TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「おはようシン。まだそれ着てんの?病院の先生と間違えそうだから脱いだら?笑」

昨日から着たままのシンの白衣を指さしながら明日香が言った。

冗談を交えながら言ったつもりだったがシンに伝わらなかった。

「…ああ…」

湊を見つめたままシンは着たままのだった白衣を脱ぎ丸めて傍らに置く。

シンは昨夜と変わらず無表情のままだった。

「湊さんの荷物ここに置いとくね…」

そう言ってシンの側に鞄を置いた。

「あとこれ。桜子ちゃんから預かってきた。大学に置いたままだったシンの私物。」

それと、と、明日香が続ける。

「シン何も食べてないだろからって…」

桜子から渡された、おにぎりと飲み物も渡した。

「…ありがとう」

力のない返事がかえってくる。

「シン?これなんだけど…」

明日香は肩からかけていた鞄から紙袋を取り出しシンの目の前に差し出した。

「昨日さ、アキラさんと買い物行ったんだよね。そしたらアキラさん、自分のはそっちのけでシンのばっかり選んでてさ…」

差し出された紙袋を受取るとシンは中から服を取り出した。

「シンに似合いそう!なんて子供みたいにはしゃいじゃってさ…」

散々振り回されて大変だったんだから〜

シンの気持ちを紛らわせようと明日香はわざとあどけて見せる。

シンは取り出した服を握りしめた。

「軽い気持ちで言うわけじゃないけど…」

明日香が続ける。

「アキラさんなら大丈夫だよ。シン。」

湊を見ながら、さらに続けた

「だって、その服着てるシンが見てみたいって嬉しそうに話してたんだから…」

シンは握りしめた服を見つめる。

「アキラさん。本当にシンの事、大好きなんだな…」

羨ましいと言う表情で明日香は微笑んだ。

握りしめた服にシンは顔を埋める。

「俺、大学あるからそろそろ行くけど、後で柊くんが来るって言ってたよ」

じゃあね。と、手を振って明日香が去って行った。

1人になったシンは、明日香から渡された紙袋に湊の血痕らしきものが付いているのに気がついた。

「なにやってんだよ…おっさん…」

誰もいなくなった廊下でシンは肩を震わせ初めて泣いた…。


続く…




【あとがき】

まだ続きます…笑


最後までお付き合い頂けると幸いです。

月乃水萌


一番最初に言わせて下さい

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

67

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚