不意になにかをつかんだんです。それを、そのままゆっくり引き出してみると、、、、、、」
それはまえの日に山中捨てた、あのぬいぐるみであったという。
完
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KOKUGA
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