コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜のいつものリラックスタイム中の2人、でも今日は仁人の様子がちょっと変だった。
なんかそわそわ。
落ち着かない。
スマホもちゃんと見てない。
座り直したり、ため息ついて見たり、勇斗の方チラッて見たり。
甘えたいのかな?
勇斗はもう気づいてるのに、知らんぷりしてテレビ見てる。
すると仁人が、意を決したみたいに小声で、
「ねぇ…勇斗」
目線は合わない。
でも勇斗の方に体は向いてる。
明らかに構ってほしいオーラが出まくっている。
勇斗が「ん?」って振り返ると、
仁人は緊張した顔して、そのまま恥ずかしそうに腕を、そっと広げる。
勇斗の方にゆっくり、控えめに広げて、
でも手はちょっと震えてて、目線も勇斗の胸あたりでウロウロしている。
あ〜〜〜〜!!!ハグ待ちしてる!!!!可愛すぎる!!!
ツンデレだからか「ぎゅーして」なんて絶対言えない仁人。
「え?おいちゃんなにその腕、なにしてほしいの〜?♡
「っっ…は!?わかってんだろお前!もういいもん」
って言いながら腕閉じようとするから、
勇斗はわざと逃さないように、
仁人の手首をそっと押し戻す。
「いやいやいや、ひ・ろ・げ・た・で・しょ♡今。仁人さぁ、なんかしてほしかったんじゃないの〜?♡」
仁人の顔、真っ赤。
「あーもうちげーからだまれだまれ」
動揺しすぎててかわちい界隈。
勇斗はさらに意地悪を続ける。
「えー何?ハグしてほしかったわけじゃなかったのか〜…」
「……」
一瞬、ほんの一瞬だけ悲しそうに視線が揺れたのを勇斗は見逃さない。
そして、言葉にはできないまま、
またそっと腕を……ほんの少しだけ開く。
「……はやと、」
声が弱い。甘えたがダダ漏れ。
勇斗も可愛すぎて限界で、
「も〜〜〜〜かわいすぎ!こっちこい!!」
ってものすごい勢いで仁人を引き寄せて抱きしめる。
仁人は驚いたみたいに一瞬固まって、
そのあと勇斗の胸に顔をうずめて、
めちゃくちゃ小声で
「……あーーぎゅーしてほしかった…」
「知ってた♡かわいいねあまえたおいちゃん♡」
「あーーうるさいうるさいうるさい」
腕を首の後ろに回して、
ぎゅうって抱き返してくる仁人。
ツンデレなのに、
甘えたときの声は世界一かわいい。
勇斗はその頭を撫でながら笑う。
「ハグしたいときはちゃんと言えよ」
「……やだ、言えない、恥ずかしい」
「じゃあ俺が毎日聞いてあげるからちゃんと返事しろよ?ちゃんとハグしてあげっから」
そんなこと言われて恥ずかしかったのか、仁人がより深く勇斗に埋まろうとする。
その姿は完全に猫。
甘えん坊で、照れ屋で、抱きつきたいくせに言えない猫さん。
勇斗はぎゅーって抱きしめながら、
耳元でそっと囁く。
「ほんとに素直に言ってほしいんだけど!ハグしてって恋人に言われて見たいですよ、はやちゃんは」
「うるさい」