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ミーティアの輝きに近づくには、まず見た目から変える必要がある。私は貴族として学んだ基礎魔法を応用し、髪の色を変える魔法薬を自作することにした。屋敷の私室にこもり、薬草と魔力結晶を調合し、試行錯誤を重ねた。数日後、ついに白金の輝きを再現できる魔法薬が完成。鏡の前で薬を髪に塗ると、ブラウンの髪が薬を塗った部分だけ月光のような白金に変わった。表面全体にそれを塗り、気づいてしまった。瞳が、もともとのブラウンの目が不自然に浮いているのだ。
「これじゃ、ただの偽物だわ…」


鏡を見て、思わず笑ってしまう。なんて滑稽なのだろう。私がどれだけ頑張っても、ミーティアのあの自然な美しさには敵わない。それでも諦めなかった。私はミーティアの仕草や話し方を観察し、彼女が舞踏会で着るような簡素だが上品なドレスを仕立てた。もちろん、外でそのような猿真似を披露するつもりはない。もし私が妙な真似をすれば、父や母が「体調不良」を理由に私を屋敷に閉じ込めるだろう。仮面を外すわけにはいかない。


「見た目だけじゃダメだ。彼女そのものにならなければ」


小説の知識を頼りに、私はミーティアの癒しの魔法を再現しようとした。屋敷の書斎にある魔法書を読み漁ったが、私の平凡な魔力ではそもそも補助魔法が限界だった。癒しの魔法のような高度な力には遠く及ばない。苛立ちが募る中、小説の一節を思い出した。学園内の秘密の図書館に、禁じられた魔法書が隠されているという記述だ。そこに、私の望みを叶える鍵があるかもしれない。

私はあの子、あの子はわたし。

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