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※ご本人様とは関係ありません。
-紫said-
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先生「今回も紫咲が学年一位だったな。」
ざわつく声。羨望の眼差し。
俺はテスト結果を受けとり、席に戻る。
「やっぱすげーな紫崎!」
周囲の席のやつらは感心したように俺をみて、称えた。
紫「どーもどーも、一位の男ですっ」
冗談っぽく言ってドヤ顔をしてみる。
そうすれば、調子乗ってるわーなんて言ってみんな笑いが起こる。
紫「まじで人生勝ち組で羨ましいわー」
誰かがそう言った。
そんな大層なもんじゃないって、軽く笑って謙遜すれば、俺は”良い人”になる。
紫咲いるまはそうあるべきなんだ。
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そう、俺は多分勝ち組ってやつ。
一流企業の社長夫婦の間に生まれた。
父は起業家で今では一流企業の社長、母は
そして俺は勉強も運動もできる優秀な一人息子。
誰もが羨やむ、そんな家庭。
塾が終わり家に帰る頃にはすっかり空は暗い。
重厚な扉を開けると、広すぎる玄関で母が出迎えた。
母「おかえり。ご飯もうすぐできるから、座って待ってて。」
教科書がつまった重い鞄を降ろし、リビングに入ると、食卓テーブルには既に父が腰を下ろしていた。
父と母に向かい合うように配置された自分の席に座る。
台所から料理を運びながら母が声をかけた。
母「そういえば、テストの結果もう出たんじゃない?どうだったの?」
い「、今回も学年一位だったよ」
そう言うと母は笑顔になった。
母「そう!さすがね!」
父の顔を伺うと、あまり表情には出さないが、納得したような顔になったのがわかった。
それを見てほっとした。
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夕飯を食べ終え、自分の部屋に戻った。
部屋の明かりもつけず、ベッドに倒れ込む。
紫「、はぁ、、、」
“まじで人生勝ち組で羨ましいわー”
今日学校で言われたことを思い出す。
期待、羨望、渇望、妬み、今までいろんな目を向けられてきた。
誰も、本当のことを知らないから。
完璧でないと認められない。
一位でないと意味がない。
この家に、愛なんてなかった。
そんな檻の中で、生きる意味を見失いそうになる。期待の重圧に押しつぶされそうになる俺に誰も気づいてくれない。心はこんなに叫んでいても、それは声にならなくて。
ベッドに沈み込み、両手で顔を覆った。
脳裏に浮かぶのは父と母の声。
紫「、、、、疲れたな、」
それが俺が家を出た理由だった。