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病院での夜
病院の緊急処置室。白い光と機械音に囲まれ、意識を失ったままの×××を前に、キルアは手を握りしめ続けていた。
「×××……しっかりして……お願い……」
呼吸はわずかにあるものの、目は閉じたまま。微かに体が震える。
看護師が手早く止血を確認し、点滴の準備を進める。医師が説明に駆け寄る。
「頭部打撲の影響で、意識はまだ戻っていません。CTでの確認が必要です」
「……わかりました」
キルアは小さくうなずき、涙をこらえながら×××の手を握った。
そのとき、廊下の扉が開き、担任の先生が駆け込んできた。
「キルアくん!? ×××さんが……!?」
慌てた様子で走り寄る先生に、キルアは振り返り、必死に説明する。
「先生……事故です。頭を打って、まだ意識が戻っていません!」
「ど、どうして……!? 今すぐ状況を確認します!」
担任は手袋を着け、医師の指示に従いながら×××のそばに立つ。
「×××さん……しっかり……お願い……!」
キルアの声が震えながら先生に説明する。男の子を庇ったことや意識が戻らないことなど。先生は状況を理解しつつも、冷静にキルアの肩に手を置く。
「キルアくん、あなたがいてくれてよかった。ここからは医療チームに任せるしかない。無理に一人で抱え込まないで」
キルアは首を振る。
「無理じゃない……俺がついてるんです……×××が目を覚ますまで、離れられません!」
医師が再びキルアに近づき、手早く処置内容を説明する。
「頭部の打撲による脳震盪の可能性が高く、出血もあります。CTとレントゲンをすぐに撮ります。意識が戻るまで、しっかり観察する必要があります」
キルアは小さくうなずき、涙をこらえながら×××の手を握った。
担任の先生もそっと隣に座り、キルアに声をかける。
「キルアくん、今は×××さんのそばにいてあげて。君の声が届くかもしれない」
意識のない×××。呼吸はあるものの、まだ反応はない。
キルアは額にそっと唇を寄せ、手を握る力を少し強めた。
「×××……お願い……目を開けて……俺がここにいる……」
救急隊が到着してからすでに数十分。外の春の光は次第に薄れ、病院内には夜の静けさが少しずつ忍び寄る。
キルアは気が付けば、手の中の温もりを感じながら、ただ名前を呼び続けていた。
「×××……目を覚まして……お願い……!」
先生はそっと肩を叩き、声をかける。
「キルアくん、君が必死で呼んでくれているのが伝わっているよ……。でも、無理はしないで」
キルアは首を振り、涙が頬を伝う。
「無理なんかじゃない……×××が目を覚ますまでは、俺はずっとここにいる……」
そのまま、夜が深まっていく。×××はまだ眠ったまま、意識は戻らない。
キルアの心は張り裂けそうで、でも手を握る力を緩めることはできなかった。
夜の病院。白い光が緊急処置室を照らす中、意識のない×××のそばでキルアはずっと手を握り続けていた。
担任の先生がそっと肩に手を置き、
「キルアくん、無理はしないで……でも君の声は届くかもしれないからね」
と優しく声をかける。
その時、廊下の扉が開き、キルアの母親とゴンが駆け込んできた。
「キルア! 大丈夫?」
「×××は…?」
「ゴン……」
キルアは一瞬顔を上げるが、すぐに×××の手を握り直す。
「×××……目を覚まして……!」
母親は駆け寄り、キルアの肩を抱きながら声をかける。
「キルア、よく頑張ったわね……でも、もう少し落ち着いてもいいのよ」
ゴンも×××の横にしゃがみ込み、手をそっと置く。
「×××、大丈夫だよ……俺たちがついてるから」
ゴンの声も届くかはわからない。でも、二人の存在がキルアの胸を少しだけ落ち着かせる。
医師が手早くCTの準備を整え、点滴や酸素マスクもセットされる。
「脳震盪と軽度の頭部外傷です。出血はありますが、現状で意識は戻っていません。しっかり観察する必要があります」
キルアは声を震わせながらも、×××の手を握り続ける。
「×××……お願い……しっかりして……」
母親がキルアの肩に手を置き、静かに励ます。
「キルア、今はそばにいてあげることが一番大事よ。無理に泣かなくていいから、手を握っていてあげて」
ゴンは少し俯き、拳を握る。
「×××、絶対に大丈夫……俺たちが守るから」
時間はゆっくりと過ぎていく。意識の戻らない×××。
キルアは手をぎゅっと握りしめ、涙を流す。
「×××……目を覚まして……頼む……!」
外はもうすっかり暗く、病院内は機械音とスタッフの足音だけが響く。
キルアは肩を震わせながら、ずっと×××の名前を呼び続けた。
担任、母親、ゴン――誰もが見守る中、キルアの腕の中で、×××はまだ眠ったまま。
to be continued…
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